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文学フリマ東京39への歩み その1 ビリヤニとストーンズ

 12月1日に開催される文学フリマ東京39に出店者として参加するつもりでいます。抽選の結果は、まだ出ていないのですが。

 文学フリマといえば、今年の初め頃だったと思いますが、「5月に開催される文学フリマ東京に参加します」という吉穂みらいさんの記事に、「ボランティアで参加したいので、何かあれば声をかけて下さいね」とコメントしたのが始まりでした。
 当時、私は派遣の仕事を辞めたばかりで、何か新しいことをしたいと思っていたところだったんですね。そんな時に、文学フリマという魅力的なイベントを知り…。といっても、その時には、私の興味は「文学」ではなく、「フリマ」にありました。
 販売の仕事が大好きなんです。長年、普通の事務仕事をしていましたが、昔々、デパートで食器を売っていた時の楽しい思い出が蘇りました。
 社員は、予算があるので、楽しいどころではないですが、私はパートだったので、食器好きのお客様やメーカーさんと話をするのも楽しいし、職場にウエッジウッドやロイヤルコペンハーゲンのような高級食器があるのも心地良い。
 その時のことを思い出して、「文学フリマ」=本好きのお客さんと本の話ができるイベントに違いない、と考えて、吉穂さんが募集なさっていたわけでもないのに、勝手にボランティアを志願したのです。

 その後、神保町にある棚貸し本屋のPASSAGEで吉穂さんとお会いして、正式にお手伝いをさせてもらうことになりました。これが、3月下旬のことです。3月下旬から5月19日の当日まで、吉穂さんは怒涛の日々を過ごされたと思いますが、私の方は相変わらずフリマの販売員という認識しかなかったので、普段と変わらない呑気な日常を送っていました。

 文学フリマ東京38に向けてエンジンがかかったのは、開催1週間前の5月11日です。会場である東京流通センターを下見した帰りに、吉穂さんと二人で、東京駅にある「バンゲラス・スパイスビストロ&カフェ」でビリヤニを食べたのですが…。

 ここで、脱線しますが、東京駅でビリヤニを食べるというと、まず名前が挙がるのは八重洲地下街にあるエリック・サウスでしょう。セブンイレブン等でもカレーやビリヤニを売っている有名店です。私も、この店のビリヤニが大好きで、一時はよく通ったものです。が、今は有名になりすぎて、行列がすごい。もともとあまり大きな店ではないので、先日通った時には、平日の3時頃でも行列ができていました。また、八重地下街の外れにあるので、東京駅からの距離がやや遠いという難点もあります。ビリヤニだけでなく、カレーやミールス(カレーを中心としたインドの定食のようなもの)も美味しいので、時間に余裕がある時に訪問したい店です。

*エリック・サウスは、東京ガーデンテラス(元赤プリ)や虎ノ門ヒルズにも支店があります。
 


 その点、吉穂さんと訪れたバンゲラス・スパイスビストロ&カフェは、グランスタの1階にあるので駅からもすぐですし、動線から外れているので、そこまで混んでいません。食べログ100名店に選出されている有楽町の名店、バンゲラス・キッチンの支店なので、味の方もお墨付きです。東京駅にいらした際には、ぜひ訪問なさってみて下さい。

 
 文学フリマについて書くつもりが、ビリヤニについて熱く語ってしまいました。
 話を戻すと、ビリヤニを食べながら、考えたのです、「ボランティアをやるといいながら、今のところ、吉穂さんを全然手伝ってないな(下見して、ビリヤニ食べただけ)」、「だがしかし、吉穂さんの本を売るのだから、私が張り切っても仕方ないのでは?」、「かえって、ウザいよね」などなど。一方で、文学フリマは、一人でやるにはハードすぎるイベントではないか、とも考えました。一度ならともかく、吉穂さんが今後も参加なさるなら(勝手に、参加なさると決めていました)、ボランティアではなく、対等な立場で一緒に参加する人がいた方がいいのでは? と。

 だからって、私が自分の本を売るのはハードルが高すぎる。一昨年の11月に小説を書き始めたばかりなので、本にするほどの分量の原稿がありませんし、文章は書けても、本のデザインやら何やらのセンスが自分にあるとは思えない。そんな風にも考えました。

 そんな風に、あれこれ考えていた時に、店のBGMが変わり、ローリング・ストーンズの「Paint it,Black」が流れたのです。ストーンズの曲はそんなに知らないのですが、この曲は、イントロがすごくカッコいいんですよね。

 そのカッコいいイントロに耳を傾けながら、決めました。次回の文学フリマ東京39には、作り手として参加しようと。noteで出会った方々と一緒にアンソロジーを作ろうと、心が決まりました。

つづく



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