図&ストーリーでわかる会計||社長が決算書を読むための超基礎知識||「粉飾決算のしくみ(在庫)」
難解な決算書をシンプルに理解するための記事です。 決算書は様々な会計取引が統合されたものです。そのため、ひとつひとつの取引を理解しないといけません。 このシリーズでは、シンプルに少ない取引の動きだけをとりあげ、決算書の動きを理解できるようにしました。
①1,000円を元手(資本金)として事業を始めました。
②商品を売って稼ぐために、仕入を400円しました。
③商品200円分が500円で売れました(売上高500円)。
④『実際』売れ残りとして200円の商品が在庫となりました。
④『粉飾』売れ残りの商品は200円でしたが300円として在庫にしました。
※①から③については、『実際』も『粉飾』も同じ動きです。
①M君は夢を叶えるために事業を始めました。事業用に現金1,000円を用意して会社を設立しました。
事業用に現金1,000円を入れたことにより、貸借対照表には現金1,000円と資本金1,000円が計上されました。
ここで、損益計算書に動きはありません。
②会社の設立が終わり、いよいよ商売を開始します。商品を売るために現金で400円の仕入れをして、お店に並べました。
貸借対照表では、現金が400円減って600円となりました。
損益計算書では、仕入れをしたことにより仕入400円の原価が計上されました。売上高はまだないため、この仕入の分だけ当期純利益がマイナスとなりました(△400円)。
そして、この損益計算書の当期純利益のマイナスは貸借対照表の利益剰余金のマイナスとして計上されます。
③M君の努力の甲斐があって、ついに商品200円分が500円で売れました(売上高500円)。
貸借対照表では、売上げの現金500円が増えて1,100円になりました。
損益計算書では、売上高500円が計上されました。この計上により当期純利益は100円となりました。
そして、この損益計算書の当期純利益は貸借対照表の利益剰余金に計上されます。
④『実際』
最後に売れ残りとして200円の商品が残りました。
売れ残った商品は、今期の原価にならないので翌期へ商品在庫として持ち越しになります。ここで、今期に仕入れた商品(仕入)から翌期へ持ち越す商品(期末棚卸高)を減算していきます。(仕入-期末棚卸高)
貸借対照表では、翌期へ持ち越す商品200円が計上されました。
損益計算書では、翌期へ持ち越しとなった商品が200円期末棚卸高(原価のマイナス)としてあらたに計上されました。これにより、原価が200円になり、当期純利益は300円(売上高500円-原価200円)となりました。
そして、当期純利益が300円になったことにより、利益剰余金も300円になりました。
④『粉飾』
最後に売れ残りとして200円の商品が残りましたが、決算書の見栄えが良くなるように300円を売れ残りとしました。
売れ残った商品は、今期の原価にならないので翌期へ商品在庫として持ち越しになります。ここで、今期に仕入れた商品(仕入)から翌期へ持ち越す商品(期末棚卸高)を減算していきます。(仕入-期末棚卸高)
貸借対照表では、翌期へ持ち越す商品300円が計上されました。
損益計算書では、翌期へ持ち越しとなった商品が300円期末棚卸高(原価のマイナス)としてあらたに計上されました。これにより、原価が100円になり、当期純利益は400円(売上高500円-原価100円)となりました。
そして、当期純利益が400円になったことにより、利益剰余金も400円になりました。
※粉飾決算はやっていけないです。
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