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第52回・本能としての嗅覚

ということで、前回までは『ガラスビンと信用の話』を書いたが、実は少しずつ話の角度を変えていたのだが、第45回から同じテーマに基づいて書いていた。
そして今回、第52回にて、ある報告をしようと思う。

それは第46回でも、軽く触れたことだが、先日、会社に退職の意思を申し出してきた。

あの時は『辞めると思う』という、おそらくといった表現だったが、それが確定となった。
この記事は、公開よりもだいぶ前に先行して執筆しているので、現在は2021年6月30日なのだが、退職は8月末日となるので、あと2ヶ月ほどは同じ職場で働くことになる。

正直、辞めた後のことは、あまり考えていない。
まさか自分でも、40歳になっても、こんな辞め方しか出来ないのかと、思っている部分もあるが、壊れてしまったのだから仕方ない。

それは、前回までのテーマとなっていた『信用』、そして私自身も壊れてしまったのだ。

だから、それらの破片を拾い上げることは諦め、新しい日常を作っていくことにした。
信用は修復するのではなく、新しく再構築していく方が望ましいとは書いたが、全ての場合には当てはまらないと書き足しておこう。
この先も関係を継続していくのであれば、もう一度向き合うのだが、今後の自分の人生において、その必要も無いと判断したので、壊れてしまった信用に力を注ぐのは放棄し、もう好きなだけ壊せば良いと、少々呆れているところである。

現実と向き合わずに逃げるのか?
と言う人間もいるだろうが、その通り。
逃げるのだ。

私は、過去の記事でも書いたが、逃げることは100%悪いことではないと考える。
恐怖や違和感に直面したら、時には逃げるべきだ。

今回は、立ち向かったら、自分は腐ってしまう、死んでしまうと思った。
そんな恐怖で自分の中がいっぱいになってしまったので、逃げるという判断をした。
別に逃げることは、恥をかくことでも、弱いことでもない。むしろ強いことだとも思っている。

この星の生き物は、常に逃げることで命を守り、繋いできたはずだ。
サバンナでも、ジャングルでも、それは本能的に行われ、そうやって生きている。
それが人間にだけ通用しないのは可笑しなことだと思う。

人間は元々群れを成す生き物だ。
群れを作り、助け合うことで生活をし、文明と文化を築いてきた。
そういった意味では、逃げ出すことで、その大きなネットワークを乱し、秩序を壊してしまうのかもしれない。
群れから離れれば、生き残れない可能性は高くなる。
だから逃げてはいけないという思想が生まれたのかもしれないが、群れが強いわけでもない。
群れていたって、全滅する可能性はある。

誰かが腐っていれば、周りもいずれは腐り始める。
その前に逃げるだけだ。

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