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世界標準の経営理論 6

戦略とイノベーションと経営理論
戦略とは、「企業を取り巻く環境を前提に、業績を向上させるための、経営資源を使った、企業の行動・アクション」のこと。

戦略プランニング:企業・経営者は、どのように戦略計画を立てるべきか
戦略コンテンツ:低価格戦略をとるべきか、差別化か(意思決定の中身)

非市場戦略:政府やNGOなどに働きかけて競争を有利に進める
市場戦略:企業が市場で行う戦略活動すべてをカバーする

競争戦略:特定の事業ドメインで企業がライバルに勝つための行動
企業戦略:そもそもどの事業ドメインで戦うか、市場参入の手段など

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・競争戦略:SCPやRBVを思考の軸として理解し、あるいはゲーム理論を押さえた上で、各理論の限界を踏まえながらダイナミック・ケイパビリティを知っておくことがおススメ。

・企業戦略:知の探索・深化の理論は有用な軸になる。さらに、エンベデッドネス理論、ソーシャルキャピタル理論も信頼関係の点で有用。

・戦略プランニング:企業行動理論やセンスメイキング理論と相性が良い。

これからの時代の戦略は「イノベーションが前提」でなければならない。
これからの時代に勝つ企業は、経済学ディシプリンのSCPが主張する戦略をさらに先鋭化させて圧倒的な結果を出し、一方で心理学ディシプリンが主張する変化のためのイノベーション投資を大胆なスケールで行って、市場の心理期待を高め続ける企業。

組織行動、人事と経営理論
組織行動は、個人、グループ、組織構造が人々の行動に与える影響について探求し、その知見を組織効力向上のために活用する分野である。
人的資源管理(人事)とは、組織にとって最も価値ある資産である「組織の目標達成のために、個々に、あるいは集団で貢献する人材」を戦略的に一貫して管理するアプローチのことである。

階層①:個人レベル
評価:認知バイアスの理論(ハロー効果など)が使われることが多い。
仕事への満足度:感情の理論などと関連が深い。
採用:認知バイアスの理論、意思決定の理論などが応用される。
研修:認知バイアスの理論やモチベーションの理論が特に使われる。
仕事のストレス:感情の理論などが主に応用される。

階層②:チームレベル
チームワーク:複数の理論が応用。
パワーとポリティックス:資源依存論の関連理論が用いられる。
交渉と摩擦:認知バイアスの理論、意思決定の理論、感情の理論。

階層③:組織レベル
組織文化と組織変化:リーダーシップや認知、感情に関する理論。

今後は「問題意識」「メタ認知」「直感」「感情」など「機械ができず、人間だけができること」を切り取る側面に焦点が当たっていくだろう。

企業ガバナンスと経営理論
企業ガバナンスは、資金を企業に提供する者に対して、投資に対するリターンを保証するための仕組みである。

-企業内部のガバナンス分野≒エージェンシー理論、スチュワードシップ理論(金銭目的ではない人のモチベーションを前提とする理論)
①取締役会:取締役会の独立性など
②株主構成:株主の集中度など
③経営陣へのインセンティブ付け:ストックオプションの効果など

-外部ガバナンス分野
①法制度
②株式市場による統制
③外部の監査機関
④格付け機関、アナリスト
⑤アクティビスト
⑥メディア

時代背景も踏まえながら、自社にあったガバナンスを考え抜かなければならない。

グローバル経営と経営理論
現象分野①:海外進出時の意思決定(進出タイミング、進出先、進出形態)
OLIパラダイム:企業が海外に進出して法人を設立するには、強みの所有、進出国、内部化の3つの優位性を基準に判断すべき。
ウプサラ・モデル:企業はリスクの低い国から、あるいはコミットメントの小さい形態から進出し、徐々に学習していく。

現象分野②:多国籍企業の戦略
現象分野③:多国籍企業のインベーション
現象分野④:多国籍企業の人材育成・HRM
現象分野⑤:多国籍企業のガバナンス

本質的に重要なのは、進出したビジネス環境に違いがあるかどうか。

展望①:国境に縛られないスタートアップ企業の台頭
→取引費用理論
展望②:制度の違いのさらなる顕在化
→ゲーム理論や制度理論
展望③:多国籍企業の立地戦略の見直し
→KBVと制度理論
展望④:国境を超える人的ネットワーク・コミュニケーションの台頭
→エンベデッドネス理論、ソーシャルキャピタル理論
展望⑤:スパイキー・グローバリゼーションの顕在化
→SECIモデル、エンベデットネス理論、ソーシャルキャピタル理論

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