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28話 一難去って、また一難。

基本的に1話完結のノンフィクションのストーリーを綴っていますが、今回の出来事に限って、25話からストーリーは続いています。
ぜひ、そちらからお読みいただくことをおすすめします。

万策尽きて、助けを求めたら見事に打ちのめされて、怒りと悲しみに埋もれた夜はあっさりと明け、朝がやってきた。
金曜日の朝。来週から新しい仕事もスタートする。

相変わらず解決策は見つからずじまいだったが、自分を責めることだけはやめた。前向きに解決策を探そうという気持ちになっていた。
そして、唯一残された可能性があるとしたら...、という道筋を見つけた。
それは、「クーリングオフ」というシステム。様々なサイトをうろうろと渡り歩いている時、何気なく目に留まった言葉だった。目にした時は、自分には関係のない話だと流していたが、もしかすると、「クーリングオフ」することで、今抱えている問題がチャラになるのかもしれないと思い始める。

クーリングオフ制度の対象は、以下の5つの取引に限られている。

・訪問販売
・電話勧誘販売
・連鎖販売取引
・特定継続的役務提供
・業務提供誘引販売取引

となると、自動車保険は対象外である。
ただし、保険期間が1年の契約に関しては証券を受け取って、8日以内であればクーリングオフが可能だという。

今回の場合、保険期間が3年契約となっていたため適用される。そして、申し込み日から数えて、3日目。8日以内というのも満たしている。

まだ半信半疑ではあったが、わたしはクーリングオフ後に入ろうと考えていたダイレクト保険の電話の窓口で、自分の経緯を話し、クーリングオフが可能かどうか、そして可能だった場合、どういった扱いになるか、聞いてみることにした。

この時、対応してくださった女性の方が、本当に素晴らしい方で、一気に不安が解けていった。
回答からいうと、クーリングオフはおそらく可能。(今入っている保険会社に確認を取ってみた方がいい)
クーリングオフすれば、新規での加入という扱いになるため、ネット割引も受けられる。その際、何のペナルティもない。クーリングオフしてから、保険加入までの期間、無保険になることが心配だったが、窓口のお姉さんが、

「数日間だったらそんなの気にしなくて大丈夫ですよ〜」

「任意保険に入っていない人もいるくらいですし、そこまで気にしないでもいいですよ〜」

など、保険会社らしからぬ軽めの発言で、当の私は大いにホッとした。
胸を張って「大丈夫」だと言ってくれること、見通しがみえたことが、心から安堵できる要素だったように思える。

この電話で励まされたこともあり、それからはクーリングオフの手続きに一気に舵を切って動き出すことにした。

まずは、今入っている保険に、クーリングオフが可能かを聞くべく、電話窓口で相談したが、またここで、意味のわからないことが起こる。
保険の情報を確認するために、わたしが、いろいろと車の情報を口頭で話したのだが、相手方のサイト上(?)に反映されていないらしく、保険に入っているかの確認が取れないらしい。なので、クーリングオフできるかも、判断しかねるという。
ラチがあかないやり取りに、相手方は謝るばかりで、ディーラーの方に連絡をし、担当者に確認してはどうかと提案された。
こればっかりはどうしようもないので、仕方なく、ディーラーの方に電話をすることにする。

ディーラーの方に、事の経緯を話し、クーリングオフをする意向を示すと、言葉にはしないが、明らかに動揺の色を示しており、こちらの意思を踏みとどませるような発言が見られた。「クーリングオフすると、その内容が残り、次の保険に移行するときに不利益になる」など。

この発言は鵜呑みにせず、とにかく、保険が反映されていない状態はおかしいので、反映されるようにしてほしい、と伝えた。
電話をかけたのは金曜日の夕方で、保険会社の担当者は帰っており、土、日曜は休日なので連絡が取り合えないとディーラーは話す。
クーリングオフには期限がある。
遅くなると困る。

折れることなく話を進めたが、「とりあえず、翌日、保険会社の窓口にもう一度反映されているか電話してください」と言われ、話は終わった。

この数日間のことを、家族に相談をしていたのだが、身内の保険に詳しい方から、助言を受け、電話の内容を録音しておくように言われた。
あとで、もめた時に「言った、言わない」の問題に発展するとややこしい。問題を防ぐためにも録音しておいた方がいいと。

他にも、数多くの助言をいただき、かなり心強くなった。話を聞いてもらった人すべて、わたしを責めたり、非難したりすることなく、明らかに相手方の対応のおかしさに疑問を抱いていた。今回の問題は故意に問題を起こしたものではないし、「誰が悪い」という犯人探しをしたいと思っていない。ただ、一人で闘っている身として、励ましや助言は本当に心強かったのだ。

その翌日の朝、各窓口に電話をかける。
助言通り、ボイスレコーダーで録音もしている。何に闘っているのかわからないけれど、自分の気持ちが揺らがないように闘っていたのかもしれない。

もう一度、クーリングオフした後の任意保険の加入の場合について、今後入る保険会社へ確認。(別の窓口の方が対応してくださったが、昨日と同じ返答)
現在入っている保険会社は、翌日になっても反映されておらず、保険会社の大元にあたる管轄の営業支社と連絡を取り合うように言われた。土日は休日のため、週明けの月曜日のやりとりになる。
クーリングオフの期間の8日間のうちの、5日目にあたる。早めに手を打たないと、クーリングオフすらできない状況に陥る。

どうしたっても、意味のわからないことに巻き込まれることもあるし、やるだけやっても、まだ問題は解決しないこともある。それでも、その時の自分には、励ましてくれる家族、大丈夫だと言ってくれる電話の女性の方、信じられる自分の気持ちがついていた。

ということで、もうそろそろ終盤です。


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