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採用面接で受かる人と落ちる人の違いとは

新卒の就活も解禁となり、我が社(IT系)でも日々採用面接を行っています。
新型コロナウィルスの影響で、IT業界への注目度が高まっているようで、説明会に参加する学生の人数も増えています。

私も人事担当として、二次面接の最終面接に面接官として出ています。

当然のことながら、採用面接では受かる人と落ちる人がいます。
この差は、何なのでしょうか。

今回はあくまで我が社のケースではありますが、新卒の採用面接で受かる人と落ちる人の差について書いてみます。

採用は学生と企業のマッチング

私は採用は双方対等な立場での、マッチングだと思っています。

企業側が内定を出すかどうか判断しますが、学生側もその企業を選ぶ権利があります。
選考に進むかどうか。
内定が出たとして、承諾するかどうか。
学生に選ぶ権利があります。

このマッチするかどうかは、入社後に影響する本当に大切なポイントだと思っています。
アンマッチしてしまうと、学生が入社後にギャップを感じ、早期離職に繋がりかねません。
これでは学生にとっても不幸ですし、企業側も大きな損失です。

採用時に見ているポイント

採用は売り手、買い手と言われることもありますが、我が社はどんな時でも数ではなく質を追う方針です。
我が社に合う学生がいれば予定より多くても採用するし、いなければ人数が少なくとも無理はしません。

あくまで我が社の場合になりますが、筆記試験については過去の経験から判定基準を設けています。
その基準を満たした学生は面接試験に進みます。筆記試験では点数が取れるかどうかで判定をします。

面接では、面接官の主観に偏りすぎないように、評価基準を設けています。
とは言っても人間ですので、完全ロジカルにはいかないのですが。

面接で特に見ているのは、このあたりです。

①経営理念が理解できているか
②事業内容(主に職種)と本人のやりたいことの方向性があっているか
③企業文化と本人の考え方が合いそうか

●経営理念
理解、共感できてないと、入社後、会社の方針に違和感を感じてしまう可能性があります。
例えば、貢献性の高い仕事をしたいのに、利益追求を優先する会社に入社してしまったらどうでしょうか。
自分の価値観と会社の方針である経営理念がマッチしてるかどうかは、その会社で仕事をしていくうえでとても重要です。

●事業内容
あまり知らない分野でもやりたいことの方向性が合っていれば良いと思います。
開発がしたい人は、最新技術を常に使うのか、維持管理の比重が高いかなどがポイントになると思うので、特別この分野が良いと言うものがない限りは、経営理念や社風で選んでも良いかもしれません。
しかし、教育関係に携わりたい!と思って、苦手な営業として採用されるとどうでしょうか。
やりたかった分野なはずなのに、業務内容に苦痛を感じる可能性があります。

もちろん、そこから新たな才能を開花させる可能性もありますので、嫌な職種でなければ良いかもしれません。
ただ、アンマッチを減らす意味で、その職種で働いていけそうかは意識しておいた方が良いと考えます。

●企業文化
我が社は「社員同士の仲が良さそう、風通しが良さそう」と言われることが多いです。

実際そうなのですが、ただ単に仲が良いと思って入社するとアンマッチを起こす可能性があります。
我が社は常に成長や主体性、お互いに切磋琢磨することを求めています。
お互いにきちんと意見を言う、議論をし、指摘もきちんとする、その上での信頼関係が成り立っているので、結果として仲が良さそうに見えるのだと思っています。
それを和気あいあいとした、優しい会社であると思って入社してしまうと、ギャップと感じてしまう可能性が高いです。

成果を重視する会社に魅力を感じて入社しても、その人はチームで協力し合って成果を出したいと思っていたのに、完全個人成果主義だったとすると息苦しさや物足りなさを感じるでしょう。

実際に自分の目で見て肌で感じた企業の雰囲気も大切です。
その雰囲気がどうやって醸成されているのか、もう一歩、深堀をしてみると良いかもしれません。

面接で受かる人と落ちる人の差は?

自社を誤解なく理解してくれていること。
本人のやりたいことと提供できる環境がマッチしていること(職種など)。
その上で入社を希望してくれていること。

これは大切な要素だと感じています。

もちろんこれだけで合格するわけではなく、他にもポイントはありますが、少なくとも、これが合っていないといくら成績が優秀でも合格は出にくいのが実情です。

経営理念とは真逆の価値観を持つ学生。
表面だけを見て誤認識している学生。

面接の中で誤解してると感じたら訂正しますが、価値観が違いすぎる人を採用しても誰も幸せにはなりません。

この学生が幸せになれる選択は何なのか。
合格を出すことが必ずしも良いとは限りません。
そう言った観点を持ちながら、面接に臨んでいます。

落ちることは良くないこと?

採用面接、落ちたいと思って受けることは少ないですよね。
出来れば、合格したい方が多いと思います。

10年ほど採用面接をしてきて、落ちることは必ずしも悪くないと考えています。

就職後の人生の方が長いです。
何事も経験にはなるけど、アンマッチを防げた方が良いと思うのです。
選考で落ちる、つまり縁がなかったと言うことは、自分では見抜けなかったアンマッチがあったのかもしれないし、より良い会社が他にあるということかもしれません。
それがどうしても入りたかった企業だとしても。

企業側も、来てほしいと思った学生から選考や内定辞退を受けることも、もちろんあります。
学生の中に違和感を生じさせたのかもしれないし、企業としての魅力が足りなかったのかもしれない。
他社を選んだ理由によっては、入社したとしてもアンマッチしたかもなと思うこともあります。

短い時間で完全にお互いを知る、と言うのは難しいことです。
ズレると大変な価値観、根底の考え方、それぞれが大事にしたいこと。
この辺りを重視すると良いのではないかなと感じます。

沢山の学生と企業がある中、我が社は特に中小企業なので、出会えただけでも奇跡です。
仮に縁が実らなくても、少しでもその学生にとって我が社との出会いが、その後の人生にプラスになると良いなと思って採用活動をしています。

どなたかのお役に立てたら、幸いです。

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