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自宅安静を言い渡されるという初経験

7月7日、七夕の日。
産科の検診。赤ちゃんの可愛い顔を4Dエコーで拝み、続けて内診を受けた時に事は起きた。
「おぉっ?子宮の入口から膣までの長さがかなり短いね。診察室でお話ししようね。」
そう先生に告げられ、診察室で張り止めの薬とその薬の副作用を抑える漢方を処方されるとともに「1週間自宅安静。1週間後にまた病院来てもらって、状況次第で入院してもらうね」と言われたのであった。

なんという急展開。
とはいえ今までろくにつわりにも苦しまず元気いっぱいに過ごしてきたわけで、全て何もかも安泰に済むわけもないか〜と思った。お腹の子が相変わらず元気なのは確認できているので、このくらいのことはなんのその。

ただ、今までにお腹が張る感じはなかった?と聞かれても特段の自覚がないのは問題だった。診察を終えた後、帰宅してから頻繁にお腹を気にして触ってみるようにしたところ、ようやく「張り」の何たるかを知った。
「張ってる時が多すぎて、張ってるのを普通の状態だと思い込んでた……!」
衝撃の気づきであった。もっと衝撃だったのは、相棒はその張りに気づいていたことだった。バスケットボールみたいな張りだったらしい。自分の体の状態に自分がいちばん鈍感だったとは。

かくして自宅安静が始まったが、ここで最も心配になるのは自分のことより相棒のことだった。
相棒は自分なんかよりよほどしっかりと家事をする。そして完璧主義で悪いことは何でもかんでも自分のせいにするタイプ。しかも数日前に体調を崩して仕事を1日休んだ後、回復しきっていないまま仕事をしている。
世の中ではこのような状況に陥ると「家事の出来ない夫」を心配するのが未だ多数なのだろうが、我が家ではむしろ「家事と仕事とを両方100%でやり切ろうとして倒れそうな相棒」を心配せざるを得ない。

予感はやはり現実味を帯びた。
遅番仕事の前に家事をやってくれるのはとてもありがたい。だが、全てを完璧にこなそうとするあまり、洗濯機を回し始めてから天気予報が突然雨になっていることに気づき天気に八つ当たり。そして洗濯機を回した自分自身を責める。
ひとつ自分を責め始めると何もかもを関連づけて自己否定をし始めるので、ずっと家事を任せすぎたから俺を自宅安静にさせてしまっただの、自分のなにもかもが嫌だなどと声を荒げ出す。他人には絶対に八つ当たりしないけど、自分自身とモノにはあまりにも強く当たる。

その声をずっと聞き続ける自分は、今までもゴロゴロしてばかりの生活をしてきて暇を持て余した時にのんびり家事をやって気晴らしをしてきただけなのに、家事をやりすぎだと否定されたようでとても辛くなる。モノに当たったってモノは意思もなく自分で動くことも出来ないのにそんな無意味なことしてどうするんだろう?と思う。失敗しても「まあいっか」のマインドで次どうするかを考えた方がずっと建設的でエネルギーもメンタルも削らないのに。ひたすら過去の反省と自己否定に走るのを見ているといたたまれなくなる。

本当は自分の方に「しーらない」と放置しておけるマインドがあれば済む話なのだが、それがなかなか上手くできなくて困っている。過去の自分が完全に相棒と同じ思考をするタイプだったからというのと、母が俺の成長過程において同じように悲痛な声を荒げながら家事をしていたからというのがある。
それで今の自分も引きずられて過去の自分が戻ってきてしまい、かつてのように自分が全て悪いという歪んだ前提を基に反省して落ち込まなければならないような気になってしまう。また、悲痛の声に黙って耐えるしかなかった幼少期のメンタルに引き戻されそうになる。それらが当然だった当時は何も思わなかったけど、そこから一度脱却した世界を知ると、引き戻される感覚はあまりにも辛い。
考え方のクセは意識で変化させることが可能でも、元のクセは根本に残っていて、トリガーがあると顔を出してしまうらしい。三つ子の魂百までじゃないけど、幼少期に染み付いてしまったものは完全に消し去ることは出来ないのだろう。
それでも何とか、相手を変えようなんて傲慢なことは思わずに、自分をもっと変えなきゃいけないとは思う。他者の感情に引きずられないようになりたい。

相棒の方も自分自身の性格に自覚をもって何とかしようとしてるのがわかる。その証拠に、ヒートアップした後に最近はクールダウンが入る。
何より大前提として、家事を全部引き受けて、細かいことも「あ〜絶対安静の人は動いちゃだめ〜(笑)」とネタ化しながらあれこれやってくれるのは心強すぎる。絶対安静ほどではないのよ自宅安静なのよ。

ところで、いっそ入院になった方が保険金も入るし相棒の負担も減るのでは?と思ったのだが、相棒としては仕事の合間の睡眠時間などを削ってお見舞いに行くのはしんどすぎるとのことだった。
たしかに荷物を持ってきてもらわなきゃならない機会もあるだろうから、全くお見舞いに来なくていいよというわけにもいかない。最大限ゴロゴロし倒して自宅安静を乗り切り、入院にならないようにがんばる方針でいきたい。

とりあえずお腹の張りの何たるかがわかったので、張らないよう気にかけてのんびり過ごそう。
見出し画像のイラストのようにね。 


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