コロナ禍のために気軽に美術館や博物館に行くことができなくなって、もう半年ほど経つだろうか。あの静かな空間を懐かしんでいた時、ふとビジュアル博物館を思い出した。…
日記をつけることが昔から苦手である。いざ文字にしていこうとすると、その時々の心情が薄まり、蒸発し、消滅していくようで嫌なのだ。 と、早速嘘を述べたわけであ…
北の北の山国の、深く静かな冬の前、短い紅葉の季節のお話です。山々は赤、黄、橙と色づき、まるで艶やかな着物を羽織ったようでありました。人もけものも木の実やきのこ…
私は雨のよるが大好きだ。しとしとまどがぬれて、まちのあかりがぼんやりするぐらいがちょうどいい。そんなよるは、ナイショのともだちに会えるんだ。 お母さんに作っ…
如月
2020年11月15日 21:00
コロナ禍のために気軽に美術館や博物館に行くことができなくなって、もう半年ほど経つだろうか。あの静かな空間を懐かしんでいた時、ふとビジュアル博物館を思い出した。 ビジュアル博物館をご存知だろうか?爬虫類、魚類、骨、昆虫など様々なテーマについて、古今東西の知識を紹介する映像作品である。大きな目玉マークがロゴとなっており、「タンタタタターン、タンタタタターン〜♪」というテーマソングが癖になる。「博
2020年11月14日 23:14
日記をつけることが昔から苦手である。いざ文字にしていこうとすると、その時々の心情が薄まり、蒸発し、消滅していくようで嫌なのだ。 と、早速嘘を述べたわけであるが、そんな詩的なかっこいいものではない。単純に書くことが思いつかないのである。夜、就寝前に筆をとる。さあ、どうだと、一日を振り返って自分は何もやっていない、何も得ることがなかったと気がついて虚しくなる。わざわざ、寝る前にそんな虚しい思い
2020年11月8日 00:31
北の北の山国の、深く静かな冬の前、短い紅葉の季節のお話です。山々は赤、黄、橙と色づき、まるで艶やかな着物を羽織ったようでありました。人もけものも木の実やきのこ、イワナといった秋の恵みを味わいながら、次第に近づく冬の足音を感じ取っていたのでした。こうした華やかで、でも少し寂しさの入り混じった空気が、山々に満ちているのでした。 そんな空気の中、暗い洞窟でのっそりと、大きな生き物が目を覚ましました。
2020年11月3日 21:02
私は雨のよるが大好きだ。しとしとまどがぬれて、まちのあかりがぼんやりするぐらいがちょうどいい。そんなよるは、ナイショのともだちに会えるんだ。 お母さんに作ってもらったココアをゆっくりのみながら、まどの外をながめるの。 私がよるのあかりにぼんやりうつってる。雨で私がゆらゆらしてきて、ふと気がつくとコップをもったあの子がまどにうつってる。 初めて会ったときはほんとびっくりした。いつの間にか、私