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作品の合間に思う独り言。

 小説の途中経過的につぶやいてみようかと思い、書いてみている。
こんな時間があるなら、シリーズの先を書いたほうがいいのはわかっているのだが、もう少し赤也の物語を続けるか、次世代に続けるかで、迷っている。

 赤也が現在、30代で先生をしながら、式神達と自由に生きている様は、一番書いていて、自由度も高く面白かった。
これを、あと二三、続けてみるのも良いが、物語を先に進めるという意味では、次世代に渡しても良いし、未だ熟考中である。

 「静寂の歌」を読み直しながら思うのは、その表現の良い感じの抜け具合であり、これは、今の私には書けない風景かもしれない、と、自身の力量の最期的な文章として、面白く読み直している。
これを書いたのが、23歳。漱石文学を一番学んでいた時期であり、遊びの多い「静寂の歌」の中では、その表現の仕方が如実に表れているのは面白い。
例えば、夏木とのやりとりや、木下とのやりとり、邪植との行動時など、けっこう無駄な会話が多いところが、この作品の良いところだと思っているし、案外、文学とはこういう間隔の中にしか生じえない、と自負している。

 このまま、赤也の三十代の終わりまでをもう1シーズン。
四十代から先を、次世代とのつなぎの一貫として、1シーズンやってみるのも面白いか。
 もちろん、次回主人公は、赤也の娘を予定している訳だが、いま悩んでいるのは、魅力的な女性主人公とはどういう生き物か、という問題であった。
大抵、物語の主人公は男性で、魅力的な女性主人公って、これまであったか?という部分が、実はサブカルの中でも、難しい問題である。

魅力的な女性キャラはたくさんいるが、魅力的な女性主人公って、どれだけいるだろうか?今の難題は、そこにある。
男からも女からも、世代間を超えて愛される主人公はけっこう難しい。
昔なら、「セーラームーン」のうさぎちゃん。今なら、「幼女戦記」のターニャあたりか。あとは、ジブリかな(笑)
幼女戦記は中身が男性であること。
職業が軍人という男性的な職業であること。
そういう諸々も含めて、魅力的な女性主人公とは、言えないのかもしれないが、それだけ「女性主人公」とは、少女漫画以外では、難しいのかもしれない、と思う。

 それは、なぜか?
 作者の視点から、おずおずと申し上げるのであれば、やはり女性には、「かわいらしさ」というものが求められてしまい、しかし、それは物語の一部をやわらげる要素はあれど、ずっと居ると、物語に支障が出やすいのではないかと、感じた。
 女性はやわらかいが、物語はずっとやわらかい訳にはいかない。
 死屍累々の世界観を、にこにこした可愛い女の子がスキップしている図は、どう見てもサイコホラーのそれであり、物語を主軸に考えてゆくと、多少、論理的な思考のできる人が主人公として、いないと駄目だ。
 「薬屋のひとりごと」を読んでいる人なら、ピンとくるかもしれないが、主人公は、女性というより、男性的であり、それでもイラストのおかげで、可愛げがあるというもので、あれを活字だけで読んでいると、やはり、「かわいらしさ」とは無縁だろう。

 そういう意味からも、実は女性って、魅力的に主人公として描くのは一番難しい存在なのではないかと、思い至る。
 そして、作品の中での女性の役割とは、どこまでもセクシャルの要素を抜け出ないのも、女性という存在の特徴であるのではないかと、思うのだ。

それを踏まえて、「筆の森」という作品で、次世代の女主人公タチバナと、赤也の娘坂島真子(さかじままこ)と、坂島赤也を結びましょうか。
本編に入る前の、ちょっとしたつまみ食いとして、お楽しみいただけると、幸いです。

ちなみに、この作品も、挿絵募集しとります。(笑)
→「小説の挿絵募集します。」


    ―――「作品の合間で思う独り言」


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