<ニュージーランド旅行>クライストチャーチ編
成田空港からメルボルン経由でクライストチャーチへPM6:00頃〜翌日の朝
三郎さんとニュージーランド(南島)へ行ったときの話です。メルボルン到着後、乗り継ぎの荷物チェックが遅い。遅い…手際が悪いのか…進まない…けどきちんと文句を言わず並んでいたら…
ファイナルコール!
何度も名前呼ばれながら2人で猛ダッシュ。
搭乗ゲートが見えてきた。
早朝のオーストラリアを猛ダッシュ。
CAさんが早く早くと手招きをしている。Hurry!Hurry!
あ~間に合った…とホッとした瞬間、前を走っていた三郎さんが、ふらふらっと、壁側の自販機の間に入っていく。
なぜ!?
なんでこの人、自販機の間に挟まっているの!?
困惑した私と手招きしていたCAさん(爆笑)
私とCAさんの角度からは見えなかったけど、自販機の間に水飲み場があったらしい。いや、もうここまで来たら乗ろうよ。三郎さん。
三郎さんと飛行機に乗り込む。乗って座席座って、ほんと1秒後に飛び立った。セーフ。本気のファイナルコールだった。
疲れ果てて寝た。
次回ちょっとでも時間がないときは申し出よう。
起きたらクライストチャーチ到着PM1:00頃
メルボルン猛ダッシュのおかげで質のよい睡眠がとれた。この秋一番質の良い睡眠。
今回の旅行の起点となるのはクライストチャーチ。2011年カンタベリー地方の地震報道で初めて街の名前を聴いた時になんてかっこいいんだと思った街。何があるかは知らないが、ずっと気になっていた。そこに、海外行くなら三郎さんの「あまり時差がない国がいい」の一言で、南半球に決定。そして、オーストラリアを飛び越してニュージーランドにした。
この年は何かと私の周りで南半球がアツい年だった。偶然にも仲良しわらびさんが2ヶ月前にオーストラリアに行っていたり、ペンパル(ドイツ)もオーストラリア旅行を計画していたり、尊敬する日本語教師の友人もニュージーランドでワーキングホリデーをしていた。
さて、5日間の滞在の間、いきたい場所はピックアップしていたが、ホテル以外何も予約してない。
「三郎さん、バスや電車のチケット予約必須って書いているけどどうする?ネットでしとく?」
「空港の観光インフォメーションでできるんじゃない?」
「山岳鉄道、窓側の席がいいんだけど予約しておいた方が良くない?」
「空港の観光インフォメーションで言えばとれるんじゃない?」
なんて、観光インフォメーションへの信頼が厚い男なんだ。話していると、まぁ、なんとかなるかなと思えてきてノー予約でスタートした初日。
その空港インフォメーションが目の前に現れる。三郎さんの信頼はどうなるのか見守る。恰幅の良いおじさんが親切に対応と手配をしてくれる。三郎さんがいろいろ話して、チケット全て予約してくれた。
あ、三郎さん、ふつーに英語できるんだ。ここまで話せるとは思ってなかった。自販機挟まりヤロー(給水行動)から一転、かっこよく見えた。この旅は全部、三郎さんが英語で聞いてくれて話してくれるので本当に楽しんでいるだけでいい旅だった。聞き取らなきゃ!的な緊張感ゼロの海外旅行は初めてだった。
空港からランデブーホテルまでタクシーで向かうPM2:00頃
川沿いに桜が咲いている。クライストチャーチの中心地にあるハグレーパークとエイボン川の景色を見ながらホテルへ向かう。9月なのに桜を見るという贅沢な体験。
ランデブーホテル(RENDEZVOUS HOTEL)は4つ星ホテルだけれど(値段が)、正直、日本のちょっといいビジネスホテルレベルだ。あと、スリッパやアメニティが1つずつ足りない。ホテルのすぐ近くにニュー・リージェント・ストリートがあり、トラムが走っている。この通りは1930年代に作られたメルヘンチックな通りでパステルカラーの建物群がかわいい。このホテル、最終的には受付スタッフ親切だし、ホテルのレストラン美味しいし、立地最高だし4つ星なのかもしれない…と、5日後、思うことになる。
