児童書を1000冊読んだ私が語る、児童書の面白さについて
まず最初に、これだけは言わせてほしいです。
「児童書は大人になっても面白い!!!」
児童書を1000冊読んだ私が今から児童書について語ります。
昔児童書を読んでいた方や、今でも児童書に関わる方に届いたら嬉しいです。
1.はじめに
「児童書1000冊読んだって、何でわかるの?」
そう思う方もいるかもしれません。
ちゃんと根拠があります。
それがこちら。小学2年生から書きはじめたノートです。
うっすら、「よんだ本ノート」って書いてあります。
このノートには、
・読んだ本のタイトル
・シリーズ物だった場合読んだ巻数
・作者さんまたはイラストレーターさん
この3点が記されています。
こんな感じです。
あくまでも「児童書」に拘って書き続けたノートなので、児童書だけで計算してあります。
※今回カウントしている児童書は、ポプラポケット文庫、青い鳥文庫、YA文庫、角川つばさ文庫、集英社みらい文庫等々、数多くの物から集計しています。この他にも多数。
このノートに書かれていた本を全てExcel化しました。
そして数えた結果、「1011冊」読んでました。
自分でもまさか1000冊を超えているとは思いませんでした。
15年近く読書を続けていると、1000冊を超えるんですね。びっくりです。
自分は児童書が大好きだと改めて気が付きました。
ここからは、私が今まで児童書に対して考えたことを綴ります。
長いかもしれませんが、お付き合いください!
2.児童書を沢山読むきっかけになった本
私が1番最初に読んだ記憶がある児童書がこちらです。
らくだい魔女のドキドキお菓子パーティ
ポプラ社のポプラポケット文庫から出ている、成田サトコ先生の作品です。
まず、この本に関しては4巻から買ったことがすごく記憶に残っております…
4巻から買った理由としては、表紙が1番可愛かったので表紙買いでした。
あと、シンプルに4巻だとわからないまま買ったからです・・・
15年くらい前に買った作品ですが、今でも丁寧に保管してます。
最初の感想は、
っていう感想でした。
幼稚園の卒業アルバムに、将来の夢を書く欄があって。
私は「ケーキ屋さん」って書いてました。
でも、本当にケーキを作るのが好きかと言われたらそうではなく。
周囲の友達が書いている夢で、かわいい夢だからという理由だったのかなと思います。
でも、ケーキが好きだったのは嘘ではないので、この本に表紙やタイトルで惹かれたのも自然だったのかなと思います。
実際に読んでみて思ったことは、
この本には、私の憧れがギュッと詰まっているということ。
魔法も使いたかったし、かわいいドレス着てパーティーだって行きたかったし、全部食べれるお菓子の国も行きたかった。
小さい頃に憧れた世界が全て詰まってる、大切な本です。
大人になると、魔法は使えないことなんて当たり前になる。
子供の時にパーティーに行くこともないし、お菓子の国なんて無い。
それでも、この本を読む度に。
もしかしたら、違う世界には本当に存在するかもしれないと思うとワクワクする。
絶対に叶わない非現実の世界だからこそ。
夢を見させてくれる憧れの作品です。
みんなも小さい頃に夢見たことがあるのではないでしょうか。
小さい頃、大きくなったら叶うかもと思っていたことはありませんか?
児童書は、忘れかけていた夢が取り戻せる作品だと思っています。
小さい頃は、純粋に魔法が使えたりお菓子の国があるかもという未来への期待を。
大人になってからは、現実では無い世界をもう一度夢を見ることを。
そんな力が、児童書にはあると思います。
幼い頃魔女に憧れた私は、更に魔女が出てくる児童書を読み、妖怪や幽霊、怪盗や探偵などありとあらゆる児童書を読む人へ成長しました。
3.「児童書」と「文芸書」の違い
今まで沢山児童書を読んできました。
もちろん、児童書だけでなく文芸書も沢山読んでいます。
確かにその通りかもしれません。
自分が児童書に惹かれる理由を考えてみました。
児童書の良い所は、
この2点だと思います。
①は当然のことですがあえて書きました。
児童書は幼児から中学生対象の本が多いです。
そのため、簡単にわかるような工夫がされています。対象学年に合わせて漢字をひらがなにしたり、難しい単語を使わないなど。
大人になると漢字で書くものをひらがなに戻してわかりやすくしています。
大人になってから児童書を読んでいないと、この工夫に気が付く機会があまり無いかと思います。
何度も読み返しているからこそ、細かい工夫に気が付くことが本を読み返す醍醐味です。
②専門分野過ぎないこと。
例えば、「ミステリー」
私のイメージする文芸書と児童書のイメージはこちら。
文芸書のミステリーは、トリックや動機などがしっかり描かれているので気軽な気持ちで読むものではないかと個人的に思います。
本格的なミステリーが読みたいと思う時にはオススメで、日常の些細な事件解決じゃ物足りないと言う人は文芸書のミステリーの方が良いかと思います。
一方、児童書のミステリーは人が傷つくことが少ないからこそ安心して読むことができます。日常の些細な疑問を解決し、皆が少しでも笑顔になるための事件解決が多いイメージです。
ミステリーを読んでみたいけれど、残酷な描写が苦手という人は児童書のミステリーの方がオススメです。
こんな風に、文芸書と児童書では同じジャンルでも内容が全く違うと思っています。
文芸書には文芸書の面白さが、児童書には児童書の面白さがもちろんあります。しかし、文芸書だと専門的な分野に偏るものがあります。(警視庁の配属などがそんなイメージです。)
児童書は専門的な単語や知識があまり必要ないからこそ、誰でも楽しむことができる作りになってます。
4.大人は児童書を読まない?
