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世界にただひとつの出産ものがたり【第二子誕生】

8月15日、無事に第二子となる次男を出産した。この日のことを一生忘れないだろう。

いや、時を経たら、その感動の輪郭はおぼろげなものとなるかもしれない。

大切な大切な、家族のはじまりのストーリー。
忘れないように。

「世界にただひとつの出産ものがたり」
として残しておこうと思う。

●お産の経過

つぶやき投稿と重複する箇所もあるが、お産の経過をまとめておく。

8/13(出産予定日 入院1日目)

深夜2時
目が覚めたタイミングで、ドバッと水が流れる感覚がある。明らかに尿漏れじゃない感覚。
確認するとパンツがかなり濡れており、その後も少し流れ、それ以降は止まる。
破水の場合、お腹の中の赤ちゃんが感染症になる恐れもあるため、早めに病院に行かなければいけない。悩んだ結果、夫を起こし、病院へ連絡。その後、病院へ。

3時
病院着。診察後、入院へ。観察室に移る。
陣痛っぽいものはまだ感じない。

5時半
前駆陣痛なのか、生理痛くらいの腹痛が不定期に始まる。

8時
内診。子宮口3cm。赤ちゃんはかなり降りてきているそう。今日変化が見られなかったら、明日から促進剤で陣痛を促すとのこと。内診後出血あり。

12時
定期的に5分間隔で痛みを感じるように。痛みは生理痛のひどい時くらい。

14時
痛みが遠のく。

15時
陣痛を促すべく、足浴とマッサージ。
その後、母、夫、息子が面会に来る。

18時
すこしお腹の張りが強まるが、食べ終わる頃にはなくなる。

8/14(入院2日目)

5時
何度か目が覚めるが、結構ぐっすり眠れた。就寝中、2時間おきに、赤ちゃんの心音を確認しにくる。起きたタイミングで少量の破水あり。

7時
不定期で張りと痛みあり。

8時
NST。(赤ちゃんの心音と母体の陣痛を確かめるモニター。一日に何度か行う)張りと痛みがなくなる。

9時
診察。促進剤の説明を受ける。

9時半
促進剤点滴開始。30分〜1時間おきくらいに点滴量が増えていく。

10時40分
痛み出す。10〜15分間隔。

12時
痛みが5分間隔になる。

14時
痛みが3〜4分間隔。かなり辛くなってきたが、呼吸で痛みを和らげる。

16時
点滴ストップ。

17時
痛みの間隔が空き、その後痛みがなくなる。

8/15(入院3日目)

2時
前日10時から寝ようとするが寝れず。
2時より15分間隔の痛みが始まる。隣の部屋から分娩中の方の声が大きく響くのと、腹痛で一睡もできず。

5時
顔が歪むくらいの痛さになってくる。相変わらず10〜15分おきの間隔。

8時
5〜10分おきの間隔に。痛みの強さは変わらず。

9時
診察。子宮口4cm。柔らかさペラペラ。頭もだいぶ下がってきてる。

10時
促進剤点滴開始。

10時半
夫到着。手すりを強く握って、深く呼吸に意識を集中しないと我慢できない痛みレベルに。腰をさすってもらうとかなり和らぐ。

11時
声が出てしまうくらいの痛みに。
内診。子宮口5〜6cm。分娩室の準備を進める。30分後分娩室へ移動しようとのこと。もっと時間がかかると思っていたので、終わりが見えてきた喜び、強まる痛み、分娩の恐怖、さまざまな感情が交錯する。

11時13分
内診。子宮口6〜7cm。震えてしまうくらいの陣痛。分娩室へ。バタバタと分娩の準備が始まる。立ち会い出産だったので、夫も付き添う。陣痛の痛みはさらに増す。

11時19分
分娩室で内診。子宮口7〜8cm。
お尻あたりに重みを感じて、いきみたい感じが少し出てくる。「いきんでもいいよ」と助産師さんに言われ、いきんでみる。陣痛に耐えるよりいきんだ方が楽。いきんだはずみで破水した感覚が。

11時30分頃
助産師さんが「もう一段階陣痛をアップするためにも促進剤増やすね」と言う。愕然。恐怖。

11時45分頃
陣痛の痛みを呼吸だけでは耐えれず、息ができなくなりそうに。
助産師さんが「うーー」と静かに言っていて、昨日の分娩室で聞こえてきた「うーーー」の声を思い出す。わたしもやってみることに。
「うーーー」
かなり痛みが和らぐ。痛みを感じている時に、静かに吐き出すように「うーーー」と吐く息がなくなるまで言う。

11時52分
子宮口9cm。
助産師さんが、「もうすぐ子宮口全開になるから少し手伝わせてもらうね」と言う。
陣痛のタイミングで、グッグッと広げられた感覚。痛いが陣痛そのものも痛いので、もう何が何やらわからない。

