優等生と呼ぶな

ひとつ、自分語りをしよう。

自分が中学一年だったころの話だ。

自分はいいこちゃんで、先生の言うことをきかないやつとは仲良くなれないタイプだった。

化学の授業で、その先生の言うことをきかないやつ二人とグループを組ませられた。

他のグループはみんなで協力して準備から実験、片付けまでこなしているというのに、自分のいるグループは二人の邪魔を掻い潜りながら一人で準備して実験して片付けしてレポートを書く。その上そいつらにレポートを勝手に持っていかれて写されるのだ。

毎回そうだ。たまったもんじゃない。

よく顕微鏡で殴らなかったな。偉いぞ自分。

流石にグループのせいで余計な仕事をするのは嫌なので、化学の先生に相談することにした。

すると。

「0☆±☆R王。は優等生だろ。我慢して、何とかやってくれよ」

という返事が帰ってきた。

いや、何とかしろはこっちの台詞だ。

その言葉を聞いた瞬間からすべてのやる気が消失した。だって真面目にやってるだけアホらしいもん。

そうだ、自分も実験なんかやめてやろう。

その次の化学の時間、自分はただ席に座ってボーッとしていた。先生の話も聞かないし、ノートもとらない。

他の二人はおしゃべりに夢中で、自分の様子にも気づいていないようだった。

しかし、先生が回ってきてようやくことの重大さに気づいたようだった。

「0☆±☆R王。、お前何してんだよ!」

「はやく準備しろよ!」

「え、嫌だけど」

その二人は慌てた様子で自分を動かそうとしたが、自分が頑なに「え、嫌だけど」としか喋らなかった結果、ますます慌て出した。

そいつらはなんだか慌てた様子で、フィルムケースに重曹と水を入れて振り始めた。

……まさかそれだけで反応すると思ってるほどバカなんじゃないだろうな。

「え?どうやんの」

バカだったらしい。

「お前見てないで手伝えよ!!!!」

「え、嫌だけど」

「先生!こいつサボってます!!」

自分がピンチになったら大騒ぎか。憐れすぎて笑えるな。

そんなこんなで片付けも何にもすることなく、化学の時間は終わった。

まあ以上が自分の体験談だが、親や教師がこれを見ていたら覚えておいて欲しい。

優等生に問題や面倒ごとを押し付けるな。

手のかからない、自分に都合のいい、楽な子を優等生・いい子と呼ぶな。

優等生はなりたくてなってるわけじゃない。ただ勉強がしたかったり、将来の夢があったり、テストで悪い点をとって恥をかきたくなかったり、とにかく自分のために頑張っているはずだ。

世の中は優等生と劣等生以外に、利益だけを貪り人の足を引っ張り全体のレベルを下げる寄生虫が存在する。それらの存在を何とかしようとしないなら、学校や義務教育というシステムは子供に悪影響だ。そんな学校なんか行かないほうがマシ。いじめの温床でしかない。

もし手のかからない優等生が何か相談をしたら、「お前なら大丈夫」なんて言わずに、親身に寄り添ったり、問題を解決できるようにしなさい。それが大人の役目だ。

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