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#9 すず吉「人生の目標は、多くの人にLGBTについて知ってもらうこと」上品な変革者


今回のインタビューはこの方

すず吉[所属:企画部]

・北海学園大学 法学部 

いろいろな人に「~をやってみない?」とか「~をやっていきたいのだけど」というように、自分からあることを発信したり共有したり、自分から企画を提案できるようになったのが今のすず吉。LGBTについて知ることで、自分は当事者ではないと思っていた人たちも「そういう生き方もたのしそうだな」と思ってもらえたりすれば、いい社会になると思ったのがきっかけで、勉強していきたいと思っている。


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ーー13LABOに入った経緯を教えてください

高校生まで地元の釧路で過ごし、大学進学を機に札幌で一人暮らしを始めました。1年生からそれなりの大学生活を送ってきたけれど2年生の頃に外に出ることが困難になったり、誰かと会うことが難しくなったりした時期があり、それから回復してきたというときにコロナが流行り出しました。3年生になって就職活動が始まることやサークル活動ができないまま学生生活が終わってしまう環境に、寂しさや焦りといった感情が沸き起こり「なんかやりたい」という心持ちになったときに、ゼミで一緒だったラボメンに13LABOで以前から興味のあったLGBTについて行動を起こしている人がいるという話を聞き、その瞬間、これしかないという勢いで入りました。


ーーすず吉は現在、進化中ですか?

まわりから見てとかではなく、自分の中ではあんまり先頭に立って行動することが好きだけれど苦手な部分があって、「やってきたい」とか「挑戦してみたい」という思いはあるけれど、いざやってみると難しいなということを実感します。けれども、13LABOでは自分以外にも数歩先を歩いてくれている人がいて「こうゆうのをやってみたかったな」というふつふつとした思いが、近い境遇に人たちが挑戦しているのを見ると、成功とか出来不出来ではなく勇気づけられ、新しい見方が広がってきたのが入ってよかったことなのかな。


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ーーLGBTに興味をもったことも、何かが劇的に変わった瞬間なのかもしれませんね

小さい頃は何の障害もなく女の子たちに紛れて遊んでいたのに、年齢を重ねるごとに女の子の中に男の子が一人いると疑問視されるようになって、男とか女とか関係なくみんなと仲良くしたかったです。高校生のある時期に学校に登校するということができなくなって、養護教員の先生と話しているときにその言葉を初めて知りました。友達から女の子っぽいと言われるたびに、嫌な思いはしないけれどなんでそんなことを言われるのだろうという煩わしさがありました。男でも女っぽい人はたくさんいるのに。


▽コラム

すず吉:男女の恋愛感情なしの友情は成立するのでしょうか

編集者:その問題について高校生の時に深く考えたことがあります!

すず吉:そうなのですね。どんな結論に至りましたか?

編集者:そのときの私の結論は「成立しない」です。

ずず吉:それはどうしてですか?

編集者:ある男性との会話で、「男友達が彼女に振られて泣いていたら「お前女々しいねん(笑)」とか言いながらタオルを投げたりできるけれど、女友達が彼氏に振られて泣いていたら、同じようにタオルを投げたりすることはできない。抱きしめたくなる」と言っていて、やはりどこかで、女性と男性で対等な扱いはできない状況があると思っています。だからかな。すず吉は?

すず吉:もともとは「成立する」尚且つ自分の経験上からも「成立する」と考えています。お互いが友情のままで成り立つ関係性を維持していきたいと望んでいれば、男女間の友情は成立するのではないでしょうか。男や女といった性別の区別、その他に男っぽい人や女っぽい人など様々な心の在りようから鑑みると人間は何万通りにもカテゴライズできると思います。いろんな分類ができる。だから、たくさんの友情が成立する。

編集者:友情のままでの関係性を維持するためには、私自身、ある程度の信頼関係が築かれていないと成立しないと思うのですが、その過程で友情から恋愛に発展するということになりやすい気がします。

すず吉:経験上、恋愛をした後、その先も近況方向を何気なく取り合うような以前のままの関係を継続することはできると思います。ですが、信頼関係が深みを増したことで恋愛関係になることは十分起こりえるし、その考えは間違えではないと思います。関係性次第ですね。

編集者:そもそも、すず吉がこの質問で思い描いた年齢は何歳ぐらいですか?同じ世代の男女なのか、もしくは、世代の違う男女なのか…。

すず吉:歳が離れた友情はどちらかと言えば信頼関係に重きが置かれるのではないでしょうか。友情ではなく尊敬が生まれ、恋愛ではない好きが生まれる。だから、そもそも少し違うのかも。

編集者:それはすごく分かります。私もおじさまは好きですがそれは恋愛の好きではないようなそうであるような…。一方で、若者を一人の人間として尊敬する人格者がいれば友情が成立すると思っていて、実際、私の友達は30~50代の異性が多いかも(笑)。

編集者:同性間の恋愛は成立すると思いますか? 