ホテルから歩いてハグレーパークへPM3:00頃
9月のクライストチャーチ、思った以上に寒い。ダウンコート持ってくればよかった。持っている衣類すべて着込んで出発。
地震から10年以上経っているが、まだ復旧中の箇所が多くある。大聖堂もまだ壊れていて半壊のまま残されている。阪神大震災の阪神高速や街の復旧の速さは神業だったと改めて思う。まだ工事中が多いが、ストリートアートもたくさんありカラフルな街並み。土地が広いので景色がごちゃごちゃせず、目が疲れない。
ハグレーパークに向かう途中のクライストチャーチ・アート・ギャラリー(美術館)でカフェランチをした。シュリンプとポテトフライ、そしてフラットホワイトを注文。フラットホワイト、オーストラリアやニュージーランド発のカフェラテでエスプレッソとミルクが(現地曰く)黄金比の飲み物。濃くて美味しい。
カフェから通りを眺める。
半袖の人がいる(嘘だろ)、中央分離帯の真ん中の芝生で日向ぼっこして寝ている学生がいる(なんてフリーダムなんだ)、海外にいる気分が加速する。カフェを出て振り返ると、建物のてっぺんに「手」がいる。手の顔が外国人で海外にいる気分がさらに加速した。
ハグレーパーク到着PM4:00頃
ハグレーパークはとても広い公園。東京で例えると…代々木公園や井の頭公園的な存在だ。広い!広いよりもびっくりしたのが樹木。日本と比較して木がすべて大きい。君ら、日本に生えたらみんな御神木になれたよと思う。巨大な木だらけ。
あとは桜。公園内にあった桜は低くて大きい。桜の中に入ってお花見ができる。桜の傘みたい。枝が密になっていて花が重なっている。花びらを透過した光が差し込むので程よい明るさ。寒くなければここで昼寝したい。
カルガモの親子が目の前を横切る。なんとなくついて行ってみる。なんて平和なんだろう。ただし、寒い。
「耳が凍死しそうです」
「帽子を買おう」
目の前にあったお土産屋さんに入る。
柄どうする?
I LOVE NZ(The土産)
▶︎無地
明日からも使うので無難な無地。
素材は?
メノウール5000円
▶︎ポッサム2000円
何かわからないが半額以下のポッサム帽にした。
説明文を読むと害獣ポッサムが有効活用されているサステナブルアイテムだった。
「あ、袋いりません、タグ切ってください」
即装備。
我らは帽子を手に入れた。ポッサム帽子、すごく暖かい。
青と赤い帽子で森の妖精ノーム夫婦みたいなシルエットになり、地元のスーパーへ。パンやお菓子やスープを買い込む。日が暮れるとポッサム帽ごときではやはり寒い。足速にホテルへ戻る。
疲れたので夕ご飯カット。インスタントスープ飲んで寝る。
後日、改めてクライストチャーチ観光したAM9:00頃
朝起きてカーテンを開けると、目下にパステルカラーメルヘンのニュー・リージェント通りなのだが、5Fの部屋から眺めるとトタン屋根&ハリボテだった。舞台の裏側を見たような、優雅に泳ぐ白鳥の足を水中見ているような気分に。「ほぅ…これはスゴイ」と楽しそうに撮る三郎さん。やめてあげて。
ニュー・リージェント通りは上から見るもんじゃないと思い、ホテルを出て通りのカフェへ。巨大クッキーとコーヒーを購入。
腹ごしらえも終わり、紙で造られたカードボード・カセドラル(教会)へ。ステンドグラス(これはガラスなのかな?)が綺麗だった。日本人の建築家の作品らしい。入った瞬間、おばさんが声かけてくれて日本語の説明書をくれた。なんて、親切。売店ではちみつ石鹸を購入する。そういえば、ニュージーランドはマヌカハニーが有名だ。でも特に安いわけではないので購入は見送る。重いし。