こんな風に、児童書が大好きな私ですが新作の児童書は中々読めていません。
読めない理由として、周囲の視線があります。
高校生頃から、周囲の視線が気になるようになりました。
例えば、本屋で児童書のコーナーに行った時。
小さな子供達が本を見ている所に入っていくと、「あれ?ここ児童書コーナーだよね?」という視線を大人から感じるのです。
私が気にしすぎなだけかもしれませんが、
高校生~大学生くらいの人を児童書コーナーで見かけることはほとんどありませんでした。
児童書を読むには大人で、保護者としては若すぎる年齢。
次第に、児童書から遠ざかってしまいました。
もちろん、これらの方法もあります。
だけど、私は直接手に取って本を選びたいのです。
装丁にこだわって表紙の素材にこだわっていたり、帯のコメントを見て興味を惹かれたり、冒頭を軽く読んで続きを読むか決めたり。
「紙」だからこそ見ることができるポイントをよく見て、自分で手に取って読む本を決めたいです。
もちろん、児童書を大人が読んではいけないというルールはありません。
でも、読む人が少ないからこそ。
大人、特に高校生から20代前半の狭間世代の人達が児童書をもっと読める環境があったら良いのにとずっと思っていました。
5.「大人の児童書」を作りたい。
「あったら良いのに」
でも、思っているだけでは伝わらない。
無いものは自分で作れば良いのでは!
そう思い、私が将来にかけて実現したいことが2つあります。
この2つです。
まず、
①大人の児童書を作りたい
大人が読んでも楽しめる児童書を作りたいです。
具体的なターゲット年代としては、高校生~20代前半の人達を想定しています。
前の項目にも書きましたが、高校生頃から私が児童書を読みにくい環境になったと感じはじめたことがきっかけです。
そこで、この年代の人達が手に取りやすい児童書を作りたいと考えています。
というループを作り、全ての世代が児童書を楽しめる環境にしたいです。
「大人の児童書」の内容としては、
こんな内容を想定しています。
①の児童書を特に読んだ時期はあくまでも私基準になってしまいますが、約10年前に流行った作品を想定しています。
②児童書の中にも児童書?と疑問に思うほど読み応えのある作品を書く作家さんが沢山います。その方達の書く児童書はもっと多くの人達に読んでほしいと常に思っていたので、ぜひ新刊発行という形で実現したいと考えています。
③児童書は本来の対象年齢に合わせた表現になっているため、大人が読もうとすると逆に読みにくい時もあります。そのため、校正しなおすことで大人が読みやすくなるかなと思います。
後は、カバーを変えれば子供向け文庫のイメージも払拭できるかなと!
例えば、講談社の青い鳥文庫は全てカバーが統一されているので児童書のイメージが強いです。
けれど、同じ内容でも表紙を変えれば児童書のイメージは薄まるかと思います。
これらの企画を通して、
という観念を無くし、全ての人が年齢に関係なく児童書を楽しめるようにしたい。
このような思いから、私は「大人のための児童書」を作りたいと思っています。
②児童書同窓会を開きたい
児童書同窓会では、今まで出た作品を集めて感想を語り合う場にしたいです。
子供の頃は、本の感想を共有する機会がなかったです。
授業でオススメの1冊を紹介するくらいでした。
しかし、大人になった今だからこそ。
本のどんな場面が好きか、キャラクターの良さ、物語の展開など言語化できるものが増えてしっかり感想を語れる機会があると思います。
他にも、10年以上連載が続く大人気作品の続編を改めて読んだり、アニメ化する作品について語りたいです。
既に映像化されている児童書で、私が小学生の時に流行していたのは
この作品などです。
タイトルからして懐かしくて、もう1回見返して語りたい気持ちでいっぱいです・・・
この他、
の2作品はアニメ化が決定しています。
自分が小学生の時に読んでいた作品が10年越しに映像化する感動を誰かと共有したい!
でも、今も児童書を読んでいる人は中々いない…
そんな私のような人のために、児童書同窓会を開きたいです。
世代別に分けて開催しても楽しいかと思います。
例えば、私と同年代の20代の人達部門で一番読んでいた児童書、また読みたい児童書のアンケートを実施。
アンケート結果の上位10作品を集めた展覧会を開催。
その場にいる人達は作品を自由に読んだり、作者への感想を書いたり。
大人になった私たちが「子供」に戻る時間を提供したいなと思っています。
6.おわりに
自分がいかに児童書が好きか、児童書を通してどんなことをしていきたいを伝えたいと思い、このnoteを書きました。
児童書を1冊でも読んだことがある人、児童書を出版している企業の方々、児童書を貸し出して多くの人が読む機会を作ってくれる図書館の方々、児童書をいち早く手元に届けてくれる書店の方々等、沢山の本好きな人に届いたら嬉しいです。
「女性」「男性」
「子供」「大人」
沢山の目に見えない縛りがある世の中ですが、本を読む権利は誰にでも平等にあると思います。
目に見えない縛りに捕らわれず、読みたい本を自由に読める世界にしたいです。
長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
それでは、最後にもう1度言わせてください。
「児童書は大人になっても面白い!!!」
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