好きこそ、ものの何となれ。
小学生までの私は、踊ることがとにかく楽しくて、大好きで、ただそれだけだった。
たったそれだけだったけど、
ナニモノにでもなれるような、そんな気がしてた。
オトナになると嫌でもわかってしまう。
自分がなれるもの、なれないもの。
自分に向いていること、向いてないこと。
手に入るもの、入らないもの。
この世界がもっと自由であれば、
もっとみんな夢を見ていられるのになぁと思う。
でも、縛りがあるからこそ、
この世界は成り立っているのだろう。
我慢する人がいて、いい思いをする人がいて。
手に入れる人がいて、手に入れられない人がいる。
好きでもないけど向いていることをやるのと、
好きだけど向いていないことをやるのと。
どちらが幸せだろう?
どちらの道を選んだとしても、
辛い事も苦しい事も存在するのだから、
それならいっそ好きなことで苦しみたいと思う。
それでも好きだから、と
ただそのひとつの光に縋っていたいと思う。
人間は比べてしまう生き物だから、
多くの人はまわりと比べられて育ってしまう。
そしていつしか自分自身も無意識に人と比べてしまうようになるのだと思う。
あの子はわたしより優れてる。
その子の方がわたしより才能に溢れてる。
そんなことばかりがあたまを巡るようになってしまったら最後、もう楽しめる世界には戻れないのかもしれない。
ナニモノかになれた人のうちの多くは、そこに辿り着くまでの過程でたくさんのひとと比べられて、勝ち進んできたのだろう。
その道を通った上でただ自分自身だけを見つめて、向き合って、戦い続けていられるようなひとはほんのひと握り。
そんな人もすごく素敵だけど。
好きなものを思うまま自由にやり続けていけるような人が一際輝いて見えるのだと私は思う。
『好きこそものの上手なれ』
幼い頃から何度も何度も耳にしてきた言葉。
当時は意味をわかっているようで、本当の意味では理解できていなかったと思う。
オトナになってようやく理解できた。
なんて素敵な言葉なんだろう。
向いているか向いていないかなんて関係なく、
ただ好きだという気持ちだけで夢みる。
なんて素敵な事だろう。
きっと今からは手に入らないものもたくさんあって、
すでに失ってしまっているものも少なくはないけど
次に好きだ、と思えるものができたら
ただその気持ちだけを大切に大切に抱き続けていこうと思う。
まっすぐ。
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