年始の運勢ランキングなんて、そんな殺生な。

年始のテレビ番組によくある「今年の運勢ランキング」。星座別の順位が発表されるたびに阿鼻叫喚するひな壇の芸能人の方々。

ランキング上位の方は、幸先の良い1年のスタートを切ります。「あなたはこの1年、とても良いことがあります」と予言されるわけです。一方、ランキング下位だった方々。1年の始まりに、そんな酷な仕打ちあるか。

昨年の大晦日、年越しそばを食べながら紅白歌合戦を観て、1年の終わりに想いを馳せたみなさん。ゆく年くる年、カウントダウンTVの特番を観て、新しい年の始まりに希望を抱いたみなさん。まさかの暗転。1月の1週目に「あなたはこの1年、悪いことが立て続けに起こるでしょう」とのこと。なぜそんなにも無情に出鼻を挫くのでしょうか。

ランキングというシステムによって、場の空気は余計にエグみを増します。喜んでいる人がいる。一方で悲しんでいる人がいる。これは社会の縮図か。こっちは社会の縮図を新年から見せられてんのか。喜んでいる人は悲しんでいる人を憐れみ、悲しんでいる人は喜んでいる人を恨めしげに見ている。いやいや、ちょっと待ってくれ。恨めしげな人の心はもうすでに不幸の入口に立っているのではないか。えらいこっちゃで。

ランキング下位の方を憐れむランキング上位の方も、心が荒んでいってます。長期的に見たら、ランキング上位の方も不幸になっていってます。もう、スタジオ内で幸せな人なんて誰もいない。

スタジオ内だけならまだしも、星座別ランキングにしていることで、全国民が当事者に。我々にもダイレクトに影響が及びます。新年から盛り下がった方が多数。えらいこっちゃで。年明けからの日本のGDPだだ下がりやで。


ランキングせず、星座を全部並列にして運勢を語ってくれないか。悪いことは聞きたくないので、良いことだけを教えてくれないか。良いことがひとつもないのであれば「頭髪のキューティクルが年間を通して絶好調」とか些細なことでも良い。いっそのこと捏造してくれてもいい。幸せな気分で1年を始めたい。幸せな気分であれば幸せなのだから。

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