【recri体験レポ】Futures In-Sight展に行ってきた
recriとはエンタメのサブスクを謳っているサービスです。個人の趣向に合わせて毎月ランダムでエンタメのチケットを送ってくれます。12月に登録をし、1月に初めてチケットが届きました。届いたチケットは、「2121年 Futures In-Sight展」という展覧会でした。
・Futures In-Sight展について
Futures In-Sight展は、「未来への問い」が展示された展覧会です。デザイナーやアーティスト、思想家、エンジニア、研究者などの方々が、「Future Compass」というツールをきっかけに、独自に未来について問いかけています。多種多様な価値観に触れることが出来、様々な視座を得ることができる展覧会になっていました。
Future Compassは、本展来会の運営さん達が思い描く「未来」への羅針盤であり、未来に向けた「問い」を導き出すためのツールです。3層の円盤から構成され、21のキーワードを自由に組み合わせることで、自身のオリジナルの「問い」を導き出すことができます。
今回の展覧物には、必ずFuture Compassにあるキーワードが使って、未来への問いを展示していました。
・印象に残った展覧物について
「How」「Present」「Change?」
未だ存在しない未来の他者のために、いかにして現在を変化させられるのか
文化人類学者/小川さやか
自分が受けた恩は別の機会に、第三者である別の相手に返すことで、未来が紡がれていく。今までの僕には持っていなかった価値観を与えてくれる展示でした。特定の相手とWin-Win、持ちつ持たれつの関係を築くことこそが大事だと思っていましたが、地球上のみんなの考え方がこうなれば、ピースフルな世界になると思いましたし、気軽に支援しあう関係性が実現できると思いました。この気軽に支援しあえる環境というのがとても大事で、自分の利益だけを追求し続けるよりも、他人や社会に貢献できていると実感がある方が、その人にとって多幸感が得られやすいと思ったからです。
この展示物にある通り、まずは「誰かのために贈与し、その見返りを贈与した相手から受けることを期待しないでおく」ということを、念頭におくことを始めたいと思います。(前提として、誰かのためになることの回数も増やせるように努力します)
「What」「Past」「Want?」
かつて、人々は何を求めていたのか
琉球大学教授/玉城絵美
「人は体験を喜びとして生きている。そして、体験を分かち合うことを求めている」
先日、『体験の哲学』について執筆された本を読んで、体験についての考えをアップデートしていた所だったので、深く共感した展示物です。
実は、recriに登録したのも、自分の知らなかった世界を見つけたく、色んな体験をしたいと思ったからです。こちらに『体験の哲学』の記事をまとめておりますので、ぜひご一読いただければ幸いです。
「Who」「Present」「Mean?」
「未来を考える私」の言葉が指し示す「私」とは誰だろうか。
東京大学未来ビジョン研究センター准教授/江間有沙
上記の、恩送りという考え方に付随して共感した展示物です。他人に寄り添うためには、何をされたら嬉しいのか、嫌なのかを感じる感性が大事だと思います。人それぞれ、自分の生きてきた人生の中に、育ってきたところの文化や風習、家庭環境などの背景があり、それによって様々な価値観が根付いています。なので、人によって嬉しいことや嫌なことのライン引きは違い、だからこそ人間関係は難しいのです。それをテクノロジーによって、自分の認知が及ばない事柄も追従体験でき、自分自身の定義を広げることが出来る。感性が豊かになれば、恩送りの対象も増やすことが出来る。テクノロジーの発展を待たずとも、今現在様々なメディアに触れることは出来るのですが、それがより詳細になっていくことは良いことだと思いました。
「Why」「Future」「Change?」
「私たちは破局を回避した」という判断は可能なのか?
哲学者/戸谷洋志
「だから私たちは、何でもない日常の中に、もしかしたら起きていたかもしれないが、しかし幸運にも回避できた破局を、想像することができなければならない」
この展示物を見て、まずは今、この瞬間、平和に何不自由なく生きていることが当たり前ではないと思いました。先人たちが残してくれたモノ、実現してくれた今に、敬意と感謝の意を持つ必要があります。まさに恩送りの考えそのものです。
「幸運にも回避できた破局」を想像するためには、歴史を知る必要があります。だから、これからはもっと、歴史について勉強しようと思います。歴史を知り、未来を考え、今を生きる。これが人生を楽しみ尚且つ、味わい深く生きるコツだとも思いました。
・recriとそのチケットの感想
今回のチケットは、結果的に大当たりで最高に楽しめました。
自分の価値観に合っていて尚且つ、自分の知らないイベントだったので、recriからチケットが届いてなければ、行ってなかったと思います。
一つ気がかりがあるとすれば、コスパだけです。毎月1枚のチケットが届くプランで月額2900円なのですが、今回のチケットは一般1200円のものでした。この差額1700円をどう捉えるかは議論が別れるところだと思います。もちろんrecriというサービスを継続するために、月額以上かそれと同じくらいのチケットを届けるのは難しいと思います。そこから、送料も負担しないといけないのですから。個人的には今回のチケットに満足だったのでしばらくは継続するつもりですが、recriというサービスがもっと広く普及しスケールメリット出せるようになって、recriが原価以下の値段でチケットが買い取ることが出来るようになり、お客さんにコスパ的にも満足してもらえるサービスになってくれたらと思います。
Futures In-Sight展についても、最高のイベントだったので、自信を持って他の人にオススメすることが出来ます。本記事に記載していない展示物以外にも、僕の興味を惹く内容のものはたくさんありました。ピンとこない展示物もあると思いますが、絶対に何か一つくらい、自分の感性に合う問いに出会うことが出来て、視座が広がると思います。最後に一つ本展に行かないと知ることが出来ない展示物を紹介しておきます。過去30年の新聞記事データを学習したAIが、いくつかの未来の可能性から導かれる新しい言葉やその意味を生成した辞書が展示物にありました。編み出されていたその言葉たちは、妙にリアルで、本当に起こりそうな未来ばかりでした。AIの凄さも感じ取れますが、その言葉自体が自分自身の視座を上げるのに役立ちます。その辞書自体を写真に撮ることも出来ましたが、本noteでは敢えて掲載しないでおくので、興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてください。
Futures In-Sight展のサイトはこちらから
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