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22話 消去、消去、消去。

ポチポチポチッ…ポチポチポチッ。

手元の操作は、完全に効率化されている。15分ほど、この操作は続いている。

テレビとブルーレイレコーダーを人に譲ることになったため、去年の5月辺りから見ないままの溜まりに溜まった録画を消していた。
ちらっと合計録画数を見ると、230本近くあるらしい。まだ受け渡しまでには6時間ほどあったので、十分間に合うだろう。

ぼんやりと消しながら、「これはちょっと気になるな」という番組は残しておいた。余った時間、視聴できるだろうと考えて。
それでも、ほぼ観たいと思うものはない。
最近は、すっかりyou tubeの視聴や、その他は創作活動などに移ってしまった。

テレビの視聴は、娯楽というよりも、新たな知識や知らない世界を知るものとして使用していたといえる。
なので、録画していたものも、「情熱大陸」「アナザースカイ」「A-studio」「セブンルール」などの、人物像に迫るドキュメンタリーものが好きだった。
バラエティでは、お笑いものもいくつかあり、「アメトーーク」の「踊りたくない芸人」などは、ちょっと気になるなと、残したうちの一つだ。

消去の作業は20分ほどで終わり、(そのあと、初期設定という機能があることを知るが)残った録画をダビングしようと思い立った。

ずっと残しておいた映画や音楽番組などは、また観たくなるだろうと思ったからだ。
ちょうど、まだ封も開けていないブルーレイディスクが見つかった。ダビングはブルーレイレコーダーを買ってから一度も行ったことがなく、操作の仕方に手間取ったが、一度やり方が分かると、すいすいとダビングを行えた。

しかし、どうやら一枚のディスクに入れる要領が多すぎると、画質を落とさなくてはいけないらしい。一度試しにやってみると、予定時間が10時間以上かかるということで驚愕した。
ということで、地道に数枚に分けて入れていくことにする。それぞれ30分ほど。待っている間は、DVDの情報をメモで書いてケースに入れたり、荷造りの続きをしたりした。ぴったり受け渡しの時間にも間に合うことができた。

自分の好きな時間に、時間を割くこと。テレビを手放し、すごくスッキリした心持ちだ。自分の大切にしたい番組もディスクとして残ったし、ちょっとうれしかった。

サポートとそのお気持ちは、創作や家族の居場所づくりのために還元できたらと思ってます。