痩せる仕組み教えます!~パーソナルトレーナーが教える【ケトジェニックダイエット】~
皆さんこんにちは!tomo__fitnessことマツオトモキです!
5月も終わりを迎え、そろそろ夏に向けて本格的に体を絞りたいという方も多くなってきたのではないでしょうか?
また緊急事態宣言で太ってしまってダイエットをしたいけど、どうすればよいかわからないという方もいらっしゃると思います。
そこで今回は数あるダイエット法の中でも、科学的に様々な効果が証明されている【ケトジェニックダイエット】について解説していきたいと思います。
私自身経験し、2か月間で体重6㎏以上、体脂肪率6%の減少を実現させました!
(※詳細はInstagramにて経過とともに掲載しておりますので、気になった方はぜひご覧ください。)
この経験から今回は、ケトジェニックの仕組みや効果、実施のポイント、実践方法などを解説していきたいと思います。
よろしければ最後までお付き合いいただけると幸いでございます。
1. ケトジェニックとは?
まずケトジェニックダイエットについて説明していきます。
ケトジェニックダイエットとは、糖質を控える代わりに脂質からエネルギーを摂取することで、体脂肪をエネルギー源として活用する体に変えていく食事法のことを言います。
ここで様々な疑問が生じると思われます。
例えば、
「糖質をとらない生活って大丈夫なの?」
「脂質を多くとって太らないの?」
「そもそも体脂肪をエネルギー源にすることなんてできるの?」
といった点です。
確かに人間は効率の良いエネルギーとして糖質を主に使って生きている生物ですので、糖質をとらないことに不安を覚える方も多いはずです。
しかし人間は飢餓状態に陥ったときでもある程度の日数は生き延びることができるとされています。
つまり、糖質が枯渇することによって使われる第三のエネルギー回路というものが存在するといえます。
それが脂質から作られる「ケトン体」をエネルギーとする方法です。
このケトン体が体内で増加している状態では、脂質が効率よくエネルギーとして使われることで体脂肪の燃焼が促進されていきます。
飢餓状態の場合は身体に蓄えられた脂質(体脂肪)が使われる一方で、外部からのエネルギー補給がないため死に至ってしまいます。
しかしこの「ケトン体」が出ている状態で外部から栄養を補給できるとすれば、体脂肪をうまく分解しながら生命も維持していけるということになります。
実際には脂質だけでなく、五大栄養素の中の炭水化物(特に糖質)以外は摂取していく食事法ので、飢餓とは無縁な状態で体脂肪の燃焼ができるということが可能になるのです。
ではなぜ糖質を控えなくてはならないのか。
それは大きく2つの理由があります。
1つ目は先ほど述べた、糖質が枯渇することで「ケトン体」が生成されるというメカニズムです。
そして2つ目は、「ケトン体」の血中濃度が高まり、その利用率が高まった状態を「ケトーシス」と言いますが、この状態は糖質の摂取量が増えすぎると解除されてしまうという性質があるという点です。
そのため糖質と脂質の摂取量がこのダイエットで特にカギを握っているといえます。
さて、ここまでで【ケトジェニックダイエット】のメカニズムについてはおおかたご理解いただけたと思います。
では一体どのような効果が科学的に証明されているのでしょうか?
