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MaaS~モビリティ革命~①MaaSとは?

Maas(モビリティアスアサービス)興味本位で読んでみたが、率直な感想は、世界観にワクワクした!こんな仕事に携わりたい!!

「MssS」は決して移動手段を変えるだけの仕組みではない。海外また日本、世界中の暮らしの悩みを解決する手段を持っているサービス。

今はまだない交通プラットフォームを確立する企業が現れた場合、GAFAやBATHに並ぶ大企業の誕生になる。

グーグルやフェイスブック、アマゾンはいつの間にか生活の中で欠かせない存在になっていた。生活を変えるそして生活に欠かせない大きなプラットフォームが誕生する瞬間を見ることができたら、それによって目の前の生活の変化を感じられたらまた、そんな仕事に携われたらどんなに楽しいだろうか。

トヨタが自動車メーカーからモビリティカンパニーに変わる

ソフトバンクとトヨタがモネテクノジーズを設立

ソフトバンクがMaaSに関連する企業を買収

NTTドコモがモビリティサービスを統合 など

鉄道会社、バス会社、自治体、IT企業、タクシー会社などの様々な業界や産業がMaaS実現に向け、変わりはじめている。少しでもこの変革やMaaSのワクワク感を整理していきたい。

【MaaS~モビリティ革命~】
1回目:MaaSとは?←今回ここ
2回目:日本におけるMaaSとは?

★今回のポイント★
・MasS=究極のモビリティサービス(一言で表すと)
・MaaSのスタートは「フィンランドの首都ヘルシンキ」(雑学)
・MssS実現に向けたプレイヤー:MaaSオペレーター(企業の関り)の存在

MaaSとは=究極のモビリティサービス

私自身MaaSという言葉を知るきっかけは、トヨタのCMで社長がトヨタは変わると宣言した時がきっかけだった。Uberやシェアサービス、若者の車離れから自動車業界が変わるのだろうくらいしか思ってなかったが、そんな小さな話ではなかった。

では、改めて、MaaSとは

自動車やバス、電車、タクシーなど全ての交通機関、シェアサービス、自転車シェアリング、配車サービスをつなげ、シームレス(継ぎ目のない)移動手段を実現するサービスシステムのこと

具体的には
スマートフォン(アプリ)1つで、ルート検索、予約、決済まで行え、自分の好みに合った移動手段や移動パターンが自由に選択出来る状態のこと。
例えば、現在の移動手段は、Google検索で、東京駅から新国立競技場を検索した際に、①電車→徒歩、②電車→バスなどの「移動手段」、「移動時間」、「時刻表」、「料金」だけが検索され、それに沿ってSuicaなどを使用し、移動が普通だろう。

MaaS時代になると、同様な検索した場合、上記に踏まえ、タクシーや自動車のシェアサービスなどのこれまで検索で表示されない「移動手段」「移動時間」「時刻表」も検索される。また、選択した移動手段に合わせて「予約・決済」までがその場で可能になる。

つまり、スマートフォン上で制限された移動手段ではなく、より自由度の高い手段を選択することが可能になり、それに合わせて決済まで完了することができるサービスがMaaSである。(=シームレス(継ぎ目のない)な交通手段の実現)

MaaSレベルの定義(統合や機能面)

であれば、どんな状態がMaaS??となるだろう。MaaSレベルについては、スウェーデンのチャルマース大学の研究チームがMaaSレベルを5段階に分けている。

レベル4:社会全体目標の統合  
→地域政策との統合、官民連携

レベル3:提供するサービスの統合
→パッケージ化、定額制など独自の金額設定
(新たな移動需要の創出/利用によって利益に生まれる状態)

レベル2:予約支払いの統合   
→単一トリップ化(予約、支払い、決済)

レベル1:情報の統合     
→マルチモードの異動計画、運賃 ←日本

レベル0:統合なし       
→個々のサービスでの確認

「レベル1」は、移動計画や運賃が検索することが可能なレベル。ここから「レベル2」で支払いが可能になり、「レベル3」では、独自のパッケージが誕生する。独自のパッケージとは、電車賃、タクシー料金、バス代などそれぞれが分けられるのではなく、全てが1つのパッケージになっていることを指している。(※レベル3から新たな利益を生むことが可能。)
「レベル4」では、レベル3の実現によって、可能となる政策等を地域や官民と連携し行っていくことを指している。

つまり、MaaSの最終形態は、地域また社会全体を官民と連携しながら変えていくこと。では、レベルが上がるにつれ、どのように社会が変化をしていくのか。

MaaSレベルの定義と社会へのインパクト

MaaSのレベル定義を基に社会への影響予想

レベル4:社会全体目標の統合 
〇スマートシティの実現
〇都市全体の目的との整合
〇QOL(生活の質)の向上
」;
レベル3:提供するサービスの統合
〇定額制パッケージにより移動の価値観、コストの意識の変革
〇新たな移動需要の創出

