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オンラインコミュニティ調査の「今」

みなさん、こんにちは、10INC. 代表の佐藤です。
今日は、弊社のソリューションの強みでもあるMROCについてご紹介したいと思います。


MROCってどんな手法?

オンライン上に専用のコミュニティを形成し、そこにテーマや目的にあった参加者(一般消費者、顧客、ファン、高感度エキスパートなど)を招待し、対話や交流、体験、アンケートなどを通して、インサイト抽出や価値共創をおこなうリサーチ手法です。定量アンケートやデジタルエスノ、ビジュアル法、アクションリサーチ、コクリエイションなど幅広い手法に対応できるため「オールインワンリサーチ」、あるいは、それらを含む様々な手法を組み合わせることでより深い分析ができる「ハイブリッド型」「マルチモーダル型」のリサーチプラットフォームとも言われています。

MROCのベネフィット

①定量×定性の一挙両得(ハイブリッド)なリサーチ

一定規模の集団に対してアンケートや対話を使い分けられるため、量的な傾向を把握することも定性的な深掘りをすることもどちらも可能です。むしろ、一般の定量調査に比べて参加者のコミットメントが高く、回答結果の背景情報も深く結びつけて解釈できるので、サンプル数がそれほど多くなくとも精度が高い(腹落ちできる)結果を素早く得られます。

②アジャイル的なリサーチアプローチ

対象者の反応や回答結果を見ながら、その後の実施内容をフレキシブルに調整することができることもMROCのメリットの一つです。同コミュニティ内で【コンセプト評価】→【その結果を踏まえてコンセプト修正】→【再評価】のように繰り返し評価をおこなえるなど、アジャイル型の開発スキームにも非常にフィットします。

③アクセシビリティが高い

オンラインコミュニティという特性上、地理的・時間的な制約がなく、ネット環境さえあれば、いつでもどこでも参加できます。もちろん、このことは運営側(クライアント側)にもあてはまることです。全国から、あるいは世界中から好きなタイミングでアクセス可能です。

④本音が出やすい

匿名性やクローズド形式(他人に回答を見せない)といったプライバシー環境の設定ができるため、センシティブなテーマでも取り上げやすく、対面ではなかなか出てこない本音が引き出せます。

⑤ロングタームインサイト

一定期間つながれること・関係性を作れることで、通常の定性調査のように1~2時間のインタビューでは到達できない参加者のコンテキストに至るまでの深い理解や、デジタルエスノのように画像や動画なども収集しやすいためリアルな生活に生々しく触れることができます。製品使用や店頭訪問、映像視聴など、手間のかかるタスクやアクティビティを組み込むことも容易です。

⑥安い・早い・深い

もしかしたらMROCを「高い」「リードタイムが長い」「アウトプットが浅い(大量のテキストだけ)」のように誤解している方が多いかもしれませんが、それは間違いです。目的に照らしてうまく設計することができれば、既存の他のリサーチを(部分的に)代替することも、お題を実施した即日に分析結果を出すことも、あるいはビジュアルやフレームワークを駆使したり他手法と組み合わせたりすることで今まで得られなかった深く多面的なアウトプットを得ることも可能です。つまり、リサーチROIが高いメソッドなのです

日本におけるMROCの状況

MROCは、海外ではあいかわらず人気の手法で、2022年の手法別利用率の調査によると、オンラインIDI(34%)、オンラインFGI(28 %)と同等の28%の利用率という結果です。

参考データ: statista.com

一方、日本では海外ほど依然浸透しておらず、むしろここ数年は市場が縮小傾向にあるようです。要因は、複合的に様々ありそうですが、主には国内の二大プラットフォームが相次ぎサービス終了したことも影響していそうです。

とはいえ本来、一般的な定量調査や定性調査にはないベネフィットを持つ非常に有用な調査手法であり、さらに今後は定量・定性の境にとらわれず、より「ミックス/マルチモーダルなリサーチアプローチ」が求められるトレンドが見られる中、この日本においてもMROCが再び脚光を浴びる可能性は高いと思われます。

今後MROCがさらに活用されていくための課題は、AIやビジュアルなどを駆使した分析やワークショップの活用といった「アウトプットの進化」と、複合的な設計や分析が可能な「リサーチャーの進化」が合わせて求められるのではないかと考えています。

MindSquareのご紹介

10INC.では、自社開発のオールインワンMROCプラットフォーム「MindSquare(マインドスクエア)」を活用したマルチモーダルなリサーチサービスをご提供しています。コミュニティリサーチの経験が豊富なメンバーが開発から関わっているため、システムの機能やUIには自信があります。もちろんMROCの経験や実績も豊富にあります。

 このリサーチアビリティが高く(つまり、他の調査手法に比べて、非常に柔軟性の高い設計・アプローチが可能)、リサーチROIも高い、MROCというリサーチ手法に少しでもご関心をお持ちいただけた方はぜひお気軽に10Inc.までお問い合わせください。


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