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幕山 △登山の魅力△(0019)

麓での観梅と山頂からの相模灘・真鶴半島の眺望が魅力。伊豆・湯河原のハイキングコースです。
(本記事/ 文字数:約4300字、読了:約9分)


<概要>

山岳名: 幕山 (まくやま)
所在地: 神奈川県湯河原町
南麓の湯河原梅林(幕山公園)は東京近郊でも有数の知名度で園内には約4000本の梅が植栽されています。
公園内にある通称「幕岩」は温暖な気候により冬季には人気のロッククライミングのスポットです。
標高は約626m。 花の百名山(タツナミソウ)

<幕山の魅力>

(1)観梅の名所
関東で梅林といえば水戸の偕楽園が筆頭かもしれません。偕楽園が約3000本といわれるのに対して幕山公園はそれを上回る約4000本。しかも谷間に植栽されているので梅が山肌を覆い尽くして立体的に観賞できるところが特徴と思われます。
(2)冬でも温暖な気候で格好のハイキングコース
伊豆半島の付け根のようなロケーションであり、気候は比較的温暖です。そのため雪の心配をあまりせずに冬でもハイキングを気軽に楽しむことができるスポットのひとつです。


<ハイキングコース>

※標準的タイムによる目安(休憩含まず)。
(1)幕山・幕山公園コース
鍜治屋バス停から南郷山を経由して幕山を登って幕山公園に下りるルート
鍜治屋バス停→ 分岐(70分)→ 南郷山(20分)→ 大石ヶ平・南郷山の分岐(30分)→ 幕山(20分)→ 幕山公園(40分)→ 鍜治屋バス停(30分)
※観梅の時期に開催される「梅の宴」中は幕山公園から湯河原駅までバスが運行。
コースタイム/ 3時間30分程度
(2)幕山・城山コース
幕山公園から城山へふたたび登り上げて湯河原駅まで歩いて戻るルート。
幕山公園までは上記(1)と同じ。
幕山公園→ 椿台(80分)→ 城山(30分)→ 湯河原駅(80分)
コースタイム/ 6時間20分程度
※椿台にある「ししどの窟(いわや)」バス停から湯河原駅~元箱根のバスも運行(伊豆箱根バス)しています。

[登山道の特徴]

鍜治屋バス停からゴルフ場脇を通行して南郷山へ登ります。
「梅の宴」開催時には幕山公園は入園料が必要です。
幕山山頂から真鶴半島が相模湾に伸びている様子がよくわかります。
南郷山・幕山の登山道は比較的開けて明るい歩きやすい道ですが、城山コースは樹木も茂っておりやや暗く、足元も少々不安定なところもある道です。
●水場やトイレなど
ルート上に水場はありません。
トイレは幕山公園、椿台、城山直下のピクニックグランドにあります。

[難易度・危険箇所など]

とくに大きな難所や危険箇所はほとんどありません。
「梅の宴」開催時期に運行されるバスはたいへん混雑します。

[アクセス]

●往路
JR東海道本線「湯河原」駅から箱根登山バス(鍛冶屋行き)で「鍜治屋」バス停(終点)下車。
●帰路
城山から「湯河原」駅まで徒歩。
《補足》
「梅の宴」開催期間中は臨時で幕山公園(鍜治屋バス停からさらに奥)までバスが運行します。
「梅の宴」期間外は鍜治屋バス停から幕山公園まで行く場合は徒歩で30分ほどかかります。
椿台にある「ししどの窟(いわや)」バス停から湯河原駅~元箱根のバスが運行(伊豆箱根バス)

[国土地理院地図]

幕山(湯河原町)

[コースマップ]

「湯河原温泉観光公式サイト」でコースマップが提供されています。
南郷山ハイキングコース
幕山ハイキングコース
城山ハイキングコース

<こんな方にオススメ>

(1)ハイキングがてらに観梅も楽しみたい
(2)冬から早春にハイキングをしたい
(3)伊豆観光のついでにちょっとハイキングをしたい


<補足情報>

[売店等]

登山道上に売店等はありません。
湯河原駅の近く(100mほど)にコンビニエンスストアがあります。

[日帰り温泉など]

●湯河原駅周辺
フォレストリゾート湯河原温泉ホテル城山 (湯河原温泉公式観光サイト)
みやかみ温泉 ※公式サイト
●湯河原温泉
ニューウェルシティ湯河原「いずみの湯」 ※公式サイト
 *湯河原駅から無料送迎バスあり。
こごめの湯 ※公式サイト
湯河原惣湯 ※公式サイト

[お食事処]

