見出し画像

文学フリマ東京39への歩み その2 アンソロジーを作る

 前回、書いたように、ビリヤニを食べ、ローリング・ストーンズの「Paint It,Black」を聴きながら、「次回の文学フリマ東京39には、アンソロジーの書き手として参加しよう」と決めました。


 今年の5月に開催された、文学フリマ東京38の1週間前のことです。
 当時、私は、初めての文フリ参加なのに、吉穂堂で販売の手伝いをするだけでなく、本も買おうと欲張っていました。さすがに、のんびりと見るわけにはいかないとは思っていたので、ささっと回れるように、文フリの電子カタログを熟読したんですね。カタログはジャンルごとに分かれているのですが、「小説|純文学」「情景|エンタメ」などに混じって、「小説|アンソロジー」というジャンルがありました。

 内容をチェックすると、どうやら、複数の書き手が作品を寄せる、いわゆる同人誌的な作品をアンソロジーと呼ぶらしい。中でも、一つのテーマに基づいて、複数の書き手が作品を寄せているタイプのアンソロジーが目を引きました。
 例えば、『桃踏』というアンソロジーのテーマは「衝動」、「秘密結社きつね福」さんのアンソロジーのテーマは「名刺」というように。
 商業出版のアンソロジーなら、特にテーマがなくても、参加している作家名でだいたいの雰囲気が掴めますが、文フリのアンソロジーは、作家名やグループ名だけでは、どんな本なのか見当もつかないなと、電子カタログを見ながら思ったものです。
 
 そんなことを思っていたので、自分も書き手として文フリに参加すると決めた時、「自分一人で本を作るのは難しくても、noteで知り合った方々と一緒にアンソロジーを作ることならできるはず」とすぐに思い付きました。
 思い付くとすぐ、吉穂さんにも話し、数分後には、アンソロジー作りは決定事項になったのです。

 ご存じの方も多いと思いますが、吉穂みらいさんは本作りのプロです。神保町にある棚貸し本屋、PASSAGE内の吉穂堂には、みらいさんご自身の本が18冊並んでいるそうです。それらを全て、みらいさんはお一人で製作なさったのです。
 noteには、小説を書かれている方も多いので、10作以上書かれた方は他にもいらっしゃると思いますが、10冊以上も本を作られたのは、みらいさんだけではないでしょうか。

 本作りのプロに教わりながら、アンソロジーを作れるとは、まさに夢のようです。


 その後、文学フリマ東京38までの1週間で、「今回は、自分たちだけでこぢんまりと作ってみる」「noteのお仲間、渡邉有さんが文フリにいらしたら、一緒にアンソロジーを作りませんかと声をかけてみる」「今回だけで終わらせるのではなく、継続してアンソロジーを作り続ける。規模も大きくしたい」といった骨子が決まりました。

 ほんと、noteの力ってすごいですよね。その時点で、吉穂さんとは2回しか会っていないし、渡邉さんとはまだ面識がありませんでした。それなのに、そんな計画を立てたくなる。
 私は、人付き合いが苦手です。苦手でもあり、億劫でもあり…。人と会うよりも家で本を読んだり、映画やドラマを観たりしたい。そんな私でも、「文フリの販売を手伝う」「アンソロジーを作る」などと考えることができたのは、noteのおかげです。1年、2年と記事を読み続けるうちに、「この方々と一緒に何か作ってみたい」「この方々となら、一緒に何かやれるのでは?」という気持ちになったのです。
 

    *


 幸い、渡邉有さんにも参加を快諾いただいたので、まずは、3人でアンソロジーのvol.1を作って、皆さんに、こんな感じのものですとお見せした後に、仲間を募って、よりボリュームのあるアンソロジーを作る。現時点では、こんな風に夢を膨らませています。

 今回のアンソロジーは、2万字程度の小説が3編載る予定ですが、次回からは、もう少し長い小説や1万字以下の短い掌編も入れたいです。また、詩や短歌、エッセイ、小説&映画の感想文なども入れられたら、アンソロジーに幅が出そうです。
 まだ吉穂さんや渡邉さんと話を詰めていないので、どんな形になるかは未定ですが、書き手としては、noteの皆様、具体的に言うと、私たち3人がフォローして、記事を読ませていただいている方々を想定しています。

 
noteに投稿するだけで十分です、という方も多いでしょうが、中には、自分の作品を活字にすることに興味がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。そういう方にとって、将来的には自分独自の本を作るにしても、アンソロジーという舞台で経験値を積むのは、悪くないと思うんですね。自分の作品を活字にし、文学フリマで売るという経験をしてみたいと思いませんか。

『夢の中へ』を聴きながら、文学フリマへの道を想像してみて下さい。

 
 ということで、今後、この「文学フリマ東京39への歩み」では以下のようなことを書く予定です。

①    アンソロジーを作るための手順、特にどの程度の時間と手間がかかるものなのか。

②   アンソロジーを作るための費用。これは、私も最も気になった点なので、具体的な金額まで書いていきたいです。
 
 今後、自分で本を作りたいと考えている方の参考になるように、また、その程度の手間やお金なら、自分もアンソロジーに参加したいと思ってもらえるように、頑張って書いていく所存です。何か質問がありましたら、その都度、コメント欄で訊いていただければと思います(質問したら、アンソロジーに参加しなくてはならないのでは? などと思わずに、気楽に訊いて下さいね)。

*アンソロジーを作るための費用 その1

文学フリマ東京の参加費用
 ブース利用料6500円+追加の椅子800円=7300円←2人分の参加費用
 
 3人目以降の参加者は、1000円の入場料が必要です。

抽選なので、落ちる可能性もありますが…。落ちた時には、別ルートで販売する予定。次回からは、抽選なしの時期に申し込むつもりなので、必ず出店できます。
 


この記事が参加している募集

読んでくださってありがとうございます。コメントや感想をいただけると嬉しいです。