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戒律

がんじがらめに縛られていたベッドから起き上がるとき、身体の自由がなかなかきかなかった。
手を貸そうかといわれたけれど断った。
僕は、僕の力で立ち上がりたかった。

そして、何十日ぶりに見る日の光がこんなにも眩しいと、眩暈に似た感覚が波打っていた。

僕は、罪を犯したことは事実だった。

事実だったことは分かってはいたけれど、それのどこがいけないのか。
正義は罪を裁くけれど、一体何が間違いで、何が正しいのかの違いが僕には分からなかった。

ただ、この太陽の光に照らされたときだけに思った。

這い上がることだけを考えている人間は、とっくの昔に罪を犯していたんだと。 
 

 
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