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マリオも思わずマンマ・ミーア。

  昨日は雲が多めでムシムシしていたが雨は降っていなかったので庭の手入れをした。
 
 まずは定番の家の外回りの掃除。
 
 ブロック塀と家の隙間に雑草が伸びておりここから手を付けた。

 背の低い草は手で抜けるがタンポポは根が深いのでなかなか抜けずに苦戦した。

 それでもじわじわと作業を進めて綺麗になったので次の場所へ。

 家の前にある側溝に背の高い雑草が繁茂していたので抜いて回った。

 日ごろ滅多に手入れをしない場所なので掃除のしがいがあった。

 お隣さんとの境界線まで綺麗にして良しとした。

 それから表庭の掃除に取り掛かろうとしてゴミ袋を取ってきた。

 さぁて草を引くぞぉと思って庭を見て、ええっ!となった。

 庭の一面に見たことのないキノコが山のように生えていたのである。

 大きさは直径十五センチくらいで軸は短く地面に張り付くようにポコポコと並んでいた。

 うへぇ、気持ち悪いと思って全身がゾワゾワした。

こんなのが大量発生!

 裏庭でドクダミと格闘している妻を呼んで見て見てと現場を確認してもらった。

 妻の感想もわぁこれってなんていうキノコ、毒あるのかな?と素朴な反応だった。

 しばらく途方に暮れていたが放置していても作業が前に進まないのでまずは相手の正体を知ることにした。

 キノコ類は素手で触るとかぶれるものもあったようなという薄い知識でスコップを使って一株ひっくり返してみた。
 
 すると裏面には筋のような模様がびっしり並んでいてそれがまた本当に気持ち悪かった。

 ううん、どうしたものかと思っていると妻がねぇこれって食べられるのかな?と言い出した。

 いやぁどうだろうと答えて少し考えて、そうだスマホのアプリでキノコ診断とかないかと思って探してみるとすぐに見つかった。

 これはいいやと思って利用規約に承認してアプリを落とした。

 それから早速キノコの写真を正面、側面、裏面を撮影して検索ボタンをポチッとな。

 するとすぐに適合率九十七パーセントのキノコのデータが出てきた。

 気になる正体はミダレアミイグチという初めて耳にする名前だった。

 名前以外の詳しい情報は出なかったのでググってキノコの名前を入力して調べてみた。

 どうやら六月から九月にかけて公園の植え込みや里山に生えるらしくて我が家の庭もこの条件に当てはまっていた。

 一番気になるのは毒があるかどうかだが、手で触っても大丈夫だった。

 ついでに食べられるかどうかも調べてみたがイグチ科のキノコなので一応食用は可能らしいが決して美味しいものではないと書いてあってがっかりした。

 ある程度調べがついたので妻にどうしよっか?と聞いたら処分の方向でと言われたのでバシバシ引っこ抜いてゴミ袋に詰めていった。

 初めて気が付いたのだが私は野生のキノコは積極的に触りたくない位には苦手だった。

 庭一面に得体のしれないキノコがびっしり生えるのは今が梅雨時だからだろう。

 もう生えてきませんようにと願いながらゴミ袋の口をギュウッと締めて一件落着。

 今度庭に生えてくるならばマツタケが良いなぁとのんきなことを考えたのであった。

 そんな事を考えながら昨日の夕飯の事を少しばかり。

 日曜日だったのでお買い物はお休み。

 前の日に実家で焼き肉をした時の余った食材を分けてもらったので冷蔵庫の中身は潤沢だった。

 さぁてこれだけ材料があって献立に困るようじゃ主夫落第だと思って何を作ろうか少し考える。

 ステーキ肉が一人前あったのでこれをメインにする。

 焼く三十分前に冷蔵庫から取り出して常温に戻しておく。

 お肉の準備が出来るまでの間に副菜を作る。

 枝豆があったのでさやから取り出して薄皮を剥く。

 卵を割ってよく溶いてから茶こしで濾して滑らかにしておく。

 白だし少々を水で薄める。

 薄めた白だしと卵液を合わせてそこに枝豆を投入。

 後はレンジで熱が入りすぎないように様子を見ながらチン。

 これで失敗しらずのレンチン茶わん蒸しの完成。

 お次はトウモロコシを貰っていたので醤油を塗りながらフライパンで焼いていく。
 
 香ばしい醤油の焦げる匂いがたまらない。

 今年はお祭りに行けるかなと考えながらトウモロコシがこんがり焼けたら出来上がり。

 汁物はキャベツのみそ汁。

 ではメインのステーキを焼いていく。

 両面に塩コショウを強めにふったら牛脂を敷いて肉を焼いていく。

 焼き加減はレアくらいが丁度いい。

 アルミホイルに包んで少しお肉を休ませるのも大事な工程。

 その間に食パンをトーストする。

 お肉が落ち着いたら極薄に削いでいく。

 パンが焼けたら片面にマヨネーズを塗る。

 そこに削ぎ切りにしたお肉を挟んでステーキサンドの一丁上がり。

 ようし、出来たと思いつつ妻を呼ぶ。

 並んだ料理を見て今日は豪華版だねとテンションが上がっていた。
 
 困ったわこれはビールかしらと小芝居を打ちながら鼻歌交じりに冷蔵庫を開ける妻が可愛らしかった。
 
 プルタブをプチンと起こしてグラスにタッタッタと注いで乾杯。

 クイーッと飲むと今日も元気だビールが美味いという昔のコマーシャルのようなことを思ってしまう。

 ではではとおかずに手をつける。

 まずは茶わん蒸しから。

 小さいスプーンで卵をすくうとトロトロのプルプルで口当たりが楽しい。

 白だしだけで味付けしているので優しいお味で食べていてホンワリする。

 たまに作るけどなかなか良いものだなと思う

 次は焼きトウモロコシに齧りつく。
 
 醤油の香ばしさとトウモロコシのジュワッとした果肉の甘さが良いコンビネーションでビールが進む。

 何だか気分が乗ってきたなと思って二本目のビールをゴビリと飲む。

 では本丸のステーキサンドを食べよう。

 あんぐりと大口を開けてガブッと噛むとお肉の旨味とそれを受け止めるマヨネーズを塗ったトーストの香ばしさが加わる。

 六枚切りの食パン二枚でサンドしているのでボリュームは満点だった。

 妻もこれは食べ応えがあるねと言いながらムシャムシャと食べていた。

 サンドイッチを食べながら飲むビールが思いのほか美味しくてスイスイ飲んでしまった。

 全部食べ終えると満腹でしばらく動けなかった。

 いやぁ食べた食べたと大満足。

 一人前のステーキ肉を二人前に増やす錬金術に成功したので昨日の晩御飯は大勝利である。

 毎日の料理作りが楽しくて仕方がない。

 ああ台所に就職したい、なーんてな。

 

 

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