2. ケトジェニックダイエットにおけるメリットとデメリット
まず科学的に証明されているメリットからご紹介いたします。
大きく9つありますので、それぞれ簡単に説明いたします。
❶脂肪燃焼効果
⇒こちらは前段で説明したように、糖質から脂質へとエネルギー源が切り替わることにより得られる効果となっております。
❷脳の活性化
⇒脳は約60%が脂肪でできていることもあり、糖質を控えて良質な脂質とタンパク質を摂取して脳のエネルギー源をケトン体に変えることで、情報伝達がスムーズになり、脳が活性化されます。
❸アンチエイジング効果
⇒糖質の摂取量が少ない分タンパク質の摂取量が増加や良質な脂質を摂取することになるため、アンチエイジング効果が期待できます。
❹むくみ予防
⇒むくみの原因である糖質過多やタンパク質不足が解消されるため、むくみ改善につながります。
❺免疫力アップ
⇒血糖値が安定することで、免疫を担うコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが本来の役割に徹することができるため、免疫力が高まります。
❻短期的なウエイトコントロールが可能
⇒糖質は1gあたり3gの水分を引き込む性質があるため、糖質の枯渇と共に水分が抜けて初期は体重が大幅に減少する。その後も脂肪がエネルギー源の中心として働くため、短期的に体重をコントロールできる。
❼糖化(老化)を防ぐ
⇒糖化とは、糖の過剰摂取によるタンパク質の機能鈍化のことで、老化が促進されることを言います。糖質の制限によりこの現象を回避できるため老化予防につながるといえます。
❽食後の眠気を抑える
⇒血糖値の急上昇を抑えることができ、過剰なインスリン分泌による一時的な低血糖症状が抑えられるため、眠気を抑えることが可能です。
❾空腹感を抑える。
⇒血糖値が安定することで急激に血糖値が下がることがないため、強い空腹感やイライラが解消されます。
以上がメリットです。
個人的には肌質改善や花粉症の症状がほとんど出ないなどのメリットも感じましたので、糖質の制限と脂質の質の変化、タンパク質の十分量摂取にはかなりの効果があるといえます。
続いて心配に思われているデメリットをご紹介いたします。
体調面、実施面でそれぞれ2つほどあるので説明していきます。
➀初期に体調が変化しやすい
⇒最初の3日から1週間程の期間において、糖質から脂質へエネルギー源供給を切り替える際に糖質が少ない状態にもかかわらず身体が糖質を使おうとするため体調に変化が出やすいです。
この対策としては、しっかりと脂質をとることや糖質と共に抜ける水分量を考慮した多めの水分摂取、十分な睡眠時間の確保が重要となります。
あらかじめ症状が出ることや対処法を知っていることで、ほとんど体調変化がなくケトーシスに入れるため、是非参考になさってください。
②低血糖症状を引き起こすことがある
⇒スポーツなどの高強度運動や長時間高い強度でトレーニングなどを行うとめまいや立ち眩みのような低血糖症状を引き起こすことがあります。そのため運動強度の選択には注意が必要です。
➂比較的食費が高くつく
⇒肉類や魚類、卵、糖質の低い野菜類などを中心に摂取していくことから、他のダイエット法と比較すると食費がかかってくる点は否めません。
④甘いもの好きには食べられないストレスがある
⇒甘いもののほとんどは糖質量が多いため、ケトジェニックダイエット中の摂取は制限されます。私自身甘いもの好きですので、慣れるまでは食べたい欲との戦いが発生することがありました。
対処としては、低糖質プリンなどをうまく活用することです。
食べすぎはよくありませんが、1日に1個ほどであれば問題ないと思いますので、うまく活用していきましょう。
以上がデメリットです。
ダイエット開始初期に集中してデメリットが存在しているため、諦めてしまいがちなのが特徴ですね。
ただしこの期間を過ぎれば大きな効果を得やすいのが【ケトジェニックダイエット】の特徴でもあるので、上手く対処法を活用してこの期間を乗り越えていきましょう。
メリットとデメリットを理解したうえで、成功させるためのポイントを続いて見ていきましょう。
3.ケトジェニックダイエットのポイント
大きく分けて5つのポイントが存在します。
このポイントを抑えることで、成功率が格段と上がるのでしっかりと見ていきましょう。
➊糖質量のコントロール
ここまででも述べてきましたが、「ケトン体」の生成には糖質が枯渇するという状況が必須です。
一般的には1食あたり20g以下、1日で60g以下に糖質量をコントロールするとされています。
ただし人によって筋肉量や運動量などは異なるので、目安として1日の総摂取カロリーの10%以下に抑えるようにすると良いでしょう。
例として1日に2000kcal 程摂取する人であれば、
2000×0.1=200kcal
糖質のカロリーは4kcal/g ですので、
200÷4=50gとなり、これ以下を目安に糖質量を決定することになります。
糖質量50gがどれくらいなのかというと、茶碗1杯程度の白米(150g)が該当します。
ここからもわかる通り、基本的に炭水化物と呼ばれるものは摂取できないことがわかります。
では何を食べてよく、何を食べてはならないのか?
