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マボロシのペットボトル

 今日のお昼にコンビニのATMでお金をおろしたらピカピカの新紙幣が出てきた。
 
 おっ、こんな田舎にもとうとう登場するようになったかと一瞬顔がにやけたが不審者に思われないようにササッとその場を立ち去った。

 車に戻って改めて新紙幣を見てみると何だか表面がツルツルしており、金額が数字で書いてある所に新しさを感じた。

 千円札をおろしたので紙幣の顔は北里柴三郎さんである。

 これまでの夏目漱石さんに比べるとずいぶんいかめしいつきでその風格は一万円札でもいいんじゃないかという存在感である。

 今回手に入れたのは千円だけなので五千円の津田さんと一万円の渋沢さんとはまだ対面していない。

 そのうちにお釣りなんかで出会う事になるだろうが新紙幣というのは馴染むまでに何となく違和感がある。

 そういえば新紙幣で思い出したのだが、かって漫画や小説などで少年たちが雷に打たれるとか何かの衝撃で未来にタイムスリップしてしまうという展開がよくあった。

 空を飛ぶ自動車や見たことのもない高いビルなどに驚いたり、不審な子ども達という事で警察官に追いかけられたりして、命からがら逃げきった時にはお腹がペコペコになっている。

 そこでみんなでスーパーなんかに行って食べ物を買おうとするのだが、商品の値段の高さの驚いて大したものは買えない。

 そこで菓子パン一個をお金持ちの子が持っていた虎の子の百円札で支払おうとするのだが、お店ではそんなお金を見たことがある人はいないので偽札じゃないのかと疑われて慌てて逃げ出すというシーンは想像に難くないだろう。

 その子たちは昭和三十年代頃の子どもという設定で十円玉は持っていた。

 そこでそのお金でペットボトルのジュースを買ってみんなで回し飲みをして飢えをしのぐという描写もよくある展開である。

 その頃には彼らも自分たちが未来にやってきたという事に気が付いており、これからどうしようと途方に暮れていると都合のいい事に町の発明おじさんと知り合う。

 おじさんはタイムマシンを開発中であり、未来には行けないが過去に一回だけ戻れるという非常に都合のいい機械を持っておりでその実験体にならんか?と誘われる。
 
 このまま未来にいても生きていけないと思っていた少年たちはその案に飛びつく。

 そして実験の開始の日が来て、少年たちはぎゅうぎゅうに転送カプセルに押し込められてスイッチが押される。

 バチバチバチッと激しい放電と衝撃で窓ガラスが割れる。

 しばらくして音が収まると転送カプセルの中は空になっていた。

 実験は成功じゃぁと叫ぶ博士の声が遠くにこだましている頃に少年は河川敷の草むらで目を覚ます。

 辺りには高いビルは一つもなく見慣れた夕暮れの風景である。

 おい、やったぞ戻ってこれたぞっ!と少年が叫ぶと、なに言ってんだお前ずっと寝ていたじゃないかと言われる。

 ええっ、となると今までのは全部夢?

 キツネにつままれたような少年を見ながらみんながいたずらっぽく笑う。

 ああっ、てめえらウソつきやがったな!と言って追いかけまわすというところでラストシーンにはその時代にあるはずのない空のペットボトルが一本…。

 物語の後半は私の創作だが、多分何処かで誰かがそっくり同じような話を書いていると思う。

 夏、少年、冒険、タイムスリップ、怪しい博士…どれをとっても物語になりうる要素が揃っている。

 その気になったらちゃんとした物語にして書いてみようか。

 ジュニア小説という言葉最近あまり聞きませんね。

 それはそれとして昨日の晩御飯の話を久しぶりに少しだけ。

 昨日のメインは豚トロ。

 焼くと脂っこくなってこの時期には少々辛いので茹でる事にした。

 沸騰したたっぷりのお湯で茹でる事五分。

 ザルに空けて粗熱を取る。

 その間にニラをとにかく細かく切る。

 切り終えたら半分は取っておいて残りをボウルに入れる。

 そこに醤油とごま油、鶏がらスープの素を加えてよく混ぜたらニラ醤油の出来上がり。

 残りのニラは卵でとじてニラたまにする。

 副菜は厚揚げをトースターで焼く。

 きゅうりをすり下ろして麺つゆで味付け。

 厚揚げを切り分けてその上にすり下ろしたきゅうりをかけたら厚揚げのきゅうり掛けの出来上がり。

 ぬか漬けは人参。

 みそ汁はトマトと玉ねぎ。

 プチトマトをみそ汁にそのまま入れる。

 豚トロにニラ醤油をたっぷりと書けたらメインの一品の出来上がり。

 うん、これは夏のスタミナメニューだなと思って妻を呼ぶ。

 昨日は休肝日。

 まずはぬか漬から食べる。

 二日間漬けたので良く漬かっておりなかなかいいお味。

 次にニラ玉をハクリ。

 ニラと卵の相性は間違いがない。

 それから厚揚げをつつく。

 きゅうりのさっぱりした味が厚揚げの油を中和してくれて食べやすい一品。

 麺つゆだけという味付けも潔くて良かった。

 妻も気に入ったみたいでモグモグと食べていた。

 ではメインの豚トロを。

 ニラ醤油をたっぷり絡めて口に運ぶ。

 ショリリとしたニラの食感に醤油とごま油のバランスが丁度いい。

 茹でた豚トロは脂っこさが抜けるので非常に食べやすい。

 モグリモグと夢中になって食べた。

 今日のヒット賞だった。

 ゆっくり食べて腹八分目でご馳走様。

 後片付けをサクッと済ませて早めに就寝。

 今日は新紙幣から懐かしのジュニア小説あるあるに話が飛躍してしまいました。

 子どもの頃はあまり本を読まなかったけれどジュブナイル小説は好きだったんですよ。

 最近あんまりジュブナイルって言葉を聞きませんね。

 あ、ライトノベルがその代わり普及したのか。

 何にせよ物語を考えるのはとっても楽しいっす。

 

 

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