28○ 11/28 書き下ろし「馬鹿になって」
「馬鹿になって」
天井一面に広がる
目映いばかりのシャンデリアは
思考の短冊の揺らめきが
もぎりとっておくれと
体を揺らしているに過ぎない
絶句の光景だった
いつまでも変わらない場面に
延々と続く悩みたち
全てを体に入れて
全てを解決していたら
何回死ねるのだ
いっそ
無音の白い部屋になればと
しかし
生きているものにとっては
問いはつきもの
美しい装飾として残して
空間を広げていこう
その方が
遥かに心地いいに違いない
ほら
私から溢れ出る問いかけが
世界を彩る材料になっていく
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黄赤青(きせきせい)
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