ここでNG食材とOK食材について、簡易的ですが以下にまとめてみました。
≪NG食材≫
炭水化物、果物、砂糖の入った飲料、ジュース、野菜の根菜類など
≪OK食材≫
肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品、根菜以外の野菜類、海藻類など
ぜひ実施する際は参考までにご活用ください。
➋充分な脂質量の摂取
ケトジェニックダイエットの仕組みでもお話ししたように、「ケトン体」をうまく活用するためには、脂質の摂取が重要となります。
充分とはどの程度なのかと言いますと、目安として1日の総摂取カロリーの60%を目安に摂取していきます。
ここで注意したいのは、「脂質の質」です。
揚げ物などから摂取してしまうのではなく、良質な脂質を摂取していきようにしましょう。
揚げ物などの油は、細胞の炎症を促進させてしまう可能性があるとされているので、健康的に痩せていくためにも避けていくことが望ましいといえます。
ここで良質な脂質と避けたい脂質についていくつか紹介いたします。
≪良質な脂質≫
・青魚(サバなど)やサーモンなどの魚類やクルミ、亜麻仁油などの脂質。(オメガ3脂肪酸)
・オリーブオイルやアボカド、アーモンドなどの脂質。(オメガ9脂肪酸)
・MCTオイルやココナッツオイルなどの脂質。(中鎖脂肪酸) etc.
≪避けたい脂質≫
・サラダ油、ごま油、脂質の多すぎる肉類の脂質。(オメガ6脂肪酸)
・菓子類やマーガリン、ショートニングの脂質。(トランス脂肪酸) etc.
脂質の話については以前投稿いたしました栄養学の記事にて詳しくお話しているので、気になる方はこちらをご参照ください。
➌充分なたんぱく質の摂取
タンパク質の摂取は、筋肉の分解抑制や酵素・ホルモンの生成に大きく関わってきます。
そのためダイエット中にうまくホルモンを働かせ、筋肉を残していくためにもしっかりと摂取していくことが重要となります。
充分とはどの程度なのかと言いますと、目安として1日の総摂取カロリーの30%を目安に摂取していきます。
良質な脂質の摂取の中で、肉類や魚類、卵などからタンパク質も同時に摂取できるため比較的摂取しやすいとは思いますが、
なかなか摂取量に到達しない場合は、プロテインなどもうまく活用できると上手に食事を構成することができます。
➍食物繊維の摂取
炭水化物についておさらいですが、炭水化物は「糖質+食物繊維」の総称です。
ケトジェニックダイエットでは糖質を制限するために炭水化物などが摂取できないことで、同時に食物繊維の摂取量も少なくなります。
食物繊維は、脂質の吸収抑制や腸の蠕動運動の促進、便のかさ増しなどの効果を持っています。
そのため食物繊維が不足することで身体活動への影響として、便秘になりやすくなることがありますので、あらかじめ対処していくことが望ましいです。
対処法としては糖質が少なく、食物繊維が多い食材である海藻類やキノコ類をうまく摂取することです。
目安としては1日に20g(両手一杯程度)を摂取していきましょう!
➎ビタミンやミネラルの摂取
ビタミンやミネラルは身体の機能を正常に保つために非常に重要な栄養素ですが、体内でほとんど生成されないため、食事からうまく摂取する必要があります。
ケトジェニックでOKな食材に多く含まれておりますが、バランスよく様々な食品から摂取することですべてのビタミンやミネラルを摂取できるため、肉だけや野菜だけのような偏りのない食材選びを心がけましょう。
ここまでで、【ケトジェニックダイエット】の理論やポイントは確認できました。
ただし、実践するうえでは他にも重要な要素がございます。
それがカロリーの設定や摂取バランスなどです。
ここからはその点を話すために必要な知識をお話ししたのちに、具体的な実践方法について触れていきたいと思います。
4.基礎代謝とは?
基礎代謝とは、人が1日に何もしなくても消費するカロリーのことです。
この基礎代謝は1日に消費するカロリーの約60%を占めているとされています。
年齢や性別、栄養摂取状態、筋肉量などによって差異は生じるものの、基礎代謝を高めることで痩せやすい身体を作ることができます。
年齢や性別には抗えませんので、主には筋肉量の維持や増加によって、歳をとっても高い代謝を保つということが人生を長い目で見ると重要になると理解できます。
5.PFCバランスとは?
PFCとは、三大栄養素であるタンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとって表記したものになります。
身体づくりにおいてはこのバランスを整えることで、効率的に理想のカラダへと導くことが可能になるので、非常に重要な要素と言えます。
今回の【ケトジェニックダイエット】におけるPFCバランスは、
P=30%、F=60%、C=10%
となっているので、覚えておきましょう!
