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自分の名字を大切にしたいという感情について

選択的夫婦別姓制度について色々議論されるようになって少し経つ。私もその仕組み自体は割と早い段階から知っていた。しかし、私は夫と結婚する時に別姓にすることは全く検討しなかった。

同姓にした理由は三つ。一つ目(これが一番大きい)は「名前」という大切な自分の要素の一部が、大好きな人とおそろいになることが嬉しかったから。二つ目は、別に自分の旧姓を気に入ってなかったから。三つ目は、そもそも実家が大嫌いなので早く別の所属先の人間になりたかったから。

一方で、今日の題名に書いたような気持ちが全くないわけではない。その証拠として私は職場では旧姓をずっと使っている。これから仕事を辞めるまでは一生旧姓を使っていきたいと思っている。マイナンバーカードにも旧姓をわざわざ併記してもらった。今回はその理由について少し整理してみた。


①愛着がある

これは結構シンプルな理由だと思うが、私は名字をもじられたあだ名で中学生~社会人2~3年目までずっと呼ばれていた。友人や同僚に会うと今もそのあだ名で呼ばれるので、やっぱり愛着はある。なので、完全に使用しなくなるのは寂しい。

②アイデンティティになっている

職場はプライベートから切り離され、私個人としての存在を感じる大切な場所でもある。既婚者であろうがなかろうが、仕事上は何の関係もない。結婚前から使っている名前を継続して使用することで、変にラベリングされずに自分は自分として働き続けられている感覚がある。

③人生に主体性を持ち続けられる

夫の名字で呼ばれると配偶者としての自分をどうしても意識してしまう。結婚していても自分の人生の主体は自分でありたい。妻としての自分も好きだし、夫の妻でいることは誇りにさえも思っている。一方で、自分の足で自分の人生を歩いているのだという感覚を忘れたくない。(その感覚を名字で完全に担保できるわけではないが一つの要素ではある。)


結婚後名字の変更があることで、パスポート・免許証・マイナンバーなどの公的書類の変更手続きが本当に大変だった。その大変さや面倒さを凌駕するほど、私にとって夫と同じ名字になれることは嬉しかったので、変更した。そう自然に行動できてラッキーだったし、悩まずに済んで良かったと思う。でも、変更したくない人の気持ちもとてもよくわかる。

別姓にしたいとパートナーに言われたときに「え?何言ってんの?」と違和感を抱いたり、「正直そんなこと議論するのめんどくさいな」と思わずに真正面から向き合ってくれる人(主に男性)は果たしてどれくらい存在するのだろうか。

多様性とか格好つけた言葉を使わなくても、これくらい夫婦でフラットに選択できる世の中に早くなればいいなと思う。


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