「晨」って合体漢字で出てきたら「農」の確定演出すぎない?
Q.これらの漢字を組み合わせて、二文字の熟語を完成させよ。
「晨」「二」「西」「一」「各」
『えっ、晨ってこれ「農」の確定演出じゃん!』
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私は幼いころからなぜか漢字が好きで、家にあったポケットサイズの漢字辞典を常に持ち歩いていたくらい。なかでも「薔薇」という漢字に惹かれ、小学1年生のときには既に書けるようになっていた。
当時、IQサプリという番組があって、その中のコーナーで「合体漢字」というものがあった。説明するまでもないが合体漢字というのは、冒頭で示したようにいくつかの漢字を組み合わせて二字の熟語を作り出すゲームだ。漢字が好きだった幼き日の私は土曜の夜になると必ずテレビの前に鎮座していた。
それほどに食い入って見ていたせいで、あれから15年くらい経った今でも脳内で合体漢字をやってしまう自分がいるのだ。二文字の熟語を見れば、それをいくつかの漢字に分解する。なんの意味もないのに、自然と脳内でそれをやってしまう癖がついた。「美脳」になった証拠だ。
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「晨」という漢字、これは「シン」と読み、意味としては「あした」「あさ」「よあけ」といった意味になるようだ。カッコイイ。あまり日常生活では見かけないが、たまに人名にも使われているので知っている人も多いだろう。
私は初めてこの晨という漢字を見た時、『これ、「二」を足したら「農」になるな…』と思ったワケだ。
実際、この二字に共通する「辰」という部首は「ふるい立つ」というような意味があるらしく、晨は「日がふるいたつさま」が転じて夜明けや明日などの意味になったとされる。農という漢字も、「曲」の部分が「林」などを意味するようで、「林で農具などをふるうさま」が転じて農業などを意味する言葉になったらしい。
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それにしても、仮に合体漢字のコーナーでこの「晨」が出てきたらあまりにも「農」の確定演出すぎないだろうか。
実際問題、「農」という漢字を合体漢字で作るのならば「曲」と「辰」の組み合わせがベターかもしれない。曲と辰であれば、他のパーツによってはまだ別の熟語に化ける可能性があるから作問者としては嬉しい限りだ。
しかしながら、「晨」にはその可能性はほとんどなく、「農」という漢字に成ることしかポテンシャルがない。学術的に言うのならば、定向進化ってやつ。魔人探偵脳嚙ネウロでシックスも言ってたろ。なので合体漢字のコーナーで晨という選択肢は出さないほうがいいと思います。一文字が確定してしまうからです。
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さて、冒頭の問題だが、「晨」「二」「西」「一」「各」の文字を組み合わせると「酪農」という単語になる。皆さんは解けましたか。
あと余談なんですが、ある日合体漢字のコーナーを見ていた時、選択肢として出されたいくつかの漢字のうちの一文字を、合体させずにそのまま使用するというトンデモ問題があった。
合体漢字のコーナーであろうことか合体させずに素材のまま使うなんてアリかよ…イキった創作料理店じゃないんだから…と当時の私は思った。そんな遠き日の、土曜の夜7時の思い出。
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