6.カロリー設定と摂取分量の計算方法
ここからは上記の2つの知識をもとに、実践するための準備段階である〔摂取カロリーの設定〕と〔実際の摂取分量〕の計算方法を身に付けていきましょう。
まずは〔摂取カロリーの設定〕です。
摂取カロリーの設定には基礎代謝を知る必要があります。
人それぞれ筋肉量などが異なりますので、体組成計で測定をすることが望ましいです。
(測定できる体組成計がない方は是非買いましょう!)
体組成計にて測定ができましたら、その値に以下の活動レベルというものをかけていきます。
例としては、基礎代謝が1500kcalで運動習慣があまりない方の場合
1500×1.5=2250kcal
となりこれが1日の推定消費カロリーとなります。
痩せるためには消費カロリー>摂取カロリーにする必要があるので、この値よりも低いカロリーを設定します。
おすすめは-300~500kcalの範囲で設定してあげることです。
また基本的には、よほど運動習慣がある方でない限りは1.5をかけると有効です。
ただしそれでも多すぎる方もいらっしゃいますので、
そのような時や計算が面倒な方は基礎代謝に+300kcalをしたカロリーを摂取するようにしましょう。
先ほどの方の例でいくと、
1500+300=1800kcal
となります。
ここで注意点ですが、痩せたいがために基礎代謝よりも摂取カロリーを減らすことはやめましょう。
基礎代謝は何もしなくても消費されるカロリーだとお伝えしましたが、それは生命活動を維持するために使われているカロリーだといえます。
つまりこのカロリーが不足しだすと、生命の維持に支障をきたすことにつながりますので絶対にないようにいたしましょう。
続いて〔実際の摂取分量〕を決定していきます。
摂取分量に関してはPFCバランスに則って計算を行います。
先ほどの方を引き続き例にしていくと、
目標摂取カロリー=1800kcalでしたので、P=30%、F=60%、C=10%に当てはめると、
P=540kcal、F=1080kcal、C=180kcal
となります。
これを実際にグラム数へと変換すると1gあたり、
P=4kcal
F=9kcal
C=4kcal
ですので、1日当たりの摂取分量は、
P=135g、F=120g、C=45gとなります。
これを3食に分割すると、1食あたり、
P=45g、F=40g、C=15gとなります。
このように計算していきますが、これはあくまで目安の値です。
完璧に摂取することは難しいですので、各栄養素や各食事あたりにおける多少の誤差は許容していきましょう。
ただしC(炭水化物)の値が増えすぎると、ケトジェニックダイエットの本質である「ケトン体」の利用が行えなくなってしまいますので、この値に関しては厳格に守っていきましょう!
また摂取する内容ですが、上記でもお話ししたようなOKな食材をしっかりと選定して食事を勧めていきましょう。
設定カロリーの範囲内であれば人の体重は減りますが、「健康的にダイエットを成功させる」ことが1番ですので、お菓子やジャンクフードに頼らず実施するように頑張っていきましょう!
7.まとめ
ここまでいかがだったでしょうか?
今回は【ケトジェニックダイエット】のメカニズムからメリット・デメリット、ポイントを確認し、実践していくまでの流れをご紹介いたしました。
【ケトジェニックダイエット】は痩せるだけではなく、科学的な効果がいくつもあるダイエット法でした。
これから痩せていきたいと考えている方がいらっしゃるのなら、1度期間を決めてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
私自身は実践するまでわからないことも多く、体調に変化がある時期もありました。
しかし今回ここで多くの内容をお伝えいたしましたので、皆さんには私が苦労したことはショートカットしていただき、楽しく健康的に【ケトジェニックダイエット】をしていただければと思います。
次回は、実際に私が2か月間のケトジェニックダイエットで感じたことや悩んだ点に関する対処法などについて書いていきます。
そちらもぜひお楽しみに!
最後までご覧頂き誠にありがとうございます。
TREINER’S GYM(トレーナーズジム)駒沢店でパーソナルトレーナーとして活動しております!
Instagramでも食事やトレーニング、ダイエットについて発信しています。
ケトジェニックダイエットの記録もございますので、ご参考になれば幸いでございます。
パーソナルトレーナー 松尾
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