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「キャラAが、高所にいるBを見上げている→いろいろあった後、Bが下りてきて2人の視線の高さがそろう」という変化によって、AがBに対して抱いていた強い劣等感が薄れたことを暗示する ~アニメ「スキップとローファー」の場合

ミカ「とびきりの美人でもなければ、純粋でまっすぐにもなれない私を一体……誰が選ぶ?」

アニメ「スキップとローファー」(第5話)


◆概要

【「キャラAが、高所にいるBを見上げている→いろいろあった後、Bが下りてきて2人の視線の高さがそろう」という変化によって、AがBに対して抱いていた強い劣等感が薄れたことを暗示する】は「キャラの感情などを暗示する」ためのアイデア。


◆事例研究

◇事例:アニメ「スキップとローファー」(第5話)

▶1

本作の主要キャラの1人・ミカ(女子高生)。

彼女は劣等感の塊だ。


幼い頃、

・Step1:クラスに上手く溶け込めなかったミカ。彼女はさんざん嫌な思いをしてきた。

・Step2:かくしてミカは、自分を変えるべく努力に努力を重ねた。頑張ってダイエットをした。運動音痴を克服すべくひとりでトレーニングに励んだ。おしゃれに気を使った。皆の前では善人を、気になる男子の前ではかわいい女の子を演じた。

・Step3:その甲斐あって高校生になったいま、ミカはクラスに溶け込めるようになった

・Step4:ところがミカは努力するほどに、「自然体のままで輝いている人」に劣等感を覚え、「本心を隠したりこっそり努力しなければ皆に認めてもらえない自分」を卑下してしまうのだった。彼女の劣等感を刺激するのは、例えば同じクラスの結月(圧倒的美人!)である。


で、第5話中盤。

・Step5:舞台は体育館。「ミカが結月を見つめる」というシーンがある。この時、ミカは体育館のフロアにいる。一方の結月はキャットウォーク(2階部分の細い通路)にいる。つまり、ミカは結月を見上げているわけだ

・Step6:その後ちょっとした事件があって、ミカは自己肯定感を回復する。劣等感が完全に消えたわけではないが、「自然体のままで輝いている人」に対するコンプレックスが薄れる

・Step7直後、結月がキャットウォークから降りてくる。つまり、ミカと結月の視線の高さが揃う。

・Step8:これ以降、ミカは結月に対して自然体でふるまうようになっていく。


▶2

ご注目いただきたいのは、Step5と7の差である。

・Step5では:ミカは結月を見上げている。 →ミカが「結月=自然体のままで輝いている人」を格上に見ており、劣等感を覚えていることの象徴

・Step7では:ミカと結月の視線の高さが揃う。 →ミカの「結月=自然体のままで輝いている人」に対するコンプレックスが薄れたことの象徴


つまり、「ミカが結月を見上げている→2人の視線の高さがそろう」という変化によって、ミカが結月に対して抱いていた過度な劣等感が薄れたことが暗示されているわけだ。


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