7/14 時代錯誤と指摘されないのが不思議

▼目次
 ・テレビの主要視聴者層は50代以上
 ・料理番組という皮を被ったエロ番組
 ・テレビは高齢者向けメディアになっていくのか?

・テレビの主要視聴者層は50代以上

テレビ視聴者の大半はM3F3と呼ばれる50歳以上の男女である。

若い人の多くがスマホシフトし、地上波放送は録画視聴(あるいはTVerで見逃し視聴)で好きな番組だけ観る、一番好きな番組はNETFLIXの海外ドラマ(あるいはAbemaの恋愛リアリティショー)というような視聴スタイルになり、地上波にはますますデジタル化に乗り遅れた世代だけになった。

だから広告会社で働く身としてはテレビはどんどん売りにくい媒体になっている。体力のあるナショナルクライアントだってテレビの使い方に慎重になるくらいだ。

そんな状況だからか、未だに「まだこれOKなんだ」という作りの番組を目にすることがある。例えばTBSで日曜13:00〜放送される「噂の東京マガジン」。

日曜昼に家でテレビを見ているのは恐らく50代以上で違いなかろう。番組内の人気コーナに「やって!TRY」という若い女性(主に20代前半)に即興でお題になった料理メニューを作ってもらうというものがある。

・表面的には料理というオブラートに包んだエロ番組

言い過ぎかな?けど、おじさん方が楽しく観る気持ちはわかるよ。

(非常に表現が悪いが)キャバクラで働いていそうなおねーちゃんを街中で捕まえていきなり料理を作らせる。その過程を「そんなことも知らないのか、ふふ」なんて観ているおじさん方の姿が目に浮かぶ。それは、出来の悪い娘を観る親目線というよりは(母親はそうかも)、普段なかなか表立って接することができない若い女性をジーっと観て目の保養にしているという印象だ。もっといえば、歳は関係なくて、男性のためにある番組という方が正しいかもしれない。

実際にこういう指摘記事もあるようで、記事を読むと制作側に制作意図を問い合わせた結果が記載されていたのでご紹介したい。

早速、TBSに取材を申し込んだところ、番組プロデューサーの王堂健一氏よりメールで回答があった。それによると、コーナーを始めた当初のコンセプトは「母から娘への台所の知恵と技の伝承」だった。初期は母親から何を学んだのかなどを聞きつつ料理してもらって、「大変好評をいただいてきました」と王堂氏。女性が登場する印象が強いコーナーだが、時代の変化を受け、男性が料理するケースも出てきたという。王堂氏によると、「ある放送では料理に苦戦する女性を一緒にいた男性が手助けして、見事に料理を仕上げたことがあり、完成した料理を2人で味わう姿をほほ笑ましく眺めることもありました」。「失敗を面白がるだけでなく、TRYしてもらうこと、そしてそれを放送することで、料理の楽しさを知っていただいたり、キッチンでのコミュニケーションのきっかけになってくれたらと、出演者も制作スタッフも心から願い、日々制作しております」(王堂氏)。

そう、確かに最近は男性が登場するケースが増えてきた印象がある。番組側としては料理ができない姿を映さないと面白くないから、男性が料理をしたとしても結局笑いに繋げる編集なのだが、昨今のLGBTQなど性別に対する世論への配慮ということもあるのだろう。しかし、だいたいは制作者側の意図なんてお構いなしに視聴者は勝手な観かた/受け取り方をするのである。どんな高尚な意図があろうと、アウトプットがこれでは、ある意味セクハラと言われても致し方ない。

・テレビは高齢者向けメディアになっていくのか?

そもそも若年層が日曜昼の時間帯に家にいることは少ないと思うから、その時間帯にテレビを観ている視聴者層に向けて番組を作ることは間違っていない。しかしながら、若い人が観たい番組が無ければ若い人はますますテレビを観なくなるだけで、観てくれる高齢層に向けて内容も構成も最適化されるのではないか。

地上波テレビのコンテンツの質が下がっているというのはもうここ数年継続して言われ続けているけど、特に変わる傾向はなく。このまま昭和・平成の時代を引きずった高齢者向けコンテンツしか生み出せないのだろうか。

現時点では、強制的にCMを視聴させることができて、ある意味一斉に共通体験を作ることができるため認知拡大には適しているメディアとしてWEB(YouTubeなど)と肩を並べるメディアの位置を保っているが、今後その役割は高齢者ターゲティングメディアに変化していくんではないかと思う。。それでいいのか悩ましいが。。変われないまま終わるのだろうか。


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