「上京したばかりの主人公が次々と美女に出会い、『さすがは東京！』と感激するシーン」を使って、主要キャラの顔見せを行う

凛「みじょか～❤」

アニメ「神田川JET GIRLS」（第1話）

◆概要

【「上京したばかりの主人公が次々と美女に出会い、『さすがは東京！』と感激するシーン」を使って、主要キャラの顔見せを行う】は「田舎から出てきたキャラ」に関するアイデア。

◆事例研究

◇事例：アニメ「神田川JET GIRLS」（第1話）

▶1

本作の主人公は凜（高1の少女）。

彼女は長崎県の離島で生まれ育った。しかし、どうしてもジェットレースをやりたいということで東京の高校に転校することになった。

※ジェットレース：架空の水上スポーツ。ごく大雑把に言えば、「2人1組で行う水上バイクのレース」。

▶2

第1話序盤、凜が東京に到着。

浅草駅に降り立った彼女は、そのまま寮に直行しなければならぬのだが……それは無理というものだ。だってそこは大都会東京！

凜は次々と目を奪われていく。

・Step1：まずは、浅草寺雷門の大提灯を目にしてびっくり仰天「うわぁー！」。

・Step2：次いで、ストリートライブ中（？）の2人組アイドルを発見。凜はオタクたちと共に歓声を上げる。そして、そのあまりのかわいらしさに目を輝かせた「みじょか～❤」（「みじょか」は長崎弁で「かわいい」の意）。

・Step3：続いて、包丁専門店の前で外国人美女2人組に遭遇。2人は日本かぶれらしく、「切腹！」「介錯！」などと叫んで包丁を振り回している。凜は見惚れる「みじょか～❤」。

・Step4：さらに、自撮りに夢中の美人ギャル2人組と遭遇。凜は思わず叫んだ「みじょかー！！」。

・Step5：さらにさらに、おしとやかな和風美人2人組と出会った。2人は妙にベタベタしており、百合の気配が漏れ出している。凜は顔を赤くする「わ～❤」。

・Step6：凜は嬉しそうに独り言ちた「ふぅ～。きれいでみじょか子がえらいおる。東京はすごかとこやね～❤」。

▶3

さて。

ご注目いただきたいのは、【凜が目を奪われた4組の少女たち】だ。

じつは彼女たちは全員がジェットレーサーであり、第2話以降で順次再登場する。そしてライバルとして凜の前に立ちはだかったり、同じジェットレースの道を歩む同志として親交を深めたりする。

要するにこれ、【上京したばかりの主人公が次々と美女に出会い、「さすがは東京！」と感激するシーン】であると同時に、【主要キャラたちの顔見せシーン】でもあるのだ。

「主人公 = 田舎から上京してきたばかりのキャラ」だからこそ可能な巧い顔見せ演出である。

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