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INTP型HSPの独り言

 わたしがこんな風に生まれついたことに意味があるのか。そんな風に自問しながらこれを書いている。今、衝動的にとても死にたい。怖いのでそんなことはしないけれど、こういう時は「怖い」という本能があってくれて本当によかったと感謝してしまう。


INTP型について 

 INTP型というのは、MBTIテストだか16性格診断テストだかで判明した私の性格傾向だ。この性格診断については説明するより直接調べてやってみてもらった方が速い。定期的に流行る(?)から、知っている人も多いかもしれない。

 INTPは所謂超論理主義者だ。主義というと語弊がある。本人が意図するとしないとに関わらず、生まれつき思考回路が論理的にものを判断するようにできている。五感で得るあらゆる情報を収集・蓄積し、脳内で絶え間なく分析と思考を繰り返している。同じ型の有名人だと、歴史上天才と謳われた学者が多数名を連ねている。とにかく珍しいタイプだと言う。
 具体例になるかわからないが、絶え間ない分析と思考がどういうことかと言うと、私の場合は今ここに書いている文章と同じ口調で同じような内容のものがずっと頭の中で流れている。他の人がどうなのかは知らないけれど、たぶん違う人からすれば発狂もののストレスフルだろう。

 INTPの素晴らしい点は、おそらく基礎的な思考力が総じて高いところにある。そりゃあ物心ついた時から絶え間なく周囲の情報を頭の中で転がし続けているのだからそうなる。歴史上数多くの天才を輩出していることからも間違い無いと言える。
 とはいえ、それは「天才」だから素晴らしいのであって、当然ながら「天才」の域に満たない有象無象のINTPは塵のようにいる。
 私はそんな塵の一人だ。

 INTPの欠点は、頑固で理屈っぽく、彼らの理論に興味が無い人にとっては意味不明なことを捲し立てる偏屈屋だというところ。感情的な判断をする部分が欠落しているので、同情や共感ができないと言われる。余計なお世話である。

 そんなわけで、INTPが「天才」を授からず生まれてしまうと、下手に頭がいいせいで屁理屈を捏ね繰り回す堅物のKYができあがる可能性が非常に高い。その上INTPの本質は「行動」ではなく「思索」にあるので、口先で偉そうなことを言うだけの嫌な奴になる。なお、すべてのINTPがそうと言うわけでは決してなく、あくまで自虐的な表現として見逃してほしい。

HSPとは

 過去の記事でも取り上げたし、本も平積みTVでも広く取り上げられたから、今更ここで語ることは無いと思う。「繊細さん」と言われることもある。周囲の情報を敏感にキャッチしすぎる人だ。
 「しすぎる」という言い方をすると「しすぎなければいいんじゃない?」と思われるかもしれないが、本人には過敏だという自覚は無い。生まれた時からその状態が標準だからだ。むしろHSPじゃない人はこういうこと気付かないの?!と知って驚くことの方が多い。
 相手や場の空気を読み過ぎて疲れてしまう。過多な情報に圧されてメンタルに負荷が掛かり、心を病む人が続出する。そうすると「自分って弱いのかな…?」と自分に自信が無くなったりする。らしい。

 私はINTP型の性格傾向をしていると同時に、HSPの気質を持っている。ここまで読んでもらったら伝わっていると嬉しいのだが、この時点で己の中に酷い矛盾を抱えている訳である。

一見矛盾するINTPとHSP

 INTPは論理的な判断し、感情的なものは筋が通っていなければ採用しない。対してHSPは感情的な情報を過敏に受け取るため、どうしてもそれに思考や行動が左右されてしまう。
 一見すると相容れないが、両者には共通する点がある。
 周囲の情報を敏感にキャッチすることである。

自分の中に二人いて、弱気になると入れ替わる

 結論から言うと、私は平常時はINTPそのものの考え方、振る舞いをしているらしい。平常時と言うのは「HSPの特徴が前面に出てきていない時」のことを指す。大人になると自分に自信を持ち続けるのが大変だ。だから、最近あまりINTPの自分に会える機会が少なくなってしまった。
 ストレスが限界量を超えたり、何か心に衝撃を受けて弱ってしまうと、HSP気質が全開になる。何か理不尽なことを言っている人がいて、INTPとして生きている時は「この人の主張は論理的に破綻している。採用する必要はないから無視しよう」と思えることが、HSPが前に出てくると「ああああああ怖いごめんなさい機嫌を損ねないようにしなきゃああ怖い胃が痛いあああああ」となる。

 とても、つらい。
 INTPとHSPが共存していて良いことがあるとすれば、HSPのために落ち込んでいる時の自分を冷静に分析できることである。様々な精神疾患に認知行動療法が有効なように、自分の状況を客観的に見直せるのは症状の改善に役に立つ。私も「あ、今はストレスが需要量が超えて抑うつ症状が出ているな。これとこの不調は症状のせいだ」とすぐに判断し、休養なり服薬なり処置が取れる。おかげでそれ以上症状が進行することなく済んでいる。

 一方で、「気休め」や「思い込み」が効かないという絶望的な欠点がある。
 誰かに自分の症状を話すときも、取り乱すことなく簡潔に客観的に説明できる。そうすると相手はどうやら「大丈夫そうだな」と思うらしい。確かに前述の理由である程度までは大丈夫なのだが、本当に助けてほしいことが素直に伝わらなくてもどかしいこともある。
 そして、最大の困難は、「短所を長所に捉えなおしてみよう☆」みたいな短絡的な思考回路ができないことである。できるっちゃできる。たぶんできる。そこに理があればもちろんできるのだが、同じくらいはっきりと「これを改善する方法は無い」という「絶望」も理解できてしまうのである。
 がむしゃらに頑張ることも、誰かの情緒的なサポートで気休めを得ることも、ストレス発散で一時的に忘れた気になることも、できない。

 私の前にはただ整然と「解決しえないという絶望」だけが横たわっている。

終わりのぼやき

 INTPとHSPはある意味では補完し合える。INTPの共感性の欠如という欠点をHSPが補えるはずなのだ。そーうだったらいいのにな。少なくとも私の場合にはデメリットの方が大きい。

 どうしてこう生まれてしまったのだろう。どうして私なんだろう。
 もし「天才」と呼ばれる人がこの素質に生まれていれば、きっと精神医学分野なんかで誰かのために貢献できるのだろう。または、人の感情に強く訴えかけるような名作芸術が作れるかもしれない。
 生憎、私にはそういった役立てられる才能が見当たらない。せいぜい愛犬の考えや異変にすぐ気が付くくらいだ。

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