ベトナムに渡った女性、ジジさんの話

【ベトナム・ハノイ編 現地採用インタビュー#004】

Twitterでお話をさせて頂く機会を得た。北海道札幌の出身のジジさん。ツイッターで連絡をとって、快くお話をしてくださったジジさん。色々な国に行かれていて、今まで行かれた国は、タイ・シンガポール・ミャンマー・マレーシア・カンボジア・フィリピン・ネパール、ヨーロッパもユーロ圏はほとんど行かれたそうだ。僕自信もまだ訪れたことのないロシアにも行かれたらしい。僕もロシアに行ってみたいと思う。

そんなベトナムに渡った女性の物語をどうぞ。


【日本を出ようと思ったきっかけ】

2011年の東日本大震災があった時に、東京で働いていた。その時は、高層ビルにいたが、建物が揺れて本当にひどかった。東京で働くかどうかを考えるようになったが、地元である北海道に戻って働くことは嫌だった。

たまたまテレビで日本企業がベトナム北部に進出している番組を見た。十分にITの経験を積んでいてため、下流から上流まで経験を生かしたいと考えた。もう日本みたいにインフラが出来上がってしまっている場所ではできないことがしたかった。ベトナムの中でもホーチミンででなく、ハノイを選んだのは、まだまだインフラが整っていないことが理由だった。

【途上国ならではの需要】

ベトナムで働き始めて大変だったのは、意思疎通をはかることだった。25〜30歳ぐらいのベトナム人の同僚が多かったが、言葉の壁でうまくコミュニケーションをとれないこともあった。

よく耳にすることかもしれないが、賄賂なんて「こんにちは」くらいの挨拶のようなもので、常習的に行われている。ベンダーの担当者に対して、賄賂を払うか払わないかによって、仕事がスムーズに進むか進まないかも決まる。

勿論悪いことばかりでなく、途上国ボーナスも感じた。本当にありえないくらい売れる。途上国ならではの需要もあるし、日系企業もお金を持っているので、どんどん受注をくれた。また、日本だとダイレクトに社長に会う経験ができたことは貴重なだった。名のある大企業の現地社長さんにも、比較的簡単に会えるのだ。

【ぎょぎょっとしたベトナムでの体験】

不動産のエージェントが来た暫く連絡を入れてなかったけれど、急に家にやってきておしかけてきたのだ。現地採用は日本から派遣されてくる駐在の待遇とは異なりそれなりのところに住めない。現地採用の給料からするとせいぜい出せても$600くらい(部屋を掃除してくれたり、洗濯物をしてくれるハウスキーピング付き)のところだ。

「メイドさんのようなハウスキーピングがいるなんてなんていいんだ」という意見もあると思うがそこは良くも悪くも東南アジア。ハウスキーピングとして働いている人も決して裕福ではない。お菓子を勝手に食べている。お米が知らぬ間に減っていることもあった。ハウスキーピングで来る時は、寝室に貴重品を保管し鍵を閉めていた。

悪いことばかりでなくていいことも。食べ物は沢山あるし、美味しい。また、ベトナムはハブの空港となっていることもあり、大好きな旅行は比較的しやすかった。

【平等でないこと】

今はお金を貯める為に、北海道に戻って働いている。次は日本に戻る気はない。ベトナムの次は、香港かマレーシアで働こうと思う。

前回の転職活動で外資系の企業を受けた時は、TOEICの点数を重要視されることはあまりなかった。それよりも話せるかどうかが大事だった。しかし、日本企業ではTOEICの点数がを求められる。点数なんかよりも英語を話せればいいのではないかと思ってしまうことも。海外に出て買い手も売り手も平等であることに慣れていたので、日本でした転職活動では、なぜか受ける立場が弱く疑問を感じた。


平等とは程遠い。
そういう関係が嫌だった。

【帰国した時に感じたこと】

率直に言って結婚ができないと思う。日本人の男性は価値観が小さくてあんまり結婚したいと思わない。私は海外に行きたいけれど、マイホームを作りたいという男性とのギャップを感じた。価値観の相違とはまさにこのことである。

仕事の面でも違いを感じることがある。日本を離れて海外に行っていた人は常識がないと周りに思われている。自由すぎると会社の同僚に言われる。特に言動については、よく指摘を受ける。日本の企業の会議は発言者を遮らないようにしているが、自分は出席する限り会議は発言しないと無意味だと思っている。意見を交換するはずの会議なのに発言をしない。また、定時である6時に帰ると怒られる。定時で帰るということに対して「なんで早く帰るのか」と周りは思っているのだ。帰る時間に対して、本当にルーズすぎると感じる。

【東南アジアに出て変わった4つのこと】

・日本人として、しっかりしたマインドを持っていたいこと。
海外に出てみて、やはり日本人であることを意識せざるをえない。そのため、しっかりとした考えを持ちたいと思うようになった。

・同僚とはきちんと平等になろうとしていること。
日本での転職活動時にも感じたことだが、なぜか人として対等に扱われないことがある。

・お金に関して考えるようになったこと。
日本で働いていた時とは違って、自分でやらなければならない手続きも多くお金の面でも自分で考えるようになった。

・自分の振る舞いをリセットできたこと。
ベトナムで過去の自分を知っている人は誰一人としていない状況だった。例えどんな振る舞いをしたとしても、始めて出会う人たちにとっては素の自分。自分に自信をつけて帰国できた。だからこそもう一度海外に出たい。

【海外にいく前の自分にメッセージ】

保守的だけれど、よく調べてからいきなと言ってあげたい。最初は本当に困ることだらけ。仕事で失敗をして嫌になったのは正しい失敗だと思うが、生活が嫌、言葉が通じなくて嫌では、ダメ。きちんと踏み出せるように準備をしておいてほしい。

【かぬーの考えたこと】

日本人は、時間に厳しいと自分たちで思いがちだが、そんなことは全くない。始まりの時間は確かに早いけれど、終わりの時間にとことんルーズである。学校でも会社でもそんな光景をよく目にしないだろうか。決めたいことがどんどん先延ばしになるし、MTGも時間通りに終わらない。日本企業が残業ばかりしているのは、ここも原因の一つ。

残業自慢体質には、ほんとうに辟易がする。自分も「昨日残業だったんだよね〜」と言っている時に、はっとすることもしばしば。寝てない自慢、残業自慢、社畜自慢はなんなんだろうか。

誰かの言葉でないけれど、「まだ日本で消耗しているの?」である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?