【読書記録】
■悪い夏/染井為人
正直後味かなり悪いです。
誰も救われないし、夢も希望も見出だせない。
まさにタイトル通りの「悪い夏」。
ケースワーカーの普通の社会人が、些細な出来事をきっかけに人生のどん底に落ちていく、絵に書いたような転落人生です。
よく、「人生は何度でもやり直せる」とか言いますし、小説とか読んでると、ラストにはそれなりに光や希望が見えてくるものですが、今作に置いてはこの言葉は全く意味を持ちません。
私個人的には結構好きな作品でしたが、これは正直読む人を選ぶ作品だなと思いました。
個人的にこの言葉すごく響きました。
正解かどうかはわかりませんが、妙に納得したことは事実です。
■博多豚骨ラーメンズ/木崎ちあき
こちらメディアワークス文庫から発売されているシリーズ作品で、タイトルが気になって、ずっと読みたいと思いつつ中々手に取れなかった作品です。
主人公が殺人請負会社に就職するという設定からかなりぶっ飛んでますが、嫌いではないです(笑)
他にも殺し屋、私立探偵、天才ハッカーの情報屋、復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋など、裏社会で生きる人間がゴロゴロ出てきます。
様々な登場人物たちが見事に絡み合って話が進むのは読んでいて飽きないし、何よりテンポが早いのでサクサク読めるのも良かったです。
■明日の食卓/椰月美智子
これはきっと、誰の家庭にも起こる出来事なんだろうと思いました。
同じ名前の子供を持つ3組の母親の物語。
子育ての苦労が文章からとてもリアルに伝わってきて読むのが辛かったですが、先が気になるので気づいたらどんどん読みすすめていました。
まさに子育てする家庭の光と闇が書かれた作品だったと思います。
子供を育てるということは本当に大変なことなんだと改めて感じました。
テレビなどで虐待したニュースを見かけることがありますが、お母さんだって必死に子育てしてて、我慢して我慢してそれでも限界がきて…っていうお母さん側の気持ちを想像するきっかけにもなった作品でした。
つい、私達は虐待したという親を「加害者」という目線で見てしまうけれど、そこにいくまでの母親としての努力とか苦労は見えていないからこそそう思うのかもしれないなと思ったりしました。
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