世界トップシェフの自殺に考える
皆さんこんにちは、Cokkeです。
表題はつい最近のお話です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
2016年1月31日にブノワ・ヴィオリエというフランス人シェフが
拳銃自殺しました。
彼の死を、今回はメンタルヘルスの観点から見ていきたいと思います。
この方は2015年12月12日、フランス政府に、ヴィオリエのスイスのレストラン「ロテル・ド・ヴィル」を公式のレストランランキング「ラ・リスト」で世界一のレストランに認定されました。
「紛れもない美食の殿堂!」とのコメントとともに、ミシュランガイドでも3つ星を獲得したヴィオリエの店は、最高のレストランとしての地位を築いていました。
ではなぜ、この絶頂期にこのようなことが起きてしまったのか。。
報道によると、ヴィオリエ氏は、苦労して手にした成功が崩れ去ることを恐れていた、とのこと。。
世界トップシェフ、ミシュラン等々、素晴らしい功績の陰には、計り知れないプレッシャーがそこにはあったのではないでしょうか。
料理業界はストレスだらけ?
料理人、シェフたちは常に監視されている状態です。強烈な個性を持った多くの人たちが特別なことを成し遂げようと、しのぎを削っています。この状況を生き抜くのは容易ではなく、よくよく考えてみると犠牲者が出るのも不思議ではありません。
料理人の仕事は思っている以上に過酷です。
美味しい創作料理がテーブルに素早く一斉に届くよう、段取りを調整しなければならない。個人的な事情は全く関係ない。その上、他のキッチンスタッフとともに暑くて窮屈な厨房で、やりくりしていかなければならない。
お腹をすかせた大勢のお客様と、衛生検査官のチェックに加え、厳しい批評家からは完璧を求められ、たった一つの批評で評判を落とす可能性もつきまとう。
今の日本の飲食事情でいえば食べログ等の、いわゆる口コミが主流となっています。
安さの価格破壊時代は終わり、他人の評価を見てから判断する時代になりました。
1つの批評、1組のお客様の言葉で、お店の存続に関わっていく、非常にシビアな世界になりつつあります。
歴史的に見てもキッチンは、厳しくてつらい男の世界です。(もちろん頑張っている女性の方もいらっしゃいます)
常に自分で何とかしなければならないこの業界が、犠牲者を出すかも知れないという現実と向き合おうとしたのはつい最近のことです。
日本では、大手チェーンの居酒屋でも過労死や、自殺者が増え始め、ブラック企業も後を絶ちません。この業界は絶対的に変化が必要です。
ここまで過酷であってはならないのです。
当たり前の固定観念(文化を変えていく)
私たち食事客は、何が起きているか全く気づきません。裏方のシェフたちがどれだけの時間と骨身を削っているのか。
また同時に、彼らは死にそうなのに、誰もそのことを口にしません。いえ、許されないというのが正しいでしょうか。
誰も自分を変だとか弱いとか思われたくありません。誰かから『君はここではやっていけない』と言われたくありません。
この極端な体育会系文化では弱みを見せることが許されないのです。
飲食人の精神病
海外のサイトですが、「Chefs With Issues」というプロの料理人のメンタルヘルスに関するサポートや資料を見つけられるサイトがあるそうです。これまでに600人以上の厨房で働く人がサイトの非公式の調査に協力したもので、
その結果、多くのシェフたちが、うつ病、不安神経症、および薬物乱用に苦しんでいることが明らかになったそうです。
アメリカではこれを受けて、メンタルヘルスに重点を徐々に起き始めているそうです。
カミングアウトしますが、実は私も昨年「うつ病」と診断されました。(比較的軽いものだったのか、転職してすぐに改善しました)
当時私の周りにも何人ものうつ病の人が働いておりました。
この業界にいて、自殺未遂する人も何人もみてきました。
この体育会系文化と精神衛生の悪さを改善していくには、改めて根本的な飲食店のあり方を示していく必要があります。
人としての、一人生としてのお互いの尊重を見直していく必要があると強く思います。
世界とまでは言いません。
自分は身の回りの飲食で頑張っている人間のサポートをこれからもしていければと思っています。
本人たち自身が気づいて変わっていく必要も当然ながらあると思いますが、
前回の記事でも載せましたが、利用客も理解と、相手は「同じ人間」という意識をもって利用していけたら少しづつでも平和になっていくのではと思っています。
極端な表現がいくつかあったかもわかりませんが、
個人的観点ですのでご容赦ください。。
今回は「投げ銭方式」にしてみました。
飲食記事では基本こういう形にしていこうかと考えています。
長文でしたのにここまで読んで下さり、ありがとうございました。
飲食業界の平和を祈って、、、
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