教会からハグレーパークエリアへ徒歩移動。途中、お土産屋さんでマオリ族の神木で出来たフォトフレームを買った。“dead wood is available to take abroad”(枯れ木だから持って帰れます!的なこと)貼り紙が。たしかに。言われてみれば気になる。ニュージーランドは自然のものは持ち込みも持ち出し厳しいので、たぶん店の人が聞かれまくってこれ書いたのだろう。三郎さんはパウアシェル埋め込んであるコースターとキウイの刻印してあるブックマークを買っていた。お土産屋さんはここが一番良かった(クライストチャーチ中心部インフォメーションセンター前のテナント、下記写真)。
そういえば、ここは、キウイの国だった。残念ながらこの旅では、お土産のイラストと剥製しか会えなかったけど。
博物館観光と植物園とカヌー AM11:00頃
ハグレーパークの近くにあるカンタベリー博物館へ。いろいろあってあまり覚えてないが、パウアシェルの部屋が印象的だった。ある夫婦が集めて部屋の壁に貼って行ったら貝の家になったらしくそれを博物館へ移築した部屋だ。夫婦の収集に執念を感じた。
いい天気でニュージーランドなのに室内にいることがもったいない気がして外に移動。クライストチャーチ植物園に入った。いろんな花やサボテンがあった。ここも足早に移動。
途中、黒い鳥が歩いていたのでついて行く。途中で全く動かなくなったので追跡終了。
お昼はカフェでラム肉を食べた。ラム肉は臭いが苦手だったが、数年前、金の目ラムしゃぶ(新橋)にハマってから大好きになった。ラム肉バーガーを注文した。美味しい。美味しいが、結構お値段が高い。ラムをもっと量が食べたいという欲望が出てきた。
エイボンリバーでカヌーPM2:00頃
カヌーに乗れる。船頭さんがいるタイプ(パンティング)と自分たちで漕ぐタイプ。パンティングは伝統的な衣装をきたパンターさんが漕いでくれる30分ぐらいのコース(2人で6000円ぐらい)。自分たちで漕ぐのはカヤックかカヌー、1時間3000円ぐらいで借りられる。
自分たちで漕ぐタイプにした。
「カヌーかカヤックどっちにしますか?」
「初めてなので乗りやすい方をお願いします。」
2人乗りの、たぶんカヌーを用意してくれて漕ぎ方をレクチャーしてくれた。明らかに息があってない私たち。それについてコメントはなく、
「帰りは楽なので頑張ってください」と見送られる。
行きは40分ぐらいかかり帰りは15分で帰ってこれるらしい。行き、川の流れに逆流するのでけっこう大変なのでは。
三郎さんが後ろ、私が前。
明日筋肉痛になるかも…(ぼそっ)と言っていた。
私は、大丈夫かなーひっくり返って溺れないかな…と心配していたが、
なんのことない、カモが立ち上がっている深さの川だった。
川沿いの桜を見ながら、カモの親子がついてきたりのんびり自分たちのペースで(漕ぐの下手なので川の流れでフラフラしながら)景色を堪能した。
カモが人慣れしていて可愛かった。慣れてないパドル操作のため、カモの集団に突っ込んでしまいそうな場面もあったが、たぶんそれも慣れていてかわしてくれた。ありがとう。エサぐらいもってきておけばよかった。
途中、晴れ空なのに小雨が。ぽつん。
雨かな?と振り向くと、三郎さんがダウンのフードを完全にかぶってた。
フードの紐もきつく締めて、顔の部品しか見えない。ぐでたまの黄色い人に似ている。調べてみたら「ニセたまさん」というらしい。三郎さんがニセたまさんと化した。
え、こんだけの雨…というか水滴で?
