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依存と頼ることの違い

双極性障害で発達障害の娘の主治医に、依存と頼ることの違いを娘が質問していた。興味深い内容だったので書いてみる。

【依存とは】・・・やめたり距離を置くべき時にやめられず、生活やメンタルに支障が出る状態。

【頼ることとは】・・・よい頼り方もあるが、依存になる頼り方もあるとのこと。

依存。私は明らかに娘の元主治医に依存していた。元主治医からも「依存ですね」とはっきりと言われていた。元主治医が異動になってから半年以上も経つのにいまだに忘れられないのだ。

二年前に娘が初めて入院を余儀なくされ、旦那にも理解されず入院を決めたのも入院手続きも全部私ひとりでやった。誰にも相談できず不安でたまらなかった時に親身になってくれた元主治医。家の問題もすべて相談してきた。そのたびにやさしく導いてくれた。話を聴いてくれる人がいるというだけでどれだけ心強かったかしれない。

異動を告げられたとき

「これは私のよいところでも悪いところでもあるんだけれども、○○さんに対してやりすぎていたと思いながらも(診療)を続けていたんだよ。」

と言われた。

患者の家族からしてみれば話をたくさん聴いてもらえたことは、とてもありがたかったし、支えになっていたが元主治医は言った。

「話をこうして長く聞くことがいいとは実は限らないんだよ。」

と。

それでも元主治医は娘が具合が悪くなってからずっと外来以外の時間をわざわざ取ってくれて話をたくさん聞いてくれた。娘が家で不安定になったときも電話で何度も相談に乗ってくれた。

私は元主治医のやさしさにいつの間にか甘えて頼り切っていた。そして現主治医が言っていた「依存になる頼り方」をしてしまったのかもしれない。

元主治医との最後の診察(わかれ)は本当につらかった。最後は泣かずにお別れできたが、異動を告げられたときは話の途中に何度も感情が高ぶり涙してしまった。

あれから半年以上たつのに、まだ元主治医が残してくれた録音の声(最後だから録音させてほしいと私が頼んで主治医が了承してくれたもの)を聴いている。いまだに依存は続いているのだろうか。もうそろそろ卒業しなければならないのだろうか。

現主治医はそういう意味では距離の取り方が上手い。一見冷たいように感じるときもあるが実は親身になってくれている面も大いに感じる。しかし、もし今主治医がいなくなってもたぶん私は大丈夫だという自信がある。頼ってはいるが決して「依存」ではないのだろう。

病院はクリニックと違って主治医の異動はつきものだ。長くても3年くらいで異動になるのだろう。代わりの先生が来ても何の支障もないように「依存」しないようにしなければと思っている。

#精神科医 #日記 #日常 #双極性障害 #発達障害 #依存 #陽性転移 #子育て #親子

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