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【所感】イベントを終えて

いつも記事をご覧いただきありがとうございます.

1月16日(Sun)
かねてより企画していたイベントが,無事に終了しました.

今回の開催にあたっては,オミクロン株の拡がりの影響に伴い,開催直前に宮城県から「飲食店に対する感染防止対策の要請」が出されました.
こちらもそれに沿った形で会場内の設備の配置を急遽変更し,人数制限をすることで何とかスタートラインに立つことができた,というような状況でした.

当日の主なプログラムは以下の通りとなっています.

① 主催者の紹介 Introduction of the planner
➁ ゲストによるプレゼンテーション Presentation by today's guest
③ 質問コーナー Q & A session
④ トーク・セッション(主催者&子ども達)
   Talk session with organizer and kids
⑤ 食文化体験会 Dishes experience
⑥ 参加者からのコメント・感想 Comments from audience

【彼ら彼女らにとって「日本で暮らす」とは?】

コンセプトとしては,地域で暮らしている外国籍の方々をお招きし,どこの国の出身で,日本では何をしていて,どのような生活体験を経て今に至っているのか,というようなライフ・ヒストリーについて語っていただくというものです.

今や都市部に限らず地方であっても,コンビニや居酒屋・牛丼チェーン店に行ったとき,街中を歩いているときでさえも、外国出身と見られる人を目にすることはもはや日常となりつつあります.
世界的なパンデミックの影響からここ数年は在留外国人数が減少しているものの,長期的な流れで見ると長らくその数は一貫して増加傾向にありました.おそらくは今後も長期的には,そうした傾向は続いていくものと予想しています.

このように地域内で頻繁に見かけることが増えた一方,そういった方々がどこの出身で,なぜ日本に来て,何の仕事をしていて,何を食べていて,どのような生活を送っているのかについてはほとんど知らず,想像が難しく,ときには異質な存在として見られることもあるかもしれません.

このような背景からゲストをお招きして,ライフ・ヒストリーや母国のことについて聞いてみましょう!というのが今回の企画の主旨であり,目的でもあります.

余談ではありますが,私個人としては「国際協力」「国際貢献」の含意は多様で,活動内容も多岐にわたるものと思っています.現在私が日本にいるなか,大学院生として調査研究に携わるなかで出来る活動が「今回の企画」だったというわけです.


【イベントを終えて】

青年海外協力隊としてヨルダンに滞在していた期間中,月並みな表現ではありますが,日本にいては到底味わえないようなお話を聞いたり経験をしたり,一方で不快な思いをすることもときにはありました.このようなヨルダンで得た知見というのは,翻って日本に滞在している多様なバックグラウンドを抱えた外国人について考える契機となりました.

今回お招きしたゲストの方は,10年以上前に留学生として初めて来日してから,大学での勉強・研究,そして育児,仕事とあらゆる生活体験を積み重ねてきた方です.
何度かお宅を訪問し,ご夫婦・子ども達と一緒に食事をさせていただいたこともあります.ある日の夕食後,テーブルを囲んでお茶を飲んでいるときに,目に涙を浮かべながら日本での生活について語ってくださりました.そのご夫婦にとっての日本での生活や経験というのは,必ずしも楽しい,充実したものばかりではなく,計り知れないほどの苦労,つらい経験もありました.
それでも最後には「日本が本当に好き」「また来たい」と言ってくれたことに対して,私は言葉にできないような感情を抱きました.

一言で言うと「このように思ってくれている人々,そしてそのような希望・期待を抱いて来日する人々の思いを無下にしてはならない」というものです.


議論の分かれることは承知の上ですが,現在の水際対策と銘打った過度な入国制限は,将来的には経済的側面のみならず,文化的・学術交流の点でも長期的にダメージを引き起こすと思われます.日本国内の大学への進学が決まっていても入国ができないという状況により,現に留学先を日本から変更する人も既に存在しています.
今自分が大学院に所属していて,かつ実際に長らく入国できなかった留学生とのオンラインでのやりとりから推察するに,このような形で日本への留学希望者が減ることは国際的な信用度にも影響を及ぼし,国際競争力の低下に拍車をかけるなど,中長期的には計り知れないダメージを追うことになると思います.
またコロナ禍での留学生の入国問題に限らず,長らく問題視されている「外国人技能実習制度」など,現存している問題を放置し続けることは,欧米を中心に人権規範がグローバル・スタンダードとして拡がっているなかで,国際的信用を失墜することも招きかねません.

少々話が大きくましたが自分自身はその点にコミットできるような立場でもないので,今回の企画を発端に改善・変化を加えながら,自分のできる範囲での「国際協力」および「国際貢献」を続けていきます.

ここまでご覧いただき,ありがとうございました.


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