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大谷選手の巨額契約からわかる日米スポーツビジネス環境の違い。

今朝の日経新聞で、大谷選手にドジャースがあれだけの巨額の年俸を約束できるのも、リーグで一括してメディアやネット配信業者と交渉して、年間5000億円ほどの放映権料収入があるからであり、プロ野球の10倍という記事でした。感覚値としては、もっと開きがあるような気がしています。

アメリカでは有料視聴が一般的であること、2018年以降スポーベッティング(賭博)が解禁されたことにより放映権料が上昇していることが背景にあります。このあたりが、日米のスポーツビジネスの収益構造の根本的な違いです。よって、球団保有価値は、単年度の損益以上に重要で、株式の含み益を期待するような投資対象にもなっています。

他方で、日本では、海外のように放映権が大きな収入源になることは構造的に難しいため、チケット、スポンサー、グッズなどを主な収入源としています。よって、リーグもクラブもビジネスの重要性がより高いと思っています。オーナーにとって、しっかり稼げないと赤字体質になり、場合によっては毎年大きく損失補填をしていかなくてはならず、価値ある流動資産になりにくいという現実があります。

放映権が爆上がりする収益構造になることは、当面考えづらく、オーナーが補填し続けることでは、クラブ保有資産価値も上がらない。この中でBリーグは、リーグ価値を上げつつ、クラブの成長性と健全性を担保することで、アメリカほどのダイナミズムはなくとも、クラブ保有資産価値を上げ、流動性を高めたいと考えています。

このような日本独自のスポーツビジネスの在り方を再定義することで、ポジティブなM&AやBリーグのクラブを持ちたいというモチベーションを高めていきたいと思っています。そのような状態になっている時というのは、各アリーナが今以上に盛り上がっており、地域にとっても重要なコンテンツになっていることでしょう。そして、結果、放映権も適正に上がっていくことが望ましいと思っています。

地道に汗かくところは多々ありますが、アグレッシブかつ地に足つけた経営で、中長期的には、Bリーグがスポーツ界の産業化を引っ張る存在になっていたいと考えています。

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