12時2分
子宮口全開。
いきみたい時にいきむ段階に。
だんだん赤ちゃんの頭が下がっていくのを感じる。3度目くらいのいきみで、骨盤に頭が挟まる感覚が。この痛みが一番つらかった。骨が割れるような痛み。
「痛い痛い〜」と声を出さずにはいられない。
下がっていけば下がっていくほど、骨が折れるような痛み。

12時10分頃
いきみ逃しを1回。「うーーー」で逃していく。
合計で5〜6回はいきんだのかな。
最後のいきみ。最大限の力を込める。

12時16分
出産。

●出産までのストーリー

赤ちゃんもがんばってる。
パパがそばにいて、手を強く握ってくれてる。
パパの手には息子の笑顔の写真がある。
母が送ってくれた息子の音声
「ママ、バンガレ。ママ、ガンバレー」
を思い出す。

がんばる。
涙を流しながら、陣痛を乗り越えていく。

もう頭が半分見えてるよ!
助産師さんの声

次くらいで、がんばれば産まれてくるよ!
先生の声

もうすぐもうすぐ!
パパの声

もしかしたら、これで終われる…のか?

陣痛の波がくる。きた!

赤ちゃん。出てきてくれ!!

気力を振り絞る。
全身全霊を込める。

ギギギギ…
骨が砕け散りそう。

痛い。痛すぎる。
でもまだがんばれる。
まだまだ、力を込めていく。

…産まれたか?

もう出るよ。
力、抜いていいよ。


呼吸を「ふーふー」と吐いて。

言われた通りに行う。

…終わったのか?

産まれたよ!

ほんとうに?

…ほんとうのようだ。

おめでとうございます!!

