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高野山とふもと ジャパンコーヒーフェスティバル【和歌山・高野山】

高野山とそのふもとで、途中下車しつつ専門店のコーヒーの飲み比べができる……そんなイベント、「高野山とふもと ジャパンコーヒーフェスティバル」に4月16日、参加してきました。

この日、南海電鉄高野線沿線には和歌山や大阪、奈良などからさまざまなコーヒー専門店が出店し、イベント専用のフリーパスを使って各駅のコーヒーを楽しむことができます。
3枚つづりのチケットの2枚は自由にお店を選べるのですが、1枚はガチャガチャを回して出たお店専用となる「運命のコーヒーチケット」。思いがけないコーヒーに出会えるのもまた楽しみのひとつです。

九度山駅の「コハク珈琲」さん。

私の「運命のコーヒーチケット」は九度山駅で出店していた「コハク珈琲」さん。とても明るい店主さんで、もうすぐ和歌山城の近くに実店舗を構える予定だとか。
ウガンダの豆を中煎りし、ペーパードリップで淹れたコーヒーは軽い酸味が抜けた後、ふわりとまるい苦みが現れる、とてもやさしい味わいでした。

緑に埋もれそうな紀伊神谷駅。

南海電鉄に揺られ次に向かったのは秘境駅として知られる紀伊神谷駅。
ホームは深い山に囲まれ、山影となる木造りの駅舎には橙色の灯りがともり、なんとも懐かしい雰囲気。
ここから山の中を15分ほど歩いた先に、旧白藤小学校を改装したカフェ「Coffeeしらふじ」があり、この日はそこで8つの珈琲専門店が出店していました。

旧白藤小学校の教室でいただく「百合珈琲店」さんのコーヒー。

私がいただいたのは「百合珈琲店」さん。浅煎りのエチオピアモカの豆をネルドリップで淹れている由、花のように濃く甘い香りにすっきりした酸味が加わって、初めて味わうとても個性的なコーヒーでした。

紀伊細川駅より望む風景。


最後のチケットを使うため、再び電車に揺られて向かったのは、紀伊細川駅。
高台にある駅からは昔ながらの集落を見下ろすことができ、長い坂道と階段を下ってイベント会場となっている「八坂神社」へたどり着きました。

境内にそびえる銀杏のご神木。


境内には若葉をまとった銀杏のご神木がそびえており、集まった人たちを微笑ましく見ておられるような気がしました。

八坂神社境内にて、珈琲屋 焙煎太郎さん。

ここでのお目当ては「珈琲屋 焙煎太郎」さん。奈良に実店舗を持たれているとのこと、珍しいペルー産の豆を深煎りにしたコーヒーは香木めいた静かな香りと深い苦み。そして常温に近づくほど甘味が増してくる不思議な味わいです。


ところでこの日、長男は東京から、次男は京都から、イベントに参加するためだけに和歌山に帰省していました。二人ともコーヒーにとても興味があり、ことに長男は日常的にネルドリップでコーヒーを淹れているほどです。
イベントでは同じお店のコーヒーをそれぞれに味わったのですが、三人三様、感じ方がまったく違い、人の味覚にはこんなに幅があるものなんだ、と驚きました。「美味しいコーヒー」だという認識は共通しているものの、酸味の抜け方、苦みの深さの感じ方、そのコーヒーが軽いと思うか重いと思うか……それぞれに違っていて、お互いにその差を話すことがとても楽しかったです。

紀伊細川駅への階段を上る、長男と次男。

「高野山とふもと ジャパンコーヒーフェスティバル」は春と秋におこなわれています。次は秋の風景の中での途中下車と、澄んだ空に似合うさまざまなコーヒーを味わえれば嬉しいです。

「ジャパンコーヒーフェスティバル」公式サイト



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