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絶賛、通過待ち

思っていた青春ではなかったな、と思う。残念ながら幼い頃描いていたよりもだいぶ、自分は根暗だったし、中学生の時に人間関係に懲りてしまったので、まず第1に友達がほとんど居なかった。次に制服が引くほどダサかった。そして、金髪の生徒なんてどこにもいなかった。そんな田舎の高校で3年間を過ごした。

部活、スクールラブ、成績。高校生にもなれば、勝手に恋人ができるものだと思っていたけれど、ぼうっとゲームをしていたら卒業していた。軽音部で組んだバンドは、知らないうちにボーカルが部活を辞めて解散していた。徹夜で小説ばかり書いていた。ニコニコ動画にのめり込んで、友達が減った。高校生活はなんとも小ぢんまりしたものだった。それでも、まあ、今ほど死にたいと思わなかったのは、それなりに楽しかったんだなと思う。なんだかんだ笑ってたなあと思う。若さの特権だ。

青春は青色でも無ければ、輝いてもいなかった。それを悔やんで、憎んで、愛おしくて、忘れたくて、いま、制服を着ている年下の人たちが本当に淡く青の光を纏っているのが羨ましい。妬ましいくらいに。青春を歌うバンドが好きだ。その光を纏えなかった自分に塩を塗るように。その痛いくらいの過去を、いつか、それでもきちんと輝いていたと、確かにその色も青だったと、思える日が来るのだろうか。まだ近くて、目を背けているあの日々を、いつか綺麗なものだと呼べた時、大人になってしまうのだろうか。その時が来るのを、いまは指の隙間から覗きながら待っている。

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