すず吉:成立すると思います。

編集者:もし、親になって子どもが同性の彼氏あるいは彼女を連れてきたらどう思いますか?私は、正直少し複雑な気持ちになるイメージがあります。そしてご近所さんの目がきになるし、気にしてしまうかもしれません。

すず吉:私は許容じゃないけれど、受け入れられると思います。そして、子どもが取り巻く環境から守ってあげたいです。それこそ自分が今勉強している根本にある思いは「まわりの目を気にしなくていいよ」というものだから。先ほどの質問にあるように、同性間の恋愛は深い信頼関係が背景にあるのなら、尊重するべきだと思っています。

すず吉:結婚の条件やどんな人とパートナーになりたいか教えてください

編集者:そうですね、私は尊敬する人に惹かれます。そこから好きになることが多いです。例えば、自分にない語彙力をもっている方や話していて勉強になる方と一緒に過ごしたいとは思いますね。すず吉はどうですか

すず吉:私は、自分の変わった捉え方を受け入れてくれる人、そして友達の延長線上にいる人と共にいたいです。世の中、結婚に直結する恋愛感情だけではないですよね。もっと違うものが必ずある。なぜなら、好きという好意の種類はあまたあるから。例えば、尊敬も好意の一つで、依存も好意の一つです。でも、日本の「好き」は様々の場面で様々な感情を簡単に表現できる便利な言葉であるため、英国の「Like」が好きです。

編集者:やっぱり、すず吉の言葉が好きです(笑)。ありがとうございました!

※あくまで個人的な見解です。


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ーー普段、多忙な毎日を送られているのかと…

いわゆる大学生というような、誰かと飲み行く、友達の家に遊びに行くということにあまり興味がなくて、それよりも睡眠時間を確保して自分の時間を持ちたいタイプなんです(笑)。今はほとんどの時間をお家にいてリモートでバイトをしている以外はゲームをしています!その時間が本当に長くて、何もしていない時間はおそらく一切なく、暇さえあればゲームをしているから、そういう点でいえば忙しいのかもしれませんね(笑)。


ーー「本気で遊んでいます」と言うことは大切ですよね

本当にそうですね。学生の時間のあるときにしかできないことをたくさんしたいという気持ちが常にあるので、ゲームもどこでもできるスマホというよりか、お家時間だからこそできるテレビに繋げてプレーをしたり、プログラミンングにも興味があったので、大学の先輩からの紹介でプログラミング教室に参加しています。同じ広報部のメンバーがネットのページ管理をしている姿に、「かっこいいな」とか「自分でできたらできることがたくさん増えるだろうな」と思うことがあり、結果的に面白そうな企画につながればいいなと思っています。



編集者コメント

イギリスではアラン・チューリングさんの出来事があった過程でLGBTは非犯罪であると条件つきで認められています。それに対し日本では、「東京少年」の笹野みちるさんが『Coming OUT!』という書籍で自分自身が同性愛者であることを公表してから26年。未だに同性結婚は法的に認められてはいません。
先日、2丁目にいる友人が「あなた(同性)のことが好きだと言っても『気持ち悪い』と言われるのが常で、きちんと僕のことを振ってくれる人がいなかった」とこぼしていたことを思い出しました。私自身、大事な友達からやってきたマイノリティの問題を彼らが自由に生きられる社会になって欲しくて、そして同時に偏見と無知で傷ついたり傷つけたりしないで欲しいと考えています。高校生の頃から私は京都のライブハウスにショーパブを舞台にお芝居をする劇を見に行っています。そこでは2人のオネエがおもしろおかしく会話を繰り広げ、終始笑いっぱなし。そして彼女たちは、利口でわがままでマイノリティの人たちで何かしらの生きづらさを抱えた人たちでいつも同じ空間にとどまっている悲劇的な存在です。しかし一歩引いて彼らのやり取りを見ているとそれは喜劇に思えてくる。チャールズ・チャップリンの言葉にもある通り、人生は寄って見ると悲劇的ですが離れて見たら喜劇的な人間の側面を垣間見ることができ、多方面の発想と出会える大切な場所です。差別がいけない理由は、人の目を曇らせるからです。今年も京都で開演されるので興味のある方はぜひ一緒に行きましょう!

すず吉が本音を共有して、リアルの中で語れる空間がもてることを願っています。
貴重な時間をありがとうございました。

(取材日:2020.12.01)

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