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『異邦人』を読んだよ

どうも、草村です

この作品も文学講義で教授が紹介していて気になったので読んだ。気になった理由は、冒頭の「今日、ママンが死んだ」というフレーズが印象に残ったからだ。
読んでみてまず驚いたのは、主人公ムルソー氏の一人称が「私」だということだ。「ママン」なんて言うもんだから一人称も「ぼく」だと思ったし、第一もっと子供なのかと思っていた。
因みに大学の教授は講義で『もうひとつの『異邦人』』という、殺されたアラブ人側の視点でこの物語を検討してみるという小説を紹介していた。この小説の冒頭が「今日、マー(お母さん)はまだ生きている」なのがまた面白い。

『異邦人』は第一部と第二部に別れていて、第一部でムルソー氏がアラブ人を殺してしまって、第二部では裁判の様子などが描かれる。偶然この間読んだばかりの『朗読者』も第二部がほとんど裁判シーンだったので少しデジャブを感じた。どちらの作品も、第一部はキラキラとしていて楽しそうだったのに第二部では裁判で大衆に晒され、暗い牢獄の中に閉じ込められるのが悲しい。
ムルソー氏は人殺しをしてしまった理由を「太陽が眩しかったせいだ」と言う。「月」を見ているとヘンテコな気持ちになるが「太陽」というのはなかなか意外だとまたもや変な所に注目してしまう。「陽のひかりにやられて、頭ががんがんしていた」と言っていたので、実は熱中症気味だったのではないだろうか?何にせよ、あの場でピストルを持ってさえいなければあんなことにはならなかっただろう。平凡な感想だが、銃社会はやはり危険だなどと思ってしまうのであった。

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