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♯私のパートナー 「遠くの親戚より近くの他人」

私には20年来の同性の10歳年上の同僚がいる。もう「相棒」と呼んでもいいだろう。二人でチームティーチングをして、大学で日本語を教えている。もう20年も一緒にいるから、阿吽の呼吸だ。お互い一緒にいる時間はプライベートのパートナーといる時間より長い。

私達の性格は全く違う。私は大雑把ではあるが、物事は「すぐやる課」。向こうは始める時の腰がすごく重いのだが、やれば完璧に仕上げてくれる。すごく細かいことによく気づくので、よくフォローしてもらっている。二人の特性を利用して、うまい方法を編み出した。私がとりあえず何かを始めて、相棒がそれを完璧に仕上げるのだ。こうすると大抵の面倒なことは、比較的短時間に、比較的完璧にこなせる。

お互い遠慮がないので、時々険悪な雰囲気にもなる。ドイツにいる日本人あるあるの「直球トーク」。オブラートに包まず、ダイレクトに意見を言ってしまうのだ。それで気まずい雰囲気になることはあるものの、ドイツ特有の「根に持たない」文化。これも私達は習得しているので、さらっと爽やかな関係が保てる。話は逸れるが、ドイツの気候は乾燥していて、日本の気候は湿気が多い。この気候が人間関係のあり方と似ていると私は常々思っている。

で、私達も年をとってきた。20年前はピチピチで、教室の机なども簡単に自分たちで動かしてレイアウトを変えたりできたのに、今はもう誰かの助けなしでは難しい。お互いに体の不調や両親の介護の問題なども出てきた。お互いのプライベートの事情などもよく知っているので、もう家族のようなものだ。

他人なのに、ここまで家族のような人が近くにいるとは、よく考えればすごいことだ。「遠くの親戚より近くの他人。」とも言う。相棒の定年が近づいてきて、一緒に働ける年数もそろそろ終わりが見えてきた。これからも「姉」がいることを当たり前と思わず、最後まで感謝して一緒に過ごしていきたい。

#私のパートナー


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