第2回 ソロモン諸島,米巡視船の入港拒否
こんにちは.
前回の記事はこちらからお願いいたします.
先日もお伝えしましたとおり,新たな試みとして「国際ニュースに追加で一言」というものを始めました.コンセプトとしては,日々流れてくる国際ニュースや情報に,追加で小さな知識を付与するというものです.
文脈も背景も分からないままに,いきなり世界での出来事を見たり聞いたりしてもピンとこないのが本音であるかと思います.研究の傍らで,ウクライナでの状況をはじめ,台中の緊張,インド太平洋の情勢,中東情勢など,日々海外メディアの報道を追いかけ,地域は限定されるものの興味があれば文献で調べることを続けてきましたので,それをささやかながら還元できればと思い,始めるに至りました.
第2回【ソロモン諸島,米巡視船の入港拒否】AFPBB
中国は近年,南太平洋地域で軍事的なプレゼンスを高めるべく,ソロモン諸島のほかキリバスやパプア・ニューギニアといった国々にもアプローチを仕掛けている.
そうしたなかでのこの出来事は,安全保障の観点から将来的に深刻な懸念となり得る.
今年4月,中国とソロモン諸島は安全保障協定を締結した.2019年にソロモン側は台湾と断交し,長らく中国寄りの姿勢を保持している.
中国によるインフラ進出の意図は多方面にわたるが,経済面・商業面に留まらず軍事面でも多大な意味を含んでいる.特に南太平洋地域の島嶼国を抑えることは,アメリカ側の補給経路の分断工作も兼ねており,こうした動きに地域大国であるオーストラリアも警戒感を高めている.
世界地図で中国,アメリカ,オーストラリア,そしてソロモン諸島,ミクロネシア連邦,キリバス,パプアニューギニアといった南太平洋に位置する国々の位置を確認すれば,中国にとってのこれらの国々の重要性が垣間見えてくる.
よろしければサポートお願い致します。今後記事を書くにあたっての活動費(書籍)とさせていただきます。