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城ヶ崎海岸 △登山の魅力△(0016)

漆黒の岩礁は大噴火の溶岩の迫力を感じる奇景です。東伊豆の約9kmの海岸線トレッキングコース。 
(本記事/ 文字数:約4500字 読了:約9分)


<概 要>

城ヶ崎海岸 (じょうがさきかいがん)
所在地: 静岡県伊東市
伊豆半島の大室山の噴火(約4000年前)により流出した溶岩が相模湾になだれ込み形成された。
長さ約48mの「門脇吊橋」や長さ約60mの「橋立吊橋」が有名。
「ジオパーク」(ユネスコ認定)のひとつ。 

<城ヶ崎海岸の魅力>

(1)柱状節理がよくわかる海岸線の景観
相模湾になだれ込み急速冷却された溶岩によりできあがったのが城ヶ崎海岸の柱状節理です。ゴツゴツとした黒い岩礁は当時の溶岩の迫力が感じられます。
(2)冬でも温暖な気候で快適なトレッキング
伊豆半島の海岸線のため、冬でも積雪は少なく四季を通じてトレッキングを楽しめます。そのため冬でも比較的快適にトレッキングを楽しむことができます。

 

<トレッキングコース> 

※標準的タイムによる目安(休憩含まず)
北側の城ヶ崎海岸駅を起点に海岸に出て「ピクニカルコース」と「自然研究路」を連続して南側の伊豆高原駅に向かうトレイル。
(1)ピクニカルコース
比較的短い(約3km)行程。門脇吊橋と門脇崎灯台がある。
城ヶ崎海岸駅→ ぼら納屋(30分)→ 幕末砲台跡(25分)→ 門脇吊橋(25分)→ 伊豆海洋公園(ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン)(25分)
歩行時間/ 約2時間
(2)自然研究路
比較的長い(約6km)行程。柱状節理などの城ヶ崎海岸の自然がよくわかる。 
伊豆海洋公園→ とよ(80分)→ 大淀・小淀→ 橋立吊橋(80分)→ 伊豆高原駅(30分) 
歩行時間/ 約3時間10分

[トレッキングコースの特徴]

多少の起伏はありますが、登山というほどの高低差はほとんどありません。
海岸線のため強風が吹くことがあります。防風対策用のアウターや防止があった方がいいと思われます。
ピクニカルコースには門脇吊橋、自然研究路には橋立吊橋があります。
門脇崎灯台は登ることができ、展望台のようになっています。
相模湾の向こうに伊豆大島を見ることができます。
伊豆へ流刑になった日蓮上人ゆかりの場所があります。
冬にはイワツバキやツワブキの花を見ることができます。
大淀・小淀は岩を切り出した階段(滑りやすいので要注意)を下りて波打ち際まで下りることができます。 タイドプール(潮だまり)で遊ぶこともできます(干潮・満潮の時間にもよります)。
2つのコースを連続して歩くこともできますが、時間的余裕や体力面を踏まえて、どちらか一方だけを歩いても楽しめることができると思われます。
伊豆海洋公園から城ヶ崎海岸駅まで戻る場合は舗装道路で徒歩30分程度。伊豆海洋公園から伊豆高原駅または伊東駅行きのバスがあります。
●水場やトイレなど
ルート上に水場はありません。
ルート上の途中に自動販売機があります。
トイレは要所ごとにあります。

[難易度・危険箇所など]

とくに大きな難所や危険箇所などはほとんどありません。
トレッキングコースから海岸線へ下りられる場所がありますが、とても滑りやすいところもあるので登降にご注意ください。

[アクセス]

●往路
伊豆急行「城ヶ崎海岸」駅から徒歩
●帰路
伊豆急行「伊豆高原」駅へ徒歩

[国土地理院地図]

城ヶ崎海岸

[コースマップ]

Webサイト「伊豆・伊東観光ガイド」(伊東市観光協会)にてコースマップが提供されています。
リンク先: 「伊豆・伊東観光ガイド」 ※公式サイト

<こんな方にオススメ>

(1)柱状節理などの特徴的な地質や地学に興味がある
(2)冬場の登山は遠慮したいがトレッキングはしたい
(3)比較的起伏の少ないルートで長時間歩きたい


<補足情報>

[売店等]

伊豆高原駅の駅ビル「伊豆高原やまもプラザ」内に複数のお土産屋さんなどが入っています。
伊豆高原駅ちかくの国道13号線沿いにコンビニエンスストア、ドラッグストアやスーパーマーケットがあります。伊豆高原駅前にもスーパーマーケットがあります。
城ヶ崎海岸駅の近く(徒歩圏内)にはコンビニ等はありません。自動販売機はあります。
トレッキングコース途中では、ぼら納屋、伊豆海洋公園で飲料等を購入できます。

[日帰り温泉など]

「伊豆高原のゆ」 (伊豆高原駅) ※公式サイト
「DHC 赤沢温泉ホテル」 (伊豆高原駅) ※公式サイト
伊豆高原駅から送迎バス運行あり。徒歩圏内ではないです。 

[お食事処]