終わった…

終わったんだ。


もう無理だと思ってた。
長かった。

入院生活も苦しかったけど、妊活中の一年半の苦しみも相当のものだった。

赤ちゃんを授かって産むまで。
何度、無理だと思ったことか。


あきらめて

信じて

あきらめて

信じて

あきらめて

あきらめて

でも、信じた。

信じたい。


そして、今ここにいる。

産めた。

産めたんだ。

わたしは、わんわん泣いていた。
赤ちゃんの産声が聞こえる。
赤ちゃんが隣で泣いている。
パパも涙を拭っている。

歓びで全身が満たされていく。

こんな日が待っていたなんて。

あきらめて、あきらめて、たくさんの涙を乗り越えて、ここまで辿り着いた。

赤ちゃんを胸の上に乗せていただいた。
小さな身体から温もりを感じる。

がんばったね。

ほんとうに。

会いたかったよ。ずっと。

産まれてきてくれてありがとう。

●今回のお産から教わったこと

お産までの3日間。
決して、楽な道のりではなかった。

心を打ち砕かれる出来事が数々あり、苦しみもがいた末に、どうにか乗り越えることができた。

苦しみもがいたおかげで、見えてきたものもある。そんなことを、苦しんでいる誰かのためにも、何かメッセージが届けられたと思う。

・どんなお産も立派なお産

はじめは、短時間の安産となることが理想だった。経産婦はお産の進行も早いので、今回は、早く済むのかなぁと思っていた。

けれども、まったく自分が想像していたようなお産とはならなかった。

そんな中、思うのは、

情けないお産なんてない。

ということ。

100人いれば100通り。
安産と呼ばれても、難産と言われたとしても。
どんなお産も立派なお産。

ママと赤ちゃんのがんばりの結晶。

だから、胸を張って自分の経験したことを誇りに思えばいいのだと思う。

そして、
「理想」「思った通り」
を手放すことも時には必要なんだと思った。

妊活も、お産も、自分のがんばりでは、どうにもならないことがある。完璧を求めすぎると、そのギャップに苦しむ羽目になる。

運命に身を任せること。

最終的に、

なるようにしかならない。

と開き直ることで、精神的に持ち直せた部分がある。

・今に集中することの大切さ

促進剤を打って陣痛に耐え抜いたのに、陣痛が遠のいたとき。このがんばりは何だったのか…と絶望に打ちのめされた。

過去のがんばり。

この先、どうなるのだろう。また促進剤を明日も打って、また無意味に終われば…。一週間かかる人もいるという。最終的に帝王切開になるかもしれない。

先の見えない未来。

過去や未来にとらわれていたわたしは、不安や恐怖でいっぱいになっていった。

過去や未来を、いったん手放す。

過去のがんばりを認めて手放す。
未来は運命に身を任せて手放す。

「今」に焦点をあてよう。

今に集中。

今、やれることを。

陣痛を耐え抜くときも、いつまで続くのか…と思いすぎずに、今乗り越えることを意識すると、苦しみを感じすぎずにすんだ。

・出産のタイミングは赤ちゃんが決める

わたしの場合、1回目の陣痛促進剤での誘発では、促進剤がストップしてから陣痛が遠のいてしまった。翌日の深夜、陣痛が始まって、促進剤で後押しする形になった。

赤ちゃんの産まれたいタイミングがあるのだなぁと実感している。

たくさんの出産レポを読んで、励みにさせていただいたが、中でもなつすけさんのnoteを読んで、肩の荷がすとんと降りた心地がした。

計画分娩とはいうものの、計画的に進んだのは入院当日くらいで結局ほとんど娘のペースだったけれど、振り返ってみれば子育てってそんなことの連続だ。

娘には娘なりのタイミングがあるし、娘なりのこだわりも主張も都合もある。もちろん息子にもある。私は、その意味や価値をわかってあげられる親でありたいなと思う。

思うようにならない。
それでいいのだ、と。

「子どものこだわりや主張の意味や価値をわかってあげること」

わたしもそんな親でありたいと心底思う。
自分の理想。親の都合。
はじめは、そんなことばかりを優先していた。

思うようになんてならないよ。

息子からのメッセージだったのかもしれない。
きっとこれが最善で、最高のタイミングだったのだろう。

・陣痛は赤ちゃんの心の叫び

はっきり言って、陣痛は耐え難い痛みだ。
呼吸や体勢など、痛みを和らげる方法を試したものの、それでも痛いものは痛い。

そんな中、陣痛を乗り越えるときに思い出した言葉がある。

愛音さんからいただいたコメントだ。

赤ちゃん、お腹の中で一生懸命頑張ってくれています!
ママに会いたい、その一心ですね💗
あと少し、頑張ってください!

「ママに会いたい、その一心」

この言葉が強烈に胸に刺さった。

陣痛は赤ちゃんの叫びなのかもしれない。
「ママに会いたいよ〜」という。

痛みが強ければ強いほど、想いも強いのだと思えば、陣痛をプラスに捉えることがすこしできた。

苦しいことには変わりないが、
「またあの嫌な陣痛がくる」
と待ち構えるより、
「赤ちゃんが会いたがってる」
と思えると、かなり精神的に楽になれた。

愛音さん。
ほんとうにありがとうございます。

・不安ではなく愛を感じること

陣痛を進めていくために、今回心がけたのは、不安や緊張をいかに減らしていくか。そして、愛情を感じるようにするか。

陣痛を促すホルモンとして「オキシトシン」があるが、愛情ホルモンとも言われている。

恋人、子ども、ペットに触れたり見つめたりすると分泌される。マッサージなども効果的。

オキシトシンを増やそうと、夫に腰をさすってもらったり、手を握ってもらったりした。さらに、息子の写真を持ってきてもらい、いつでも見れるようにした。

本格的な陣痛が始まってから出産までは2時間ほどだった。お産が早まったのは、
「不安でなく愛を感じること」
を大切にできたことも大きいと思っている。

・周りのサポートの偉大さ

今回、恵まれたのは関わっていただいた助産師さんだ。

不安で押しつぶされそうなとき、話を聞いて受け止めてくださったこと。

本陣痛時にそばにいていただき、痛みが和らぐサポートをしてくださったこと。

分娩時の的確な助言とスムーズなお産の進行を促してくださったこと。

一番つらい時に寄り添い、
一番支えてほしい時にそばにいてくださった。

そうした絶大な信頼があったからこそ、恐怖よりも、大丈夫だという安心が優っていた。

心強い助産師さんに巡り会うことができ、しかも分娩時に担当していただき、ほんとうに幸運だった。

●最後に。

現在、入院中で産後の経過も母子ともに良好です。この3日間はゆっくりと過ごそうと思っています。

お産の経過とともに、noteに出産実況をつぶやきで投稿し、たくさんの励ましをいただきました。どれだけ救われたかわかりません。

コメントへのお返事ができておりませんが、ここで最大の感謝を込めて。ありがとうございました。

noteのつながりってすごいなぁと思います。
ひとの言葉ってすごいなぁと思います。

みなさんの優しさのおかげで、しあわせだと思えるお産となりました。

コメントはなくとも、スキを残していただいたり、出産実況をのぞいていただいた方も。心を寄せていただきありがとうございました。


これから、出産にのぞまれる方へ。

ここに書き残したメッセージが、すこしでも力になればさいわいです。

一人じゃない。お腹の中の赤ちゃんが待っています。赤ちゃんに会えたら、どんな苦しみもぶっ飛びます。それくらい歓びと感動を与えてくれます。

産まれてきてくれてありがとう。

と言えるその瞬間まで。

どうか、その時にしあわせを存分に味わえますように。



長文になりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

サポートとそのお気持ちは、創作や家族の居場所づくりのために還元できたらと思ってます。