見出し画像

無言という看護

看護師と聞いて、あなたはどんな看護師さんを想像しますか?

きっと優しくて、いつもニコニコ笑顔が素敵で、元気で、明るくて、天使のような、、、

と、ナイチンゲールのような白衣の天使を想像されると思います。

確かに看護の専門学校に通っているときには戴帽式と言って、先生からナースキャップを戴き、ナイチンゲールから伝えられた灯火を受け継ぐという儀式をするため、看護に対する姿勢や気持ちは受け継いでいます。

でも、実際に看護師として働いていると、元気で明るい看護師でない方がいい時もあるんですよね。

私は現在、訪問看護をしています。
(と言っても施設入所中の方に訪問するので、ほぼ施設看護と同じ働き方です)

私が訪問している施設にはAさんと言う、ほぼ私と同い年で数年前に交通事故で頸髄損傷となった方がいらっしゃいます。
四肢は自分の意思では動きません。

Aさんはいつも静かで、頼み事があるときには言葉を発しますが、そのほかの時には「はい。」と多くを話されません。

訪問看護の時間ではバイタルサインの測定や保清、マッサージ、関節運動、体位変換を行いますが、終始無言。

私もあった当初は、Aさんについて知ろうと質問をしたり、自分のことを話してみたりしました。

確かに笑顔が見られるようになったり、体調以外のことにも答えてくれるようになりましたが、訪問中はまだまだ無言な時間が多いです。

無言が苦痛だった私は、

うーーん。無言で過ごすってものな、、。無言で淡々と作業のように支援をして行くのはなんか違う気がする、、
うーーん。

、、!自分に置き換えて考えてみて、、、
もし同じ状況で、気分でもないのに、興味もないこと話されたり、テンション高く話されても、、嫌かも、、。
たまには静かに過ごしたいし、1日中引きこもりたい気持ちになることもある。
いつも元気に話がしたいわけではないなあ。

しかも、食事や排泄、お風呂とか生活する上で欠かすことができない支援をしてもらう時間が決まってて、その時には嫌でも誰かが来て、話をされたら対応しないといけない。
私なら無言で訪問してくれる人がいてもいいかも。

ふとそんな考えに至りました。

いつも元気で明るいトーンで話をするのではなく、表情や声色を見て、”無言”という看護もあるのかもしれない。

そう思ってから私は、ほかの方のところでも必要そうであれば、”無言”という看護をするようになりました。

アロマリラクゼーションを受けているときのような。
美容院で薄暗い部屋で髪を洗ってもらっているときのような。

そんな近くにはいるけど、無言の時間があってもいいと思います。

心地よい無言もありますよね。

”無言”の看護
ぜひしてみてください^^

最後まで読んでいただきありがとうございます!
いいねいただけると励みになります!(^O^)⭐︎

この記事が参加している募集

#仕事について話そう

109,902件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?