「ぼら納屋」 海鮮料理など ※公式サイト 
「伊豆の回転寿司 花まる銀彩」 (伊豆高原駅) ※公式サイト
「本家鮪屋」 海鮮料理など (伊豆高原駅) ※公式サイト 
「伊豆高原やまもプラザ」 複数の食堂が入っています。 ※公式サイト
「伊豆高原のゆ」には食堂が併設されています。

[山小屋等の宿泊施設]

たくさんのホテル・旅館等が城ヶ崎海岸駅・伊豆高原駅をはじめ周辺にあります。
参考:「伊東・伊豆高原 宿さがし上手」(伊東温泉旅館ホテル協同組合)

[名産品]

金目鯛
ぐり茶
サマーオレンジ(柑橘類)
伊豆高原ビール
わさび

[付近の山]

大室山
天城山(万二郎岳、万三郎岳)
幕山
真鶴半島
沼津アルプス

[そのほかの補足]

ぼら納屋は江戸時代の漁師小屋を改装した食堂です。近海の魚介(金目鯛など)を使用したメニューが揃っています。ただし漁の状況によります。
城ヶ崎海岸駅改札から南に伸びる桜並木は春の名所です。
伊豆高原駅周辺にも早咲きの桜が多く植栽されています。
●ジオテラス伊東
伊豆半島の地理・自然環境の紹介施設。伊豆高原駅やまもプラザ内。
●伊豆海洋公園
おもにダイビングを楽しむためのレジャー基地。
●ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン
ティファニーのガラスランプの展示と花の植物園。

 

<私的な雑感>

城ヶ崎海岸の個人的なイチバンのお気に入りは、やはり柱状節理に代表される流れ出した溶岩の痕跡がむき出しの海岸の景観でしょうか。海岸線は砂浜などはなく黒々としてゴツゴツの岩塊が一面に広がっています。大室山噴火による溶岩流出の迫力ある自然現象のかつての姿を想起することができます(ニュース映像などで流れるハワイなどの溶岩流出のシーンをイメージしてみるといいかもしれません)。

四季を問わず楽しむことができますが、冬にトレッキングしたい場合に「低山でも寒いのが気になって気が引けるなー」というときの行き先にはいいのではないでしょうか。伊豆半島ですので冬でも比較的温暖です(ただし風が強い日もあります)。海岸線特有の自然環境や海風もさわやかで、山とは違った海の景観もまた気分がいいものだなーと感じられました。

高所恐怖症の私にとって吊橋は大敵ですが、こちらの2つの吊橋は比較的しっかりとしており、あまり揺れなかったと記憶しています(たしか…)。 なおどちららの吊橋にも迂回路はあります。

城ヶ崎海岸トレッキングは東京からであれば日帰りでも十分に楽しめます。さらに一泊して時間的余裕をもって楽しみたい方は、ほかに湯河原、熱海、熱川や下田などと組み合わせて東伊豆の観光を堪能することができるかと思われます。

 

<備 考>

「柱状節理」 (日本地質学会)」
●昼食について
2つのコースを連続して歩く場合、途中には適当なお食事処がありません(海洋公園の外に売店があり休憩をとることはできます)ので、あらかじめ昼食を用意しておく方がいいかと思われます。 伊豆高原駅周辺には多くの飲食店等があり、城ヶ崎海岸駅寄りには「ぼら納屋」がありますので、トレッキング中は行動食程度ですませて、どちらかまで行って食事をしてもいいかと思われます。
●お得な切符について
伊豆急行ではJRと連携してお得な切符の販売をしています。
リンク先: 「おトクなきっぷ」(伊豆急行)
東伊豆を運行する東海バスはお得な切符の販売をしています。
リンク先: 「お得な乗車券」(東海バス)

<参考サイト>

伊豆・伊東観光ガイド (伊東市観光協会)
伊豆半島ジオパーク ※公式サイト
伊豆急行 ※公式サイト
東海バス ※公式サイト
伊豆箱根バス ※公式サイト
ジオテラス伊東 ※公式サイト
伊豆海洋公園 ※公式サイト
ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン ※公式サイト
山と高原地図「31 伊豆・天城山」 (昭文社)
静岡県警察/伊東警察署 ※公式サイト

  

<関連記事>

城ヶ崎海岸周辺についての上町嵩広の関連記事です。一部、外部サイト掲載記事もあります。


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(7) カバー写真と、今回ご紹介した山とは、関係はありません。
(8) 情報は掲載日時点の内容です。
(9) 登山道等の状況については、適宜、現地の観光協会、ビジターセンターや山小屋などの各関係機関にあらかじめご確認くださいますようお願いいたします。
(10) 自治体により登山届や各種装備の義務化などの条件がありますのでご留意ください。詳細は各自治体や警察等にご確認くださいますようお願いいたします。

(2021/11/25 上町嵩広  改訂:2023/10/27)

 


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