この人、濡れるとパンダにでもなるのかい…
小雨が止む。
また降る。
ササッ
小雨が降るたびに後ろでニセたまさんが現れる。ニセたまさん変身に忙しいため、なかなかカヌーは進まず。なんとか1時間ジャストで返却。
夕ご飯どうする?羊たち(ラム)を巡る冒険PM4:00頃
カヌーが良い運動になり小腹が空いたので夕ご飯の話題に。
「三郎さん、ラム肉をドーンと食べたいのです。」
「どこかのレストラン行く?」
「いや、もっとドーンと…」
「…探すか。」
あいまいなリクエストから始まりネット検索した結果、有名店を発見Pedro's House of Lamb。ただし、テイクアウェイのみ(ニュージーランドではテイクアウトではなくテイクアウェイだった)。
1時間弱、道路沿いを歩いてお店を探す。途中、また手と目が合う。ちなみに後姿は手(指)を組んでいるので上司または先生っぽさがあった。ところで、この手はなんだろう。芸術は難解だ。
ハグレーパークを完全に抜けたところぐらいから、日本と変わらない普通の道路になった。そんな普通の道をとことこ歩き、ついに、お店発見。キッチンカーの小さなお店なので見逃し注意。メニューは1つだけなので、迷わず注文し、まだ暖かい大きいボックスを受け取る。
ラムボックスを両手で抱えて歩く。
「俺、持つよ。」
「いい、三郎さん、落とすから。」
三郎さんへの絶大なる信用はあるが持ち運び分野には全くない。絶対落とす。食べもの・飲み物・壊れ物は持たせないと決めている。
信号待ちしているとき、犬に絡まれた。いい匂いだからね。仕方ない。
飼い主が「〇〇ちゃん!だめよ~」的にリードをひっぱってくれるが、近い。大型犬で立ち上がると私より背が高く本気で怖い。
犬といえば、パーク内で見かけた老人と犬。
おじいさんが木の棒を投げる。
ポイっ
犬が取りに行く
おじいさんが犬の所まで木を取りに行く
ポイっ
犬が取りに行く
おじいさんが犬の所まで木を取りに行く
ポイっ
犬とおじいさんが移動する。
犬が「取りに行く」のではなく棒のところまで行く、そこまでおじいさんが移動するというルールなのか?
犬よ、戻ってあげてよと思いながら、私たちはしばし見守っていた。
最近になって聞いてみた。
「三郎さん、ニュージーランドで印象的だったのは?」
「老人と犬か空港で走ったこと」
なんと、老人と犬が思い出ベスト3にランクインした。私もそうかも。
話をラム肉に戻そう。
犬から羊たちを守り、ハグレーパークに戻ってきた。ラグビー場(誰もいない)のベンチで食べることにした。だだっ広い芝生とラグビーのポールを見ながらラム肉を食べる。ラムと同じぐらい大盛りポテト。4人分ぐらいはあるのだろうか。食べても食べても無くならない。美味しい。
何事も限界はくる。腹10分目、そして、もうしばらくラムいいやと思う満足感まで食べた。帰宅途中、いきなり雨が降ってきたので走る。胃の中のラム肉とポテトが重い。
カフェでのんびりPM7:00頃
ホテルに到着し、服を乾かす。そしてホテルの1Fのラウンジでフラットホワイトを飲む。本日3杯目。お土産屋さんで買ったポストカードでエアメールを書く。ニュージーランドにいます…と。
お洒落なカフェでのんびり夜を過ごした。
外はバケツをひっくり返したような雨。カヌーのときの小雨はこの大雨の予兆だったのか。ハグレーパークでラム肉食べられたのは奇跡だった。ちょっとでもタイミングずれていたらできなかった。
この日、ラム食べ過ぎのためお腹が痛く、早く寝た。
羊の呪いか。
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