夢うつつ歩く靴
前は5cm後ろは12cm
木彫りの厚底は
ガラスの中の展示品
うっとり眺める美術品
夢に足を包んで
人の世のうす煙りを割いて歩く
0時を待たず強い魔力にくじける足を
恨むけど癒やしてはまたいつか
地面から12cm浮いて飛びまわるの
つくりの甘いアンバランスな人形のよに
ふらつきがたつきひねっても
これがわたしの足だから
地上と天国を繋げてくれる
魔法のかかった靴だから
スケートですべるようには歩けない
つまづきひきつり痛くても
これは私の夢だから
まどろみの中に連れ出してくれる
うつつの私をぼかす靴なの
前は5cm後ろは12cm
木彫りの厚底は
お話の中の装飾品
私の見る夢の証拠品
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