レベル2:予約支払いの統合
〇チケットレス・キャッシュレスによるシームレスな移動を実現
〇移動の安心向上

レベル1:情報の統合
〇異なる交通サービスの情報が統合〇マイカー以外の多様な選択肢の提供

レベル0:統合なし       
〇なし

MaaSの実現レベルが1つ上がることで、システムが変わり、移動手段が変わり、支払い方法が変わり、最終的には社会と人の生活(QOL)が変わる。

MaaSのスタートは「フィンランドの首都ヘルシンキ」

フィンランドの首都ヘルシンキが策定した2050年尾招待交通ビジョンで発表され、世界中で話題となった。(ヘルシンキ人口60万人超)

その内容とは
化石燃料に依存しない次世代の交通社会がされており、持続可能な社会な交通社会のビジョンを描き、「自動車利用に依存した社会からの脱却」を目指すという内容だ。
そのためのサービスの1つとして「MaaS」が発表された。

【ヘルシンキの課題】
交通機関が整っているにも関わらず強いマイカー依存
(マイカー利用40%/公共交通48%/二輪車9%/その他3%)

【マイカー依存によって起こる影響】
・公共交通機関の衰退 
 →バス、電車の利用者が少ないため、公共交通機関の維持が難しくなる
・地方の衰退
 →車でどこでも行けるため、首都圏がにぎやかになり、地方が衰退する
・環境問題
 →排気ガスなど
・渋滞
 →必要以上の車増加により渋滞が生まれる
・街の変化
 →車が増えることで、駐車場が必要となる。その結果、人が集まるエリアに駐車場が増える。

などが想定される。

【解決に向けての取り組み】
解決に向け、マイカーより合理的な選択肢をつくることが重要だった。その上で、ヘルシンキが取り組んだのがMaaS Globalによるモビリティサービスの統合アプリ「Whim」をリリースだった。(2016年)

【成果】
取り組み前:マイカー利用40%/公共交通48%/二輪車9%/その他3%
取り組み後:マイカー利用20%/公共交通74%/タクシー5%/レンタカー1%

上記のように、マイカーが20%減少し、公共交通機関の利用が30%。また、レンタカーやタクシーなどの利用も増えるように大幅に変化した。それぞれのサービスがバラバラではなく、MaaSによって、統合されシームレスな移動手段が可能となったため、新たな移動手段として選択されるようになった。

【ヘルシンキの凄いところ】
このサービスを都市が中心となって行っていることだ!2016年から短期間で成果まで出せていることは、首都が中心として実施しているからだろう。

MssS実現に向けたプレイヤー:MaaSオペレーター(企業の関り)の存在

MaaSの課題は、MaaSは単体では成り立たないということ。MaaS実現に向け、MaaSオペレーター(別の存在)の介在/とMaaSプラットフォームの存在が必要不可欠になる。

MaaSオペレーター
多様の選択肢の中から、利用者のニーズに合うように最適な交通手段の組み合わせを選び、ドラツー・ドアのシームレスなモビリティサービスとして提供する事業者のこと。(アプリの開発だけでなく、モビリティサービスとして統合するための種々の調整も行う)
MaaSプラットフォーム
MaaSアプリケーションを提供する際に必要なソフトウェアおよびシステムのプラットフォームのこと(交通版のGoogleのような仕組み)

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供給サイト(公共交通機関含めた交通事業者、新たな事業者)、MaaSオペレーター、ユーザーの存在があってこそ成り立つ。そのため、交通だけでなく、実現のためには、国、都市、システム、IT、など様々な産業の関りが必要不可欠になる。その結果、決済システムが変わり、移動手段のの在り方が変わり、支払いシステムが変わり、最終的には町が変わるきっかけになる。
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まとめ

究極のモビリティサービスのMaaS
交通だけでなく、全世界の暮らしの課題を解決できる手段を持っている。とはいえ、実現は簡単ではない。その理由は「単体では成り立たないから」。交通事業者だけでなく、MaaSオペレーターになり得る企業たや都市、国までもMaaS実現に向けて同じ方向を向いて進むことが重要になるから。だからこそ分かる。ヘルシンキの凄さ。

実現した都市があるようにMaaSは必要不可欠な存在になる。であれば、私が住む日本。地域過疎化が進む日本。地域のマイカー依存率が高い日本。高齢化に伴い高齢者の事故が増えた日本。様々なところで渋滞が起こる日本。これ全て解決できる可能性を持つMaaSが日本に根付く可能性はあるのか。また、今のMaaSレベルはどこなのかを次回見ていきたい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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