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詩 本が騒ぐ

(金井さんがまた詩を書いた)

ほこりまみれのすすまみれ
本だらけのCDだらけ
どうだ きったねえ部屋だろう 
ここが私の書斎
私の宇宙のすべて
生み出したものも これから生み出されるものも
読まれるものも 読まれないものも
すべてここでのことだった
ここで戦ってきたんだよ がんばってきた
愚痴をいいたいわけじゃない
だがひとことだけ こいつはしんどいものだなといおう
死ぬまでやってくことがある
とうに決めていることで
ただただ 書いて読んで観て聴く
そういう生き方でやりたい
そういう生き方しかできない
ときにこの部屋 私の半生の結果か
壁沿いの本棚がやかましくなっている
読めと迫る背表紙の群れ 目が痛い
ああこれをぜんぶ読んでいたなら
私はさっさと先生になっていたろうに
怠惰 慢心 不真面目 堕落
それらによってか まだ文士というには足りぬのだ
さあさ がんばりましょうがんばりましょう
本が騒いでいるよ 読むものを選ぼう
読まねば書けないのです 知っているでしょう
読書は鉄の掟 最初から最後までも
ついてまわる私の業 因果と生活
別に苦になりゃしやせんが
楽しいものを読みたいね

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