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ALS患者に対する運動療法

ALSケーススタディ 四肢の運動編

右手に力が入りにくくなり、3ヶ月くらい。
精査を目的に入院したALS患者さん。

入院時は、神経筋疾患の疑いということで、筋電図の検査や神経伝達などの検査などが、行われます。
おおよそ、2-3週間くらいの入院。

初期評価して
可動域維持のための四肢の自動運動と自動介助運動をします。

自動介助運動もしくは、自動運動をおこないます。
このように、力が入りにくくなっている人はめちゃめちゃ運動をしようとする人と。全然やらない人にわかれます。

適切な運動強度で行うことにより上下肢の筋力が維持され、QOLも保たれることは比較的知られています。
ちょっと古いのとn=18で少ないですが筋トレをするとALSFRS-Rの全スコアと上下肢のスコア、QOLで有意に高かったという報告もありますし。
A randomized controlled trial of resistance exercise in individuals with ALS
Bello-Haas VD, Florence JM, Kloos AD, Scheirbecker J, Lopate G, Hayes SM, Pioro EP, Mitsumoto H
Neurology 2007;68(23):2003-7

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最近の研究では、ストレッチ/ROM群と筋トレ群と持久力トレ群で比較したところ、筋トレ群と持久力トレ群が転倒を減少させるという報告もあります。

A randomized controlled trial of resistance and endurance exercise in amyotrophic lateral sclerosis.
Amyotrophic Lateral Sclerosis and Frontotemporal Degeneration, 2018; 19: 250–258 IF2.982 少しIF低いけど。最新ってことで。

この研究では、

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ちなみに、
ストレッチ/ROM群は、ストレッチを30秒継続するのを4回繰り返してて。
筋トレ群は8reps 1RM 2sets で2wkずつ40,50,70%でやってます。
持久力トレ群は、40-70% of target HR、Borg scale 13-15で、上肢運動やエルゴなどです。


ちょっと話はそれましたが。
案外と運動はやっても良いということです。
疾患による筋力低下はなかなか難しいですが。
廃用による筋力低下は防ぎたいところです。

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