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ファイナンス思考 1

ファイナンス思考とは会社の企業価値を最大化するために、長期的な目線に立って事業や財務に関する戦略を総合的に組み立てる考え方。
→将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする発想。
→価値志向であり、長期志向、未来志向である。

「PL脳」に基づく経営は長期的な成長に向けた投資よりも目先の業績指標の増加を優先するという点で、会社の未来の価値を毀損し、将来の利益を先食いする手法。

会社の企業価値を最大化するためには、
A:事業に必要なお金を外部から最適なバランスと条件で調達し、
B:既存の事業・資産から最大化にお金を創出し、
C:築いた資産を事業構築のための新規投資や株主へ還元を最適に分配し、
D:その経緯と合理性と意思をステークホルダーに説明する

PL脳に浸食された日本の会社とビジネスパーソン
「PL脳」とは、「売上高や利益といった損益計算書上の指標を、目先で最大化することを目的視する思考態度」である。
※次の見方や考え方が抜け落ちている
・会社の価値を向上させるために、先行投資をするという視点
・自分たちがどのような資産をもっているのかという自覚
・その資産を有効に活用して成果を得ようとする発想

損益計算書の内容はあくまで、過去の一定期間における業績の「結果」を示しているにすぎない。(未来を語らない)
→思い切った一手を打てず、縮小均衡の衰退サイクルに入ってしまう。

・会社は3つの市場に評価される
①財市場:顧客による評価
②労働市場:従業員による評価
③資本市場:投資家による評価
→それぞれの人々にとって「よい会社」の意味も当然異なる。

・会社は「お金」で評価される
事業の成果:損益計算書(PL)→利益をかさまししたり「作る」ことができる
保有する経営資源:貸借対照表(BS)
会社の価値:ファイナンス
→会社経営において本質的に重要なことは、事業価値を向上することである。

・PLとBSのつながり
①負債や純資産として調達したお金が資産になり
②資産を活用した事業で利益を創出し
③利益は純資産の一部となる
→お金の循環を健全にコントロールしながら、段階的により多くのお金を生み出す仕組みを作ることがファイナンスの本質。

・ファイナンス思考の特徴
①会社の施策の意義を「その施策が将来にわたって生み出すキャッシュフローの最大化に貢献するのか」という観点から評価する。
②会社が永続的な事業運営を目指すことを前提としているので、時間軸は長期的であり、未来志向でもある。
③「戦略的」であり、「逆算型」でダイナミックに事業に働きかける
※「PL脳」は「管理的・調整的」

会社がどの「目的地」に対してどのように進むべきかを構想する考え方

・PL脳に侵された会社の症状
①売上至上主義:利益が出るわけではない
※原因:マーケットの現状が見えていない、前年対比の成長が目的化、利益ベースの社内管理が難しい
②利益至上主義:マーケティングコストや研究開発を削る(目の前の営業利益最大化のために、支出を抑えようとする)
→長期的な価値向上の妨げになる
③キャッシュフローの軽視:キャッシュコンバージョンサイクル(仕入れ代金を払ってから、仕入れた物を販売して代金を回収するまでの期間)を最適化し、機動的な資金の活用を行う。
④バリューの軽視:その事業は自社の価値向上に貢献するのか?
→「赤字さえ出なければよい」ではダメ

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