飯田商店 /ラーメン ※公式サイト インターネット予約制
味の大西 本店 /ラーメン (食べログ)
しあわせ中華そば食堂 にこり /ラーメン ※公式サイト
湯河原名物 担々やきそば (湯河原町商工会)

[名産品]

柑橘類とその加工食品
きび餅

[付近の山]

箱根山
沼津アルプス
城ヶ崎海岸
大室山
天城山

[お天気情報]

湯河原町/神奈川県 (tneki.jp)

[そのほかの補足]

「湯河原」駅すぐそばに観光案内所があります。
「幕山公園」(湯河原梅林) (湯河原温泉公式観光サイト)
「梅の宴」 (湯河原温泉公式観光サイト)


<私的な雑感>

幕山は、伊豆の温泉でひとっ風呂あびて帰ってくるという目論見で軽く登山するにはいいところだなーという印象です。
とくに冬の間は雪山をやらないという場合の行き先のひとつとしてはベターな選択肢のひとつではないでしょうか。ただし「梅の宴」開催中はかなり混み合います。

「梅の宴」開催中に行ったことがあるのですが、バスに乗車した際に奥の方へ行ってしまいました。 すると乗客のほとんどは「梅の宴」目当ての公園まで行く方で満杯だったので、私がそのときは途中のバス停になる「鍛冶屋」バス停で下りようとしたら、車中で人を掻き分けて下りなければなりませんでした。 たぶん他の乗客にはかなり迷惑だったかもしれません…。 「梅の宴」開催中はバスの前の方にいた方がいいと思われます(バスの乗車時間は15分程度です)。

軽くトレッキングしてお食事と入浴もしたいなーということであれば幕山だけの方が時間の余裕があっていいのではないでしょうか。もうすこしガッツリ登りたいという方は城山のコースを組み合わせるとより登山を堪能できるかと思います。

南郷山への道はゴルフ場の横の道(隣接しておりボール除けネットが張ってあります)を進むのであまり登山の雰囲気がないのがちょっと興ざめです。
鎌倉アルプスを歩いて辿り着いた先がゴルフ場でちょっと風情がない、と感じてしまうところと似ているかもしれません。

個人的には幕山山頂からの相模湾の眺めがお気に入りです。沖へ伸びる真鶴半島の姿はまるで龍が海を泳いでいるようで「面白いなー」と感じます。

幕山は、冬に雪の心配をせずにちょっとハイキングをしたいというとき、さらに観梅も楽しめて温泉に浸かりたいなーという欲張りな方にはぴったりの低山登山コースではないでしょうか。


<備考>

タツナミソウ (みんなの趣味の園芸/NHK出版)
源頼朝の伝承
湯河原と今回紹介したルートには源頼朝に係わる伝承のあるスポットがいくつかあります。
「五郎神社」 源頼朝が陣営を張った。
「自鑑水」 石橋山の戦いで敗れた頼朝が立ち寄り自らの顔を写してその様子からいったんは自決を覚悟したといわれる。
「ししどの窟」 石橋山の戦いで敗れた頼朝が身を隠した。
●「幕山」の名前の由来
幕山は箱根の火山活動の一部として形成された溶岩ドームです。全体が柱状節理の岩盤となっており、その様子・外観が歌舞伎の幕のようなため、「幕山」と名付けられたと言われています。

<参考リンク>

湯河原温泉公式観光サイト ※公式サイト
箱根ジオパーク ※公式サイト
伊豆箱根バス ※公式サイト
箱根登山バス (箱根ナビ)
いいかも「かながわ県西エリア」ウォーキングコース (神奈川県)
山と高原地図 「30. 箱根 金時山・駒ヶ岳」 (昭文社)
小田原警察署 ※公式サイト
「登山を楽しく安全に」 (神奈川県警察)


<関連記事>

幕山周辺の登山に関する上町嵩広の関連記事です。一部、外部サイトの記事もあります。


<バックナンバー>
バックナンバーはnote内マガジン「登山の魅力」にまとめております。

[奥多摩]
0004/三頭山  0009/御前山  0010/雲取山  0020/浅間嶺と浅間尾根
0028/御岳山
[丹沢・箱根]
0005/大山  0030/塔ノ岳  0035/金時山
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(6) 不定期更新です。 毎月一度を目安に更新を予定しております。
(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。
(11) 今般の新型感染症の影響で各種施設等の利用については制限などが行われている可能性があります。ご利用の際には詳細について事前に各種施設等へご確認などをお願いいたします。

(2022/02/08 上町嵩広  改